2021年11月21日日曜日

「最愛」第6話のあらすじと感想

 優の無実が証明されるが…


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

梨央の弟・朝宮優(高橋文哉)は、渡辺昭(酒向芳)殺害の重要参考人として警察に身柄を確保される…


"2006年9月21日、白川郷に台風が近づいて風の音が聞こえていた…"

6話は梨央のナレーションで、渡辺康介(朝井大智)の事件の回想シーンから始まる。

"あの日起こったことは現実じゃない、怖い夢を見ただけだと何度も自分に言い聞かせた。現実だと認めてしまったら大切な思い出も残らず壊れてしまう気がした。認めたくなかったことと向き合う時がきた…"


駒沢警察署に着くと法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)が待っていた。白川郷でのことは梨央から聞いたと言う。梨央も捕まったりしないかと心配する優に、大丈夫だと加瀬。任意同行なのでここに居る必要はなく、帰って梨央にも会えると言うが、優は会いたくないと言う。

事情聴取が始まる前に本当のことを話して欲しいと言い、質問する加瀬。まずは康介の事件。自分がやったという優に、梨央を守る為に康介を刺したことを確認し、当時9歳なので罰を受けることは無いと言う。今回の昭の事件については、自分が何をしたのか動画に残っていると答える優。


部屋で一人不安を抱える梨央に大輝から電話が入る。「今誰か側についとってくれる人おるんか?」母・梓(薬師丸ひろ子)がいつでも帰ってこいと言ってくれているから大丈夫だと答える梨央。優がどこにもいなくなってしまうのではないかと心配する梨央を、そんなことにはならないと安心させる大輝。

大輝が迎えに来てくれて良かったと話しながら、冷蔵庫から取り出そうとしたヨーグルトを床に落としてしまう。蓋が開いて中身が飛び散る…

「優はどうなってまうの?」「どうなるとは今は言えん…待っとってくれ」


加瀬も梨央を心配して訪ねて来る。どれくらいの罪になるのかという梨央に、逮捕も未だだし、起訴されるかもわからない、ハッキリ覚えていないなら何も喋らないよう伝えたと話す。優は気力を失っているから励まし続けるしかないと。

床に散らばったヨーグルトに気づく加瀬。何か出来ることはないかと言う梨央に「とりあえず今日はもう寝て。何も考えなくていいから。優くんは取り戻す。」

安心したのかそのままソファで眠りにつく梨央…梨央の腕時計を外し、ブランケットを掛ける加瀬の表情が優しい。やはり加瀬にとっての『最愛』は梨央のように感じる。

「お願いした動画の解析、急いでもらえますか。報酬はお望みの額をお支払いします。」電話をする加瀬。


優の取り調べが始まる。

富山県警刑事の藤井隼人(岡山天音)と電話で話す大輝。黙秘を続けていると伝え「弁護士が粘って助言しとる。」…加瀬が署で、そろそろ休憩ではないかなど口を出していた…「聞いてますよ、真田の番犬の話」と藤井。そして朝宮達雄(光石研)の証言通り、鉄塔の下から衣類や凶器が出て来たので、埋めたのは達雄で間違いないという。梨央からも詳しく話を聞くが、ショックを受けているだろうと…「前から知っとったかもしれん。何をどこまでかはわからんけど…」「こんなえらいこと知ってて胸にしまっとけるものでしょうか」驚く藤井。


一方、暴行を受けて拉致されたフリーライターの橘しおり(田中みな実)は、『真田ウェルネス』専務・後藤信介(及川光博)によって解放された。

翌日、後藤に呼び出される橘…「私を脅せと指示したのは専務さんですか?」「いいえ。」「手下のやり過ぎを止めに来たボスって感じでしたよ。」…殺されて自分の名前がトップニュースに出るのも悪くないと思ったと言う。「ショボいですよね、殺されでもしなきゃ世間に注目されないなんて。梨央社長みたいに生きてるだけで注目浴びる人もいるのに。何でこんなに不公平なんですかね。」梨央に対して悪意を持っているように感じる。

お見舞いだと大金を渡し、立ち去ろうとする後藤に、どんな目に遭おうが『真田ウェルネス』の不正は突き止めると宣言。対する後藤から、新聞社を辞めた理由や法都大学時代に休学していることなど言及されると、お金を投げつけ「私のこと調べても時間の無駄ですよ、ほんと面白くも何ともないんで!」逃げるように去って行く。かなり動揺しているようだ。

「力、貸して。相手を甘く見過ぎてた。」編集長に電話する橘。


取り調べ中の優は、『渡辺昭さんも苦しかっただろうな』という取調官の言葉で罪を認め、動画と音声が入っていると小型カメラを差し出す。

署員たちの様子から何かあったと気づく加瀬。捜査本部にも優が自供を始めたと報告が入る…

係長の山尾敦(津田健次郎)は大輝を呼び出し、岐阜でのことは聞いた、今後真田梨央とは関わるなと釘を刺す。「言っている意味わかるよな?次はねえぞ。」って、一体桑田仁美(佐久間由衣)はどう報告したのだろうか?


