2019年12月22日日曜日

「ニッポンノワールー刑事Yの反乱」最終回:全ての謎は、この1時間の為にあった

笑えない結末!!




10月13日、森の中のとある山小屋で

刑事・遊佐清春(賀来賢人)が目覚めると

隣に碓氷薫警部(広末涼子)の亡骸。

そして自分の右手には拳銃が握られていた。

殺したのは自分なのか?

何故かここ数カ月の記憶も失っていた…



その後の調べで

9月9日に起きた未成年4人組による

十億円強奪事件の真相を突き止めたことで

薫は殺害されたことが判明。



その事件には警察の地下組織

『ニッポンノワール』が関っていた…



南武捜査一課長(北村一輝)は

遊佐をはじめとする有志8名で特別班を結成し

真相解明に乗り出す。





南武に頼んで一芝居うった遊佐は山小屋へ向かい

車から降りる前に新薬を自分に打つ…

深水(笹野高史)により

全ての記憶を取り戻していた。



薫は肉体改造プログラムを完成させる新薬を

コインロッカーに隠したのだ。



番号を遊佐に教え

「あなたには全てを知る権利がある。

これから容疑者になってもらうのだから…」



十億円強奪事件を起こし

ニッポンノワールの存在を

世に知らしめようとしたが叶わなかったので

今度は遊佐と二人で組織を炙り出すという。



「今から私はここで死ぬ。

容疑者はあなたよ」



警察は遊佐を追いながら

十億円強奪事件との繋がりで

ニッポンノワールの真相に辿り着くはずだと。



警察全体が動けばニッポンノワールも

その存在を隠し切れないというのだ。



「過去を消して

誰かにとって都合のいい人間を創るなんて

許されることじゃない。


人が人らしく生きる為に

こんなシステム、破壊しなくてはいけないの。


もうこれしかないの」



遊佐の説得には耳を貸さず

拳銃を自分のこめかみにあてる薫。



一瞬の隙をつき薫の拳銃を撃ち落とすが

次の瞬間、銃弾が薫の胸を貫く。

撃ったのはガスマスクの男…

振り返った遊佐も殴られ、倒れてしまう。



薄れていく意識の中で

薫の唇が「克喜(田野井健)のことお願い…」

と動くのが見えた…





目覚めると深水が再び問い掛ける。


「銃声は何発だった?」


「二発…」


「偽りの記憶は取り除けたようだ」



今見た記憶が本当の記憶だと言い

コインロッカーの鍵を渡す。





ガスマスクの男を炙り出すという遊佐に

「私に出来ることは?」と咲良(夏帆)。



咲良に何かを伝えた後、南武へ電話。

特別班のメンバーの中に真犯人がいると話す。



そして南武と一芝居うった後

コインロッカーへ新薬を取りに行く。



そこへ明海(立花恵理)が

DNA鑑定報告書を届けに来る。

「不一致」という結果と血の付いたUSBが

入っている…





山小屋にはガスマスクの男がいた。


「残念ながらそこには十億円も新薬もねえよ。

お前の化けの皮、剥がしてやるよ」



遊佐の首筋に血管が浮き出る…



肉体改造の成功者は遊佐を含め二人。

新薬はその強靭な肉体を圧倒的な力に

引き上げるものだった。



だが新薬が適合するかどうかは

保証できないことを深水から聞いていた。



圧倒的な力でガスマスクの男を倒す遊佐。


「お前の正体、暴いてやるよ」


ガスマスクの男は才門(井浦新)だった!





