2021年11月16日火曜日

「最愛」第5話のあらすじと感想

姉弟愛に涙… 


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

9年ぶりに再会した梨央の弟・朝宮優(高橋文哉)は、渡辺康介(朝井大智)・昭(酒向芳)を殺害したのは自分だと告白…5話は優の言葉で始まる。


"悲しい日が続くと姉が夢に出てくる。夢の中の姉は背が高くて、少し体を傾けて俺の顔を見る。「覚えてなくても大丈夫、姉ちゃんが優の分まで覚えとく」頼りない俺を守ろうとするあの頃の姉だ。大人になった今の姉は、一度も夢に出てこない…"


『やったのは自分』だと言う優をホテルの一室で待たせ、加瀬賢一郎(井浦新)に協力を求める梨央。うまく警察の目を欺き、優の部屋へと向かう。

「ずっと会いたかったんやよ、何でお姉ちゃんを一人にしたんやさ…」

真田の家に来てからのことを話し始める優…

二人なら大丈夫だと言ってくれたが、真田家の人が何を考えているかわからないし、学校でも上手くやれなかった。自分が何か人とは違っていることが段々と分かってきた…。昔に戻りたかった。そして、あの頃のことを全部覚えておきたくて、削除した画像を復元し、あの夜の動画を見つけ…自分のしたことがわかった。

そして真田の家を出た優。梨央の母・梓(薬師丸ひろ子)や梨央に迷惑をかけたくなかったから、戻らないと決めたと…。

高校を卒業するまでは、山梨に居た。梓や加瀬が面倒をみてくれて、学校の寮で暮らしていたのだ。

一人で生きていかなくてはいけないと、必死で情報処理の勉強をし、ようやく自信がついた2018年、梨央が社長になったことを知り、心配になった…梨央の周りは敵だらけだとわかっていたから、一番の敵が誰なのか調べて近づいた。

「後藤(及川光博)さんが姉ちゃんを追い出そうとしたら、俺がいつでも助けるつもりやった。でも、もう助けられん。俺、警察に追われとる。」

「一人にしてごめんな…でも9年、優と会えるの待っとった。」

梨央の会社がどんな薬を創ろうとしているか、知っていたと優。梨央は優にも治験を受けて欲しいと言うが…

「それ、無理やさ。やったのは俺なんやよ…」

「そのこと記憶にある?優はやっとらん。何もしとらん。そうやろ?」

記憶に無くても記録に残っているから、自首すると言う優。その前に梨央の顔が見たかったのだと…


捜査本部は、イヤホン男が生田誠という名前でマンスリーマンションを借りていたことまでは掴んだが、保険証は偽造された物で身元は特定できない。パソコンに残っていた動画はイヤホン型の小型カメラで撮影されたもので、それ以外の動画は遠隔操作で一斉消去され、復元は困難だった。残された動画から昭の発言の一部が判明した…

「また金持ってござったんですか?」

警察は動画の撮影者が昭にお金を渡した男と同一で間違いなく、『真田ウェルネス』の周辺でも目撃情報があることから、何らかの繋がりがあると考える。

生田誠が優だと気づいている大輝だが、そのことは伏せたまま「真田梨央には異母兄弟がいます。朝宮優、24歳。」と発言。思わず顔を見合わせる係長の山尾敦(津田健次郎)と桑田仁美(佐久間由衣)…運転免許証情報システムで朝宮優の顔がわかる。生田誠と同一人物かと山尾に聞かれ、確証が持てないと答える大輝。


優と別れ、加瀬と合流した梨央。

「優の居場所、知ってたんだね」

「優くんが高校を卒業する時に会ったのが最後…」

加瀬に何か耳打ちする梨央。驚く加瀬。目で何かを訴えながら、加瀬を残し一人タクシーに乗る…

その後、優の部屋を訪ねる加瀬。二人が最後に会った時のシーンが蘇る…

加瀬に将来やりたいことがあるかと聞かれた優は「消えてなくなりたい…もし自分を消せるスイッチがあったら押していると思います。」やっていはいけないことをやってしまったと言う。優を必要とする梨央を安心させる為に、無事でいることを月に一回知らせてあげることはできないかと提案する加瀬…これで優から届く絵葉書の意味がわかった。