優が逮捕されたことがニュースで報じられ、後藤と兄・政信(奥野瑛太)から呼び出される梨央。一方的に責める政信だが、後藤はどう会社を守るつもりかと質問。梨央は後藤と二人で話したいと政信を退席させる。

「弟の刑が決まった時には責任を取って進退を決めます。社長に就任する時、母に言われました。後藤さんは命懸けで会社を守って下さる方だから、安心して背中を預けなさいと。」退くまでは全力を尽くすが、その後のことは宜しくお願いしますと頭を下げる。

梨央が出て行くと、笑い出す後藤。梓の言葉に対してなのか、梨央の失脚が嬉しいのか?


動画の解析結果の報告を受ける加瀬。詳しい殺害現場は未だ発表されていないが、昭が落ちたのは東側の池だという。

音声付きの動画を確認する加瀬…昭が梨央に『康介が最後に会ったのはあんた』だと言い、何があったのか教えて欲しいと頭を下げる。自分ではないと否定し、もう会いに来ないでと昭の手をふりほどいて立ち去る梨央。その背中に「なんべんでも行くでね。何があったかなにがなんでも話してもらうで、いいか!」怒鳴る昭…近づいて来た優に気づき「また金持ってござったんか。…いらんわ。」「息子さんと最後に話したのは僕です。息子さんの命を奪ったのは僕です。」「ええ加減なこと言うな!」「ごめんなさい。」何度も謝る優の首を凄い形相で絞める昭。思わず昭の首を掴む優。揉み合いになり「何で康介は殺されなあかんのやー」と池に転落…。


優に面会する加瀬。突き落とした場所について『大きい方の池ではないのか』など何度も同じことを聞いてくることを知り、警察は決めつけてくるから誘導には乗らないようにと助言し。そして優が育てていたというパキラの様子を見に行く約束をする。


駒沢署の前で様子を覗う梨央に気づき、声をかける大輝。優が取り調べに耐えられるか心配する梨央に「俺は優は弱いとは思わん。あいつは自分がやったことに責任持とうとしとる。どんだけ苦しくても、それでもあいつは逃げんと言った。弱い者には出来んことや。待つ方も辛いと…」

「社長!」加瀬が声を掛ける。梨央に加瀬と行くよう促す大輝。仕方なく署を後にする梨央…「彼は古い友達じゃない、刑事なんだ。」と言い聞かせる加瀬。


捜査本部でも動画の解析から、優が昭を突き飛ばした場所が東の池の淵だとわかる。遺体が発見されたのは西側の大きな池で、殺害現場も西の池の淵という見立て…二つの池は繋がっていない。

検死結果で後頭部に挫創、頸部に圧迫痕が見受けられていた。圧迫痕は動画の優の手の位置と相違無し。挫創は池に落ちた時に出来たものなのかと疑問を口にする桑田に、問題なのは死因だと言う大輝。山尾は再び目撃者探しを命じる。

そこへ大輝を訪ねて加瀬がやって来る。池の場所が違うことについて言及し、慎重な捜査を依頼する加瀬…

「優は犯行を覚えているんですよね?」「いいえ。と言っても自白は覆せないでしょ?どうか彼の病気を考慮の上、捜査を進めて頂けますか。」優の18歳までの診療履歴を渡す。

「今でも同じ症状が残っているんですか?」治す手段は開発中の新薬の他には無いと答える加瀬。大輝は本部に伝え、病理鑑定も早急に行うと約束する。


「真田の番犬に丸め込まれているんじゃねえよ!」と怒る山尾。だが、同じ資料が検察にも渡っていると聞き、検討しておくと…捜査員たちの大輝を見る目が冷たい。そこへ目撃者の情報が入ったと報告があり、大輝と桑田が情報提供者の元へ向かう。

ラーメン店にたまに来る客の一人が、ニュースを見て『あの犯人を見た』と言ったというのだ。特徴を聞き、捜索を始める大輝たち…


優の拘留が決定し、検察主導で本格的な取り調べが始まることを梨央に伝える加瀬。矛盾点もわかってきたので、検察に働きかけ、更に優の気力が折れないよう最善を尽くすと言う。約束通り、何度も検察に通う加瀬…


梨央も新薬が承認されるよう全力を尽くす…


ようやく目撃者を見つけた大輝たち。

ずぶ濡れになった男が東側の池から這い上がって来て、西側の池の方に歩いて行ったと…声を掛けようとしたら「康介!」といきなり叫び出したというのだ。昭の写真を見せたところ、間違いないと答える。そして他には誰も見なかったと言う。


上京した藤井と会う大輝。優の起訴は免れるかもしれないが、目撃証言の裏が取れれば、傷害致死から傷害に切り替わることもあると話す。

「他に容疑者浮かんで…」「ない。」「でも15年前の事件と関連濃厚でしょう。」「動機が口止めならな。」「昭さん、岐阜での事件の関係者、何人かに会ってますよね?」

マネージャーの青木菜奈(水崎綾女)と長嶋透(金井成大)で、長嶋にはもう会いに行ったと大輝。「その二人とあとは梨央ちゃんか…都内に住んでる岐阜の事件の関係者、他にもいましたよね?」藤井は法都大の松村という女性がいたと言う。


康介が起こした『女子大生連続性的暴行事件』の被害者リストを調べる大輝。その中に法都大学の松村栞という名前があった…


加瀬の尽力によって不起訴になり、釈放される優。抱き合い喜ぶ梨央と優に、大輝も力になってくれたと思うと加瀬。

「警察は本来何があっても被害者側に立たなきゃいけない。けど今回の事件、彼は被疑者側に同情し過ぎている。」「どういうこと?」「良くないことなんだよ…」梨央の顔が曇る…