特別班の部屋の才門のデスクを探り

盗聴器を見つける南武。

江國(杉本哲太)に遊佐との計画について話す。



才門が生きていたことに驚き


「ということは真犯人は才門警部?」


だが「そいつはどうかな…」と南武。





USBに付着していた血痕が

才門のものではないことを知った遊佐も

やはり驚かない…



USBには心肺機能を一時的に停止して

仮死状態にする薬の作り方も載っていた。



全てを話し始める才門…



極秘プロジェクトには人格矯正、肉体改造の他に

精神支配プログラムというのがある。

いわゆるマインドコントロール。



強盗団の4人はその精神支配を受けていた。

薫に暗示をかけられ、銀行を襲ったのだ。



そして才門はそのプログラムを遊佐に使った。

暗示にかけられた遊佐はある言葉を発すると

才門の命令に従ったという…



「Look at Me!本城を射殺せよ」



その言葉で自分の意思とは無関係に

本城(篠井英介)を撃ったと…



「ふざけるな!」


掴みかかる遊佐に


「Look at Me!俺を許せ」


「許す訳、ねえだろ!」



暗示がきかないことに驚く才門。



「さてはお前、あれ、使ったな?

まあいいや、よし本題に入るとするか」



再び話し始める才門…



計画について才門にしか話していなかった薫は

彼が裏切ったと思い責めるが

自分は何も話していない、

組織は気づいていたと答える才門。



「それなら私が犠牲になる」



自分が死ぬことで警察全体に

ニッポンノワールを暴かせると言う薫。

そして遊佐に容疑者となってもらうと。



克喜のデータから

肉体改造の成功率が高いと思われた遊佐は

組織から狙われていた。



警察全体が遊佐を容疑者として追えば

組織も手が出せないというのだ。



これは遊佐の命を守る為でもあった。



犬死になるだけだと止めたが

薫の決意は固かった…



そしてあの日、薫からメールが届いた。


「これから十億円強奪事件の真犯人に会います」


遊佐の犯行に見る為のものだった。



急いで山小屋へ向かった才門が見たのは

薫の遺体と気を失った遊佐、

そしてガスマスクの男…



ガスマスクを持っているのは

カモフラージュに使った陣内(落合モトキ)と

自分とあと一人だという。



「既に正体はわかっているという顔だな」



才門がガスマスクを被ったのは2回。

今日と留置場で遊佐を襲った時だけで

あとは全て『あいつ』だと…



今日ここへ来たのも

新薬が彼の手に渡らないようにする為。




あの日、気を失った遊佐を

ガスマスク男と警察病院へ連れて行った才門。



だが薫を殺したのは自分だという記憶に

すり替えようとするのを止めた。



才門は『あいつ』にも暗示をかけていた。



その後一人で深水の所へ連れて行き

遊佐の記憶を3カ月ほど遡って消去することと

遊佐が新薬を使えるように

肉体改造を実行することを依頼した。



組織は新薬を手にする為に

遊佐を生かすしかなくなったのだ。



星良(入山法子)の復讐を誓って組織に入ったのに

その力とエグさを嫌というほど見せつけられ

すっかり骨抜きにされてしまったと…



だが魁皇高校立てこもり事件の教師が

必死に今の社会を訴えるのを見て

あがいてみるのも悪くないなと

思うようになっていったと話す。



ただ遊佐が警視庁のガンのままなら

覚醒する前に殺すつもりでいたとも…



成功者はいずれ力を得る。

それは善と悪、どちらにも転ぶ。

だから覚醒する前に遊佐に

人間らしさを獲得させるつもりだったと。



だがそんなお膳立ては必要ないくらい

遊佐と克喜は強い絆で結ばれていった。

だから自分も組織と決別して

遊佐と一緒に逃げたという。



「ならどうして死んだふりなんかして

姿を消した?」



「ふりじゃねぇーよ、

実はマジで死にかけてた。

今もそうだ、もうそう長く…」



血を吐く才門。

彼も遊佐を守る為にプログラムを受けたのだ。



だが適合しなかった。

無理がたたってボロボロだという。

それで陰ながらのサポートに回ったのだ。



碓氷元警察庁長官(大和田伸也)に電話して

克喜の実験を遅らせたのは才門だった。



お互いに命を賭けていたことを知った二人…

新薬を自分に投与することがどういうことかも

わかっていた。



「お前を選んで正解だったよ。

お前ならきっと星良の無念を晴らしてくれる」



その時、銃声が響き、銃弾が才門の胸を貫く!