「今も興奮すると記憶、飛ぶの?」と聞かれ、頷く優。


昭が東京で、康介失踪当時白山大学の陸上部員だった長嶋透(金井成大)とマネージャーの青木菜奈(水崎綾女)を訪ねていたことがわかり、長嶋に会いに行く大輝。彼が乾燥大麻に手を出したことで、陸上部は無期活動停止処分になったのだ。

14年ぶりの再会に「あの時陸上部だった奴の顔、俺まともに見れないんだけど…特にお前と藤井(岡山天音)、ホント悪かった。」昭と会った時のことは何度も警察に話したし、事件当日は職場近くの居酒屋で飲んでいたという。

7月末に息子が山で見つかったと押し掛けて来て…警察は間違っている、康介はどこかで生きている、今でもメールや電話でやり取りをしているのではないかと詰め寄られたと。

別れ際、思い出したように15年前のあの夜、外で男の叫び声がしたと話す。食堂かその裏辺りで。朝宮達雄(光石研)だったのではないかと…次の日げっそりして何か考え込んでいたから「やっぱあの日、寮で何かあったんじゃないかな…」


梨央の部屋を訪ねる加瀬。梨央から頼まれた物なのか、紙袋を渡す。優から送られてきた動画を見せ、自首すると言っていることを伝えると、一日だけでいいから二人で白川郷へ行かせて欲しいと懇願する。優も必ず一緒に東京へ戻ること、途中で警察に声をかけられたら直ぐに連絡してくれと加瀬。

部屋を出て車に乗り込む二人。大輝と桑田がその後を追うが、途中で車を降り、地下鉄の駅へと走り出す梨央。

梨央が車を降りた後、加瀬は一つ聞きたいことがあると梓に電話をし、その足で後藤の元へ…中傷記事を書いた橘しおり(田中みな実)について尋ねる。梓に確認したところ、橘が新聞社にいた頃は関係も良好だったので、今さら真田に弓を引く理由がわからないと。何か隠していないかと後藤に詰め寄る。彼女の狙いは真田グループか、創薬事業の妨害か、何を探っているのか、何を知っているのか…

それには答えず「公園で殺害された男について社長からどう聞いてます?」と逆に質問する後藤。「殆ど面識はないと。」「息子も殺害されています。」「息子とも顔見知り程度だと…」「君はそれを真実だと考えていますか?」

岐阜から出て来たあの男と、事件の4日前に話したと言う。後藤の車の前に突然飛び出して来たのだ。車にぶつかりひっくり返る。慌てて車を降り、声をかける運転手を突き飛ばし、乗り込んで来た昭…梨央が乗っていると思ったのだ。地図を見せ、息子がここで居なくなったと訴える。警察に聞いても要領を得ないから、自分が探してやらないとと言うので、社長と話してみましょうと応え、地図や写真などを預かったと…

「息子が死んでいることをわかっているのか、いないのか…とにかくその真偽を確かめてみたらいかがですか。」加瀬に封筒を渡し「橘しおりも同じことを調べているんじゃないですか。」と彼女の名刺を渡し、微笑む。

封筒の中にあった陸上部の写真の裏に『2006年合同合宿』と書かれていた…


大輝たちの読み通り、飛騨高山行きの高速バスに乗り込む梨央。桑田と二人バスを追う。中央道の停留所から優が乗車するのを確認し、朝宮優だと本部に報告する大輝。山尾はこのまま泳がせて証拠を掴めと指示する。


「帰ったら何しようか?」「おばあちゃんが死んだ時もお葬式に出られんかった。おばあちゃんに謝らんと。お父さんにも。」梨央の肩に頭を乗せ、ホッとしたのか眠りにつく優。