5百万渡して突き落としたのに、不起訴はあり得ないと荒れる山尾。本部の外で聞いていた大輝に『今日の夜、会えますか』と梨央からメールが届く。

待ち合わせ場所に着いた大輝の電話が鳴る…

「優が戻って来た、ありがとう。」「俺は何も。良かったな。」「大ちゃん、優の為を想ってくれたんやな…ホントはやったらいかんことなんやろ?」「何言っとるんやさ。」「もう会わんようにする…大ちゃんの立場が悪くなってまったら私も嫌やもん。最後に顔が見たかったんや。」「どこにおるんや?」

周りを見渡し、歩道橋の上に梨央の姿を見つける。目が合う二人…

「勝手に決めんな!」そう叫び、梨央に向かって走り出す大輝。逃げる梨央…。

追いついた大輝が梨央を抱き締める。無言で抱き合う二人…大輝の目を見て「じゃあね…」とひと言、歩き出す梨央。「梨央!」大輝の声に振り返り、少し笑って手を振ると走り出す。梨央の姿が見えなくなるまで立ち尽くす大輝。やはり二人が結ばれるのは無理なことなのか…


馴染みの店で優と加瀬と三人で食事をする梨央。店主に優を紹介し、これからは一緒に暮らすと嬉しそうに報告する。優の手にはパキラの鉢があった…。あらためて加瀬にお礼を言う優に、富山県警では正直に話せばいいと言う。康介の事件でも事情聴取を受けるのだろう…

弁護士になりたいと思ったのはいつかと優から聞かれ、子どもの頃に近所に住んでいた弁護士のことを話す加瀬。地域の人の相談にのって忙しそうで、加瀬も飼っていたいたインコが逃げたから探して欲しいとお願いしたことがあると。「困っている人の為に何でもする仕事なのかと思ったよ。そこからかなぁ…」


法都大学の松村のことで大輝に電話をする青木。2005年と2006年の合同合宿で白山大学に来ていると言う。携帯番号は変わっていて連絡はつかないが、一応写真を送ると…そして「仕事大変やろけどさ、もう電話しんといてくれる?昔のこと思い出したくないで。」

送られて来た写真に写っていたのは橘しおりだった!

同じ頃、後藤も新しい情報屋から彼女の報告を受けていた。橘しおりの旧姓は『松村栞』…


加瀬と別れた梨央と優の後を尾ける栞。家の前まで来たところで声を掛ける。差し出した名刺を見て、例のゲラを書いたライターだと気づく梨央。優に先に部屋へ戻るよう言う。

「やっと会えましたね、この日を待ってました。」冷たい目で梨央を見据える栞…


なぜ栞は梨央に対して敵意を持つのか?

ようやく優を取り戻してホッとしたばかりなのに、1話の冒頭シーンを思い出し、嫌な予感がする…

4話の信号待ちのシーンに続き、今回大輝に別れを告げるシーンも切なかった。結局二人が結ばれることは無いのだろうか?悪いのは康介で、梨央たち家族は被害者なのに…。達雄は亡くなってしまったが、せめて梨央と優には幸せになって欲しい。


◆疑問点◆

①康介を最初に刺したのは優だが、それで絶命したとは思えない。真犯人は別にいる?

②遺体を埋めたのはやはり達雄だったが、桑田の言う通り、一人で出来るだろうか?5話放送の後、ネットニュースで話題になっていた影の正体は?やはり協力者がいたということ?康介の事件には寮生が絡んでいるように思う。

③達雄が亡くなった後、梨央の家を藤井が訪ねて来たのは何故?

④昭を殺害したのは優ではなかった。真犯人は誰?康介の事件の関係者?それとも梨央を守りたい人の犯行?

⑤橘しおり=松本栞は康介の被害者だった。2006年9月から一年間大学を休学したのは、事件のせいなのか?栞はなぜ梨央を敵視するのか?

⑥ペーパーカンパニーは後藤一人でやったことなのか?栞を脅したのも後藤?

⑦昭に渡された5百万はどういうお金なのか?優に頼んだのは後藤?それとも?


康介の事件を担当する藤井が上京した。表情がどことなく怪しく、真犯人は藤井ではないかと感じさせる。




2021年11月16日火曜日

「最愛」第5話のあらすじと感想

姉弟愛に涙… 


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

9年ぶりに再会した梨央の弟・朝宮優(高橋文哉)は、渡辺康介(朝井大智)・昭(酒向芳)を殺害したのは自分だと告白…5話は優の言葉で始まる。


"悲しい日が続くと姉が夢に出てくる。夢の中の姉は背が高くて、少し体を傾けて俺の顔を見る。「覚えてなくても大丈夫、姉ちゃんが優の分まで覚えとく」頼りない俺を守ろうとするあの頃の姉だ。大人になった今の姉は、一度も夢に出てこない…"


『やったのは自分』だと言う優をホテルの一室で待たせ、加瀬賢一郎(井浦新)に協力を求める梨央。うまく警察の目を欺き、優の部屋へと向かう。

「ずっと会いたかったんやよ、何でお姉ちゃんを一人にしたんやさ…」

真田の家に来てからのことを話し始める優…

二人なら大丈夫だと言ってくれたが、真田家の人が何を考えているかわからないし、学校でも上手くやれなかった。自分が何か人とは違っていることが段々と分かってきた…。昔に戻りたかった。そして、あの頃のことを全部覚えておきたくて、削除した画像を復元し、あの夜の動画を見つけ…自分のしたことがわかった。