「大丈夫ですか?先輩!」



銃を構えた名越(工藤阿須加)が

咲良と入って来た…



才門に駆け寄る咲良。



「ごめんな、咲良ちゃん…」

そして遊佐に向かい

「後は頼んだぜ、相棒…」

息を引きとる…



「あれ?俺、勘違いしてました?

すみません、てっきり才門さんが…」



名越の銃を撃ち落とす遊佐。



「猿芝居はやめろ。

お前が班長と強盗団を殺した真犯人なんだろ」



名越のことを随分前から疑っていたという。



薫の携帯のパスワードの相違、

ガスマスク男が右肩を刺された後

利き腕でない左手で拳銃を構えていたこと、

山小屋に残されたニッポンノワールのNと

名越が書いたサインのNの類似。



「他にも幾つかあるが

自白するなら割愛してやるよ」



「なんだ…せっかく頑張ってキャラ作ったのに」



本性を現した名越は遊佐をぶっ飛ばす。

そして遊佐が新薬を使ったと知ると…



「参ったなー、

これを手に入れる為に

先輩を生かしておいたのに」



咲良に逃げるよう命じる遊佐。

だが克喜と咲良は大事な人質だと

立ちふさがる名越。



克喜を車の中で待たせていたのだ…



薫も強盗団も碓氷と陣内を殺したのも

自分だと白状する。



(貴志もだよね…)



碓氷と陣内は自分が新薬を手に入れて

ニッポンノワールを掌握する為に

目障りだったから殺したと…



「お前の手に新薬が渡らなくて良かったよ」



新薬は適合しなければ1時間も持たずに死ぬ。

注入したのが10時半…あと30分あるが

殆どの人間には適合しないのだ。



「許せないなー

先輩が僕より強くなるのは」



肉体改造を受けた二人の戦いが始まる。



名越が遊佐に近づいたのは才門の指示だった。

遊佐を生かしつつ自分を近くで監視する為に…



ずっと才門に従っていたが

徐々に彼は怪しい行動をとるようになり

とうとう組織を裏切って遊佐につこうとしたから

警察病院の地下で殺そうとした…



「Look at Me!俺の前から消えろ」



暗示にかけられていた為

彼の指示に従い、その場所から消えたのだ。



遊佐の体が変化し始める。

血管が浮き出て化け物のような姿に…



その姿をカメラに収めて世間に公表するよう

咲良には伝えていた。



化け物のような姿で戦う二人の姿を

ライブ配信する咲良。



動画を見た魁皇高校の元生徒たちは

ニッポンノワールの存在を知らしめる為

拡散を始める。




血を吐き、跪く遊佐。



「どうやら新薬が適合しなかったようですね」



その時、やめろ!と叫びながら

克喜が名越に突進。

もちろん敵うはずはない…



「警視庁のガンが子ども一人で

こんなに変わるなんてねー。

そんなに自分の子どもが可愛いですか?」



遊佐が父親だと初めて知る克喜。



「最後に知れて良かったね、バーイバイ!」



トドメをさそうとする名越に

力を振り絞ってタックルする遊佐。



「あなたはもうじき死ぬ!」


「それがどうした、今さら怖くもねえよ。

お前らのせいでな、

嫌っていうほど死人を見てきたんだ。

みっともねえあいつらの死に様を」



本城、貴志(永信)、宮城(細田善彦)、

そして才門の最期が蘇る…



「みんな誰かの幸せを祈って

人間らしく生き抜いた。


こんなクソみたいな世界でもな

最後の瞬間まで自分を信じて貫いて!

死に様こそが生き様だった!


お前にそんな生き方、出来んのかよ!?」



「自分を信じる?貫く?

そんなもの必要ない!