そして真田の家を出た優。梨央の母・梓(薬師丸ひろ子)や梨央に迷惑をかけたくなかったから、戻らないと決めたと…。

高校を卒業するまでは、山梨に居た。梓や加瀬が面倒をみてくれて、学校の寮で暮らしていたのだ。

一人で生きていかなくてはいけないと、必死で情報処理の勉強をし、ようやく自信がついた2018年、梨央が社長になったことを知り、心配になった…梨央の周りは敵だらけだとわかっていたから、一番の敵が誰なのか調べて近づいた。

「後藤(及川光博)さんが姉ちゃんを追い出そうとしたら、俺がいつでも助けるつもりやった。でも、もう助けられん。俺、警察に追われとる。」

「一人にしてごめんな…でも9年、優と会えるの待っとった。」

梨央の会社がどんな薬を創ろうとしているか、知っていたと優。梨央は優にも治験を受けて欲しいと言うが…

「それ、無理やさ。やったのは俺なんやよ…」

「そのこと記憶にある?優はやっとらん。何もしとらん。そうやろ?」

記憶に無くても記録に残っているから、自首すると言う優。その前に梨央の顔が見たかったのだと…


捜査本部は、イヤホン男が生田誠という名前でマンスリーマンションを借りていたことまでは掴んだが、保険証は偽造された物で身元は特定できない。パソコンに残っていた動画はイヤホン型の小型カメラで撮影されたもので、それ以外の動画は遠隔操作で一斉消去され、復元は困難だった。残された動画から昭の発言の一部が判明した…

「また金持ってござったんですか?」

警察は動画の撮影者が昭にお金を渡した男と同一で間違いなく、『真田ウェルネス』の周辺でも目撃情報があることから、何らかの繋がりがあると考える。

生田誠が優だと気づいている大輝だが、そのことは伏せたまま「真田梨央には異母兄弟がいます。朝宮優、24歳。」と発言。思わず顔を見合わせる係長の山尾敦(津田健次郎)と桑田仁美(佐久間由衣)…運転免許証情報システムで朝宮優の顔がわかる。生田誠と同一人物かと山尾に聞かれ、確証が持てないと答える大輝。


優と別れ、加瀬と合流した梨央。

「優の居場所、知ってたんだね」

「優くんが高校を卒業する時に会ったのが最後…」

加瀬に何か耳打ちする梨央。驚く加瀬。目で何かを訴えながら、加瀬を残し一人タクシーに乗る…

その後、優の部屋を訪ねる加瀬。二人が最後に会った時のシーンが蘇る…

加瀬に将来やりたいことがあるかと聞かれた優は「消えてなくなりたい…もし自分を消せるスイッチがあったら押していると思います。」やっていはいけないことをやってしまったと言う。優を必要とする梨央を安心させる為に、無事でいることを月に一回知らせてあげることはできないかと提案する加瀬…これで優から届く絵葉書の意味がわかった。

「今も興奮すると記憶、飛ぶの?」と聞かれ、頷く優。


昭が東京で、康介失踪当時白山大学の陸上部員だった長嶋透(金井成大)とマネージャーの青木菜奈(水崎綾女)を訪ねていたことがわかり、長嶋に会いに行く大輝。彼が乾燥大麻に手を出したことで、陸上部は無期活動停止処分になったのだ。

14年ぶりの再会に「あの時陸上部だった奴の顔、俺まともに見れないんだけど…特にお前と藤井(岡山天音)、ホント悪かった。」昭と会った時のことは何度も警察に話したし、事件当日は職場近くの居酒屋で飲んでいたという。

7月末に息子が山で見つかったと押し掛けて来て…警察は間違っている、康介はどこかで生きている、今でもメールや電話でやり取りをしているのではないかと詰め寄られたと。

別れ際、思い出したように15年前のあの夜、外で男の叫び声がしたと話す。食堂かその裏辺りで。朝宮達雄(光石研)だったのではないかと…次の日げっそりして何か考え込んでいたから「やっぱあの日、寮で何かあったんじゃないかな…」


梨央の部屋を訪ねる加瀬。梨央から頼まれた物なのか、紙袋を渡す。優から送られてきた動画を見せ、自首すると言っていることを伝えると、一日だけでいいから二人で白川郷へ行かせて欲しいと懇願する。優も必ず一緒に東京へ戻ること、途中で警察に声をかけられたら直ぐに連絡してくれと加瀬。

部屋を出て車に乗り込む二人。大輝と桑田がその後を追うが、途中で車を降り、地下鉄の駅へと走り出す梨央。

梨央が車を降りた後、加瀬は一つ聞きたいことがあると梓に電話をし、その足で後藤の元へ…中傷記事を書いた橘しおり(田中みな実)について尋ねる。梓に確認したところ、橘が新聞社にいた頃は関係も良好だったので、今さら真田に弓を引く理由がわからないと。何か隠していないかと後藤に詰め寄る。彼女の狙いは真田グループか、創薬事業の妨害か、何を探っているのか、何を知っているのか…

それには答えず「公園で殺害された男について社長からどう聞いてます?」と逆に質問する後藤。「殆ど面識はないと。」「息子も殺害されています。」「息子とも顔見知り程度だと…」「君はそれを真実だと考えていますか?」