人を傷つけ、命を奪う人間を作り替えて

何が悪い!?」



そういう名越を見て薫の最期の言葉が蘇る…



「克喜のことお願い…

あの子が、みんなが笑顔でいられるように」





「お父さん!お父さん!」

駆け寄ろうとする克喜を必死に止める咲良。



「あいつはもう

プログラムが無効化してるんだってよ。


いつ昔の自分に戻ってもおかしくねえのに

すげえよな。

人体実験なんかしなくても変れるんだよ」



この世界は意味のわからないことばかりだった。

知らないことだらけで

知っていると思っていたことでさえ

誰かに吹き込まれているのかもしれない。


いつの間にか全部それを

受け入れてしまっている。



「ただな、お前らの思い通りなんて

クソくらえなんだよ!


俺たちは未完成。

完璧な人間なんていない。

誰でも過ちを犯す。


間違いを無かったことにするんじゃない。

抗うんだよ、自分の力で!


あいつはそれを教えてくれた。

今度は俺の番だ。


自分次第でこの世界はいくらでも変えられる」



再度変貌をとげる遊佐。

もの凄い力で名越をぶっ飛ばす。

血を吐き、倒れる名越…



遊佐も倒れ、克喜と咲良が駆け寄る。

すると遊佐の体が元に戻っていく…

気がつくと名越の姿が消えていた。





何とか車に辿り着く名越。

だが振り返ると銃を構えた南武が立っていた。



「午後11時15分

碓氷薫殺害の容疑で逮捕する。


徹底的に追い込んで

ニッポンノワールの全て、曝してやる。

覚悟しとけ」





深水に電話をする咲良。


「少しは効いてくれたか…

栄養ドリンクには

新薬の反発を抑える成分を入れていたんだ。

毎日少しづつ飲むことで新薬に順応するように」



過酷な運命を背負わせてしまった遊佐に

せめてもの償いをと思ったのだ。



「動画は削除されたけど

みんなが拡散してくれている…」

と芹奈(佐久間由衣)。



これで父の冤罪も晴れるだろう。





遊佐が無事だと聞き、喜ぶ特別班のメンバー。

三上(水上剣星)にいたっては泣き出す始末。





そして…十億円は深水が持っていた。

全てが公になった暁に

人体実験で命を亡くした遺族に渡して欲しいと

薫が預けたのだ。





遊佐にハンカチを差し出す克喜。


「お父さん、カッコ良かったです」


「あんな化け物みたいな姿がか?」


「僕には誰よりも強いヒーローに見えました」



時計の針は11時20分をさしていた。



「危ねえ、間に合った。誕生日おめでとう」



ケーキを買って家へ帰ろうと歩き出す二人…



エンディングはバースデーケーキを囲み

誕生日を祝う遊佐、克喜、咲良。



何か足りない物があったのだろうか?

仕方なく遊佐が部屋を出て行く…



異変がおき、倒れる遊佐。

壁に血の跡…

その下には胸から血を流し

目をつぶった遊佐の姿が…



どういうこと?

新薬が適合せずに死んでしまったのか?



だとしたらホント、笑えない…



「3年A組」同様に

伝えたいメッセージがあることはわかったが

ハッピーエンドにしても良かったのでは?



観る方にお任せします的な終わり方は

スッキリしなくて好みではないが

視聴者間で捉え方を話すのは面白い。



そういう見方もあるのかと感心するし

視野が広がる気がする。

それがこの脚本家・武藤将吾の狙いなのかも…



●深水のいう怪物とは?
  ↓
 新薬のこと?
 
●遊佐が深水から渡される謎のドリンク
 ↓
 新薬の反発を抑えるものだった
 
●名越が克喜のクラスを4年1組だと思った理由
 ↓
 南武に疑いを向けさせる為に作り出しただけ

●ガスマスクの男の正体
 ↓
 才門と名越
 見分け方は敬語かそうでないからしい (^-^;

●才門の本当の狙いは?
 ↓
 星良の無念を晴らすこと

●才門は本当に死んだのか?
 ↓
 やはり生きていた












ニッポンノワール 日曜22時半 日本テレビ

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