岐阜から出て来たあの男と、事件の4日前に話したと言う。後藤の車の前に突然飛び出して来たのだ。車にぶつかりひっくり返る。慌てて車を降り、声をかける運転手を突き飛ばし、乗り込んで来た昭…梨央が乗っていると思ったのだ。地図を見せ、息子がここで居なくなったと訴える。警察に聞いても要領を得ないから、自分が探してやらないとと言うので、社長と話してみましょうと応え、地図や写真などを預かったと…

「息子が死んでいることをわかっているのか、いないのか…とにかくその真偽を確かめてみたらいかがですか。」加瀬に封筒を渡し「橘しおりも同じことを調べているんじゃないですか。」と彼女の名刺を渡し、微笑む。

封筒の中にあった陸上部の写真の裏に『2006年合同合宿』と書かれていた…


大輝たちの読み通り、飛騨高山行きの高速バスに乗り込む梨央。桑田と二人バスを追う。中央道の停留所から優が乗車するのを確認し、朝宮優だと本部に報告する大輝。山尾はこのまま泳がせて証拠を掴めと指示する。


「帰ったら何しようか?」「おばあちゃんが死んだ時もお葬式に出られんかった。おばあちゃんに謝らんと。お父さんにも。」梨央の肩に頭を乗せ、ホッとしたのか眠りにつく優。


優と無事に会えたと報告を受けた加瀬は、橘に電話をする。自分の番号を後藤から聞いたと聞き、少し意外そうな顔…「橘さん、弊社に興味がお有りのようですね?」「全然無いですよ。ゲラのことでご迷惑をかけてしまったみたいですみません。」一度会いたいと言う加瀬に出かけるからと一方的に電話を切る。

橘は『真田ウェルネス』のペーパーカンパニーを訪ねて来ていた。丁度車から降りて来た男に声をかける。「エクス貿易という会社、ご存知ありませんか?登記上の住所、ここなんですよ。」…わからないと答える男。

事業実態が無いこと、同じ住所で8社登記されていることを編集長に報告。事務所の中に電話機があることに気づき、ガラスを割って侵入するが、先ほどの男が入って来て…逃げようとしたが、縛られ、ガムテープで口を塞がれ、車のトランクに放り込まれてしまう。


白川郷に着いた梨央と優は、墓参りに行く…

「お父さんが倒れた日のこと、覚えとる?」

「寮のみんなが救急車呼んでくれて…藤井さんが大丈夫や、大丈夫やって側におってくれて…姉ちゃん早く帰って来いって、そればかり考えていた。」

「お父さん、何を思っとたんやろ。幸せやったのかなぁ…」

加瀬から渡された紙袋の中身はお金だった。まとまったお金と父が自分達の為にコツコツ貯めてくれたものだと通帳を渡し…

「逃げて。遠くに逃げて。それで又いつか会いに来て。」

「逃げても無駄やさ。俺、逃げてばっかりだったで。もうしんどいわ。」


実家に戻った二人。ただいま…と泣き出す優。達雄が毎日パソコンで日記を付けていたことを思い出し、それを見れば何を思っていたかわかるかもしれないと言う。家の中を探しても見つからず…いつも寮でパソコンを使っていたことから、二人は寮へ向かう。


その頃…実家を張り込んでいた大輝は、梨央の父親のことで確認したいことがあると山尾に伝え、白山大学に行き、陸上部男子寮の2006年9月頃の日誌を探していた。

ようやく見つけた日誌には、康介が失踪した9月21日も翌22日も『特記事項なし』とあり、そこで日誌は終わっていた。23日にクモ膜下出血で倒れたのだ…。

大輝は、日誌に挟まれていた『寮が所持、管理する車の買い替えに関する要望書』を見つける。作成されたのは22日…。達雄が事件に関与していると言う大輝に、遺体を一人で運べるだろうかと桑田。

そこへ梨央たちが寮へ向かったと報告が入り、大輝たちも寮へ向かう。


達雄のパソコンを見つけた優。日記を読み…

「お父さん、幸せだったと思うよ。俺もこの頃が一番幸せやった。」

「やり直せんのかなぁ…何もかも無かったことに出来んのかなぁ。」

「姉ちゃん、これ…」

2006年9月23日のフォルダがあった。カメラに向かって話す達雄…その時、梨央は大輝たちが来たことに気づく。


「警察です。パソコンから手を離して下さい!」と桑田。すると何故か「久しぶりやな。」と優に声をかける大輝。「この前会ったやろ。」と返す優に「心配しとったんやぞ。無事でおってくれと思っとった。」どこか不自然な大輝の言葉…どうしたのだろう?


『いつかは言わないかんことだと思います…』達雄の告白は続いていた…止めようとする梨央に「お父さんが最後に思っとったことを、何を思っとったんか、俺は知りたい!」と阻止する優。同じく二人の元へ走る桑田を大輝が止め、彼女に頭を下げていた…

『私、朝宮達雄は9月21日深夜、渡辺康介さんを殺しました…』娘に乱暴しようとしていたところを止めたら、何のかんの言い逃れをするので腹を刺したと…「違う、嘘や!」と優。

優が康介を刺し、梨央の上に倒れこんだ後、達雄が戻って来た。「お父さん!」達雄の胸に飛び込む優。思わず何度も叫ぶ達雄。

『うちの娘に何てことをするんだと腹がたって腹がたって許せんかった。冷たくなったあの人を山へ運びました…』康介の遺体を埋め、脱がせた服や靴や凶器のペグは離れた場所、鉄塔の所に埋めたという。『何ちゅうことをしたんや。あん人にも家族がおるのに。罪は償います。必ず償います。悪いのは私で子供らに罪はありません…』泣きながら話す達雄…

「お父さん、嘘ついとる!刺したのは俺や!」叫ぶ優に「言わんでええ。」と大輝。「公園であの人のお父さんをやったのも…」それでも続ける優に「姉ちゃんの前で言わんでええやさ!」

『息子は部屋で寝とりました。娘は何があったか覚えとらんと言うとります。子どもらは何も知りません。全部、全部私一人がやったことです。何もかんも全部、私一人がやりました。』


「お前と姉ちゃんが好きやった。」二人に近づく大輝…「二人が困ったら、いつでも駆けつけると思っとった。何も出来んかったな。」

「優を連れて行かんで。」

「優、今度は必ず力になる。」

「姉ちゃんはなんも関係ない。俺、逃げんて決めたんや!姉ちゃん、ここまで一緒に来てくれてありがとう。やっと会えたんや、忘れたくないわ。」


身柄を確保され、東京へ移送される優。半狂乱ですがりつこうとする梨央を大輝が引き離す…

大輝に止められてからずっと冷ややかな目で見ていた桑田は、大輝のことで報告したいことがあると山尾に連絡。


一方…橘を拉致した車のトランクを開けたのは後藤だった…「バカだな、お前。」冷ややかな目でひと言。どうするつもりなのか?


そして…事件現場の公園?を調べる加瀬の元へ『助けて』と梨央からのメッセージが届く…


姉弟愛を実感する回だった。梨央と優にとってお互いが『最愛』のものだということがわかる。二人の気持ちが切なくて、あらためて康介が憎くなった。それと、寮で二人を見つけてからの大輝の言動に違和感を覚えた…この違和感は何だろう?


◆疑問点◆

①康介を最初に刺したのは優だが、それで絶命したとは思えないので、真犯人は別にいる?

②遺体を埋めたのはやはり達雄だったが、桑田の言う通り、一人で出来るだろうか?康介にトドメを刺したのは達雄?どうしても学生が絡んでいるように思う。

③達雄が亡くなった後、梨央の家を藤井が訪ねて来たのは何故?

④優が記録した動画から昭の首を絞めたのが優のように見えるが、実際に殺害したのは誰なのか?ネットで話題になっている通り(ここに気づくなんて凄い!)昭の遺体が発見された池と優の動画で昭が落ちた池は反対側にあるので、犯人は優ではない。

⑤橘しおりは何故2006年9月から一年間大学を休学していたのか?康介の事件と関係があるのか?

⑥ペーパーカンパニーは後藤一人でやったことなのか?しおりをどうするつもりなのか?

⑦昭に渡された5百万はどういうお金なのか?優に頼んだのは後藤?




2021年11月10日水曜日

「最愛」第4話のあらすじと感想

9年ぶりの悲しい再会… 


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

ようやく昔のように話をした二人。でも距離はまだ縮まらない。殺害された渡辺昭(酒向芳)に5百万を渡したのは『真田ウェルネス』の専務・後藤信介(及川光博)が雇う情報屋の男(高橋文哉)で、捜査一課はイヤホン男と呼んでいた。彼が殺害現場である公園内の防犯カメラに映っていたことが判明。


"かけがえのないものと聞いて何を思い浮かべるか…家族、友人、恋人。では、それらを持たない人間は?私は自分を受け入れてくれたこの場所を何よりも大切に思う。淋しい人間と言われようとそれが私の人生だ。世の中には孤独と折り合いを付けられる人間とそうでない人間がいる。彼もおそらく私と同類だ"

4話は後藤の言葉で始まる…後藤の『最愛』のものは会社だった。先代の社長に目をかけられていた後藤にとって、梨央は居場所を奪った存在なのだろう。『彼』とは情報屋のことだ。


真田ホールディングスや梨央の殺人事件関与の疑惑を追及する記事のゲラが、役員の間に出回るが…法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)は、裏付けの取材を全くしていないことから、表に出す記事ではなく、ただの嫌がらせだと言う。次の役員会でそう説明すると言う梨央に、今後も嫌がらせは続くのではないかと不安を口にする後藤。更に梨央の社長としての資質に疑問を持っていると。事件のことではなく、創薬事業のことだ。つまづくようなことがあれば責任を取ってもらいたいと言う。

ホールディングス社長で梨央の母・真田梓(薬師丸ひろ子)は、梨央を社長に抜擢した後もずっと、会社の為に頑張ってきてくれたことで後藤を買っていた。彼に認めてもらえるよう、創薬事業を介護事業の規模に育て上げると約束する梨央。


一方、昭が7月29日から死亡した8月3日まで『真田ウェルネス』の最寄り駅で下車していたことが判明。5百万を受け取ったのは8月2日…昭の動きを封じたい人物が、イヤホン男にお金を持たせた?係長の山尾敦(津田健次郎)はそれが梨央だと考え、彼女をマークすること、イヤホン男の現金受け渡しの前後の行動を洗い出すよう命じる。


フリーライターの橘しおり(田中みな実)と会った後藤は、『真田ウェルネス』が沢山のペーパーカンパニーを持っている証拠を見せつけられ、何故か鼻血を流す…。今回の記事に関しても真実かどうかは関係ない、記事が出てしまえばそれが真実になる世の中だと言う。

新聞記者だった頃は、後藤から情報をもらい梓の上げ記事を書いていたのに、一体何があったのか?彼女の目的は?

後藤は情報屋に橘について調べるよう命じる。ためらう情報屋に「何でもやると言ってきたのは、あなたの方ですよね?」とひと言。どういう経緯があったのだろうか?


大輝の梨央に対する訪問を、自分も同席することで承諾する加瀬。情報屋は社内の監視カメラでその様子を見ていた…

8月3日の夜、公園内及びその付近で情報屋の男を見なかったかと写真を見せる桑田仁美刑事(佐久間由衣)。加瀬も梨央も男に心当たりはないと答える。続いて加瀬の当日の行動について尋ねる大輝。

午後11時半まで社内で梨央と打ち合わせ、その後退社。自宅に着いたのは12時頃だが、戸建てなので防犯カメラは無い。ただ12時過ぎに自宅から梨央にメールをしていると言う。深夜にメールをするほど急な用事があったのかと桑田。更に「それとも二人は交際しているとか?」驚く梨央と大輝。「家族です!」立ち上がる加瀬。梨央とは15年間家族同様に過ごしてきたと言う。


大輝たちを送る際に加瀬は、学生時代懇意にしていた相手を疑えるものなのかと質問。疑うことが仕事だからと答える大輝。

「彼女が今、全てを失うようなことはする筈ないと思いますよ。彼女はそんな愚かな人間じゃない。知ってますよね?」

そして任意の捜査である限り、自分を介さない問い合わせには一切対応しかねると釘を刺す。


情報屋から後藤の元へ橘についての情報が送られて来る。1986年生まれ、青森県弘前市出身。法都大学卒業後、2010年新聞社に入社。4年前にフリーランスへ転向。情報屋は一つ気になるのが、大学在学中の一年間(2006年9月~2007年8月)休学し、その頃に両親が離婚していることだと言う。休学の理由についてはこれから調べると。渡辺康介(浅井大智)の事件も同じ頃…何か関係が?


橘はペーパーカンパニーの住所を訪ねてみるが、ドアポストにはチラシが溢れ、隣の部屋の住人も見たことがないと言う。


携帯が繋がらないことで心配して梨央の自宅を訪ねる加瀬。ネットニュースに『疑惑だらけの治験薬』という新薬を中傷する記事が載ったことを報告する。書いたのは橘とは別の人物。投資家たちに説明に行く為、着替えを始める梨央にドギマギする加瀬…家族というより梨央に片想いしているように見える。


梨央の兄で『真田ビジネスサービス』社長の政信(奥野瑛太)は、記事や過去の事件のことで警察が自分の所にまで来たことを梓に訴える。このままでは梨央のせいで真田グループが崩壊すると言う。梓は他のニュースが出れば皆そっちの方へいくから、放っておけばいいと取り合わない。やはり肝が据わっている。


創薬ラボ所長の海野こずえ(峯村リエ)から、記事のせいで治験を中止したいと被験者が言い出したと連絡を受けた梨央は、治験コーディネーターに会いに行く。担当医が、記事は間違いだと何度も説明したが納得しないという。梨央が被験者の家族に会うことは規則で禁じられている為、成す術がなく途方に暮れる…。

桑田からネット記事を見せられた大輝も心配顔。後藤からは今後の役員会でじっくり話をしようと言われる。ラボのスタッフも記事のことや、説明会での傷害事件、殺人事件で梨央が事情聴取を受けたことなどで不安を募らせていた。


帰宅途中の梨央を途中で見失ったと、応援に駆り出される大輝。山尾も桑田も大輝と梨央の関係を心配していた。単なる古い知り合いなら、利用するくらいのつもりでやれと山尾。

帰宅途中で車を降りた梨央は、居酒屋で一人飲んでいた…大学駅伝で法都大学が優勝というニュースが流れる。白山大学も7位に入り、シードを獲得。喜ぶ梨央の携帯に大輝から電話が入る。

桑田を車に残し、一人で梨央に会いに行く大輝…梨央がビールを飲み終えるまでつき合うと言う。駅伝のニュースや白川郷の話で盛り上がる二人…梨央は、優の為に頑張って来たが、今度の役員会で社長を辞めろと言われるかもしれないと、思わず弱音を吐いてしまう。

店を出て、車に向かう大輝の背中を見つめ心の中で呟く…

"本当は全てを打ち明けてしまいたい。その背中を呼び止めて、ずっと言えなかったこと全部…"

赤信号で立ち止まると…「大ちゃん、私やっとらんよ。渡辺昭さん、殺しとらん。」「信じるよ。お前やないってこと、俺が証明する。だからそっちも、薬諦めるな。」「うん…」思わず大輝の胸に飛び込む梨央。「薬、絶対に創る。実現したら最初に報告する。」…抱き締めようとしてとどまる大輝…信号が青に変わり、歩き出す。


"それまでは何があっても弱音なんか吐かない。壁にぶつかっても、孤独に苛まれても、やるべきことをやる。大切な人に誇れる自分でいる為に…"


新薬の説明資料を作成し、患者たちに配布して欲しいと治験担当医に頭を下げる梨央。そして役員会を迎える…

今回は政信も出席していた。一連の騒ぎについて謝罪する梨央。役員たちに送られて来たゲラについては、ネット記事同様に根拠のないもので、掲載の予定はないことを確認したと報告。政信や後藤はゲラに書かれていた疑惑について言及し、真実はともかく会社の信用に傷をつけたことの責任をとるべきだという。

更に創薬事業の為にかかった経費は莫大な額で、未だに収益はゼロ。治験を中断したいと言い出した者もいるということにも触れ、政信と共に梨央の責任を追及する。

そこへ治験コーディネーターから海野に、被験者が治験を続けたいという連絡が入る。梨央の働きかけや、熱意が伝わったからだと説明する海野。

梨央は創薬に至った弟への想いを語り「治せる薬が無いからと諦めるのではなく、無いなら創る。誰かが挑戦しない限り、現状は永遠に変わりません!」と…

新薬が承認されれば、投資額の30%のリターンが特許が切れるまで続き、毎年確実な収益を会社にもたらすと援護する加瀬。

「必ず結果を出して、会社とグループに貢献致します。」と断言する梨央に、ずっと静観していた梓は「いつまでに?」と初めて発言。一年以内にという梨央の言葉を聞き「社長の進退については一年後でも遅くない気がしますが、いかがでしょう?個人の強い思いも経営には必要です。引き続きお願いします。」


イヤホン男の聴き込みをする大輝たちは、彼が借りているマンスリーマンションに辿り着く。生田誠という名前で一年前に契約していると管理人から話を聞いている時に、男が帰宅。大輝の顔を見て走り出す。全力疾走で追いかける大輝だが、踏切の遮断機に足を止められてしまう…「逃げても無駄だ!逃げたって、何も変わらないぞ!」大輝の言葉に動揺を見せる男。振り返り大輝を見つめる目が、悲し気なのが気になる。電車が通り過ぎると男の姿は無かった。

管理人に話を聴きに戻ると報告した大輝に非通知から着信が…「さっきのマンションの205号室、机の上のPCに入っている803というフォルダを見てみて。パスワードはYA55。それを見れば本当のことがわかるよ…大ちゃん。」

やはり優だった!


役員会を乗り切った梨央の元へ動画が届く。差出人は『y.asamiya』…添付されたURLをクリックする梨央…

大輝もまた時を同じくフォルダを開く…


夜の公園で梨央にすがり、膝まづいて懇願する昭。昭の手をふりほどき、その場を立ち去る梨央。立ち上がり歩き出した昭が気づき、近づいて来る…もの凄い剣幕で怒りをぶつける昭。その首を絞める手。池へ倒れ込む昭…


動画の右腕にある傷痕を見て「優」と呟く大輝…。動画を見終わった梨央には『グランセントラルビルの屋上で待っている』とメールが届く。


屋上に駆け付けた梨央の前に現れる優…右腕に滑り台から落ちた時の傷があった。もう会えないかと思っていたと言う梨央に、そのつもりだったと優。

「一生会わんつもりやったのに…動画、見たよな?ごめんな、姉ちゃん。やったのは俺なんや…」


衝撃の4話だったが、本当に優がやったのか疑問。

まず康介の事件については、子どもだった優が刺したくらいで絶命するとは思えないので、真犯人は別にいるのでは?

好きな相手や恋人が、康介に酷い目にあわされたという寮生もいたと思うし。そんな人物が、刺されて苦しんでいる康介を見て思わずトドメを刺してしまったということもあり得る。

子ども達が絡んでいるせいか、陸上部を守りたいこともあってか、遺体の遺棄を朝宮達雄(光石研)が手伝った、もしくは達雄一人でやったか…達雄が遺体遺棄に関わっていることは間違いないと思う。

昭の動画にしても、首を絞めたら池に落ちたというだけで、決定的なことはわからない。興奮すると記憶を失くしてしまうという優の症状は、今も続いていると思われるので、あの動画を見て自分がやったと思い込んでいるだけかもしれない。

康介の事件で梨央が消去した優の携帯の動画も、もしかしたら続きがあったのだろうか?


1話の冒頭で流れる映像の中で、康介を捜索した森の木に吊るされたドリームキャッチャーみたいな物と『犯人』と書かれたメモ、陸上部の写真(写真は5話でわかりそう)については、まだ明かされていない。何か意味がある筈だ。

同じく1話で達雄が亡くなった夜?に、寮生で今は富山県警刑事の藤井隼人(岡山天音)が、梨央の家を訪ねて来たらしいことにも意味があるような…


今回、橘が過去の事件と何らかの関りがありそうなこともわかった。大学を休学していた一年の謎…駅伝の強豪校・法都大学の学生だったので、彼女が陸上部なら白山大学陸上部とも関係があったかもしれない。

康介の被害者なのか?それとも妹で、康介のことが原因で両親が離婚したのかとも思ったが、青森出身だからそれはないかな…

5話の予告で今度は彼女が被害者になるようだ。渡辺親子の事件と関係があるのか、それとも『真田ウェルネス』のスキャンダルが原因か…


今回、信号待ちの梨央と大輝、踏切越しに大輝を見つめる優の目と切ないシーンが多かった (;_;) 

次回、梨央は優を逃がそうとするようだし、どういう展開になるのか、新事実は発覚するのか…後藤の鼻血に意味はあったのか?…とにかく金曜の夜が待ち遠しい。