優と無事に会えたと報告を受けた加瀬は、橘に電話をする。自分の番号を後藤から聞いたと聞き、少し意外そうな顔…「橘さん、弊社に興味がお有りのようですね?」「全然無いですよ。ゲラのことでご迷惑をかけてしまったみたいですみません。」一度会いたいと言う加瀬に出かけるからと一方的に電話を切る。

橘は『真田ウェルネス』のペーパーカンパニーを訪ねて来ていた。丁度車から降りて来た男に声をかける。「エクス貿易という会社、ご存知ありませんか?登記上の住所、ここなんですよ。」…わからないと答える男。

事業実態が無いこと、同じ住所で8社登記されていることを編集長に報告。事務所の中に電話機があることに気づき、ガラスを割って侵入するが、先ほどの男が入って来て…逃げようとしたが、縛られ、ガムテープで口を塞がれ、車のトランクに放り込まれてしまう。


白川郷に着いた梨央と優は、墓参りに行く…

「お父さんが倒れた日のこと、覚えとる?」

「寮のみんなが救急車呼んでくれて…藤井さんが大丈夫や、大丈夫やって側におってくれて…姉ちゃん早く帰って来いって、そればかり考えていた。」

「お父さん、何を思っとたんやろ。幸せやったのかなぁ…」

加瀬から渡された紙袋の中身はお金だった。まとまったお金と父が自分達の為にコツコツ貯めてくれたものだと通帳を渡し…

「逃げて。遠くに逃げて。それで又いつか会いに来て。」

「逃げても無駄やさ。俺、逃げてばっかりだったで。もうしんどいわ。」


実家に戻った二人。ただいま…と泣き出す優。達雄が毎日パソコンで日記を付けていたことを思い出し、それを見れば何を思っていたかわかるかもしれないと言う。家の中を探しても見つからず…いつも寮でパソコンを使っていたことから、二人は寮へ向かう。


その頃…実家を張り込んでいた大輝は、梨央の父親のことで確認したいことがあると山尾に伝え、白山大学に行き、陸上部男子寮の2006年9月頃の日誌を探していた。

ようやく見つけた日誌には、康介が失踪した9月21日も翌22日も『特記事項なし』とあり、そこで日誌は終わっていた。23日にクモ膜下出血で倒れたのだ…。

大輝は、日誌に挟まれていた『寮が所持、管理する車の買い替えに関する要望書』を見つける。作成されたのは22日…。達雄が事件に関与していると言う大輝に、遺体を一人で運べるだろうかと桑田。

そこへ梨央たちが寮へ向かったと報告が入り、大輝たちも寮へ向かう。


達雄のパソコンを見つけた優。日記を読み…

「お父さん、幸せだったと思うよ。俺もこの頃が一番幸せやった。」

「やり直せんのかなぁ…何もかも無かったことに出来んのかなぁ。」

「姉ちゃん、これ…」

2006年9月23日のフォルダがあった。カメラに向かって話す達雄…その時、梨央は大輝たちが来たことに気づく。


「警察です。パソコンから手を離して下さい!」と桑田。すると何故か「久しぶりやな。」と優に声をかける大輝。「この前会ったやろ。」と返す優に「心配しとったんやぞ。無事でおってくれと思っとった。」どこか不自然な大輝の言葉…どうしたのだろう?


『いつかは言わないかんことだと思います…』達雄の告白は続いていた…止めようとする梨央に「お父さんが最後に思っとったことを、何を思っとったんか、俺は知りたい!」と阻止する優。同じく二人の元へ走る桑田を大輝が止め、彼女に頭を下げていた…

『私、朝宮達雄は9月21日深夜、渡辺康介さんを殺しました…』娘に乱暴しようとしていたところを止めたら、何のかんの言い逃れをするので腹を刺したと…「違う、嘘や!」と優。

優が康介を刺し、梨央の上に倒れこんだ後、達雄が戻って来た。「お父さん!」達雄の胸に飛び込む優。思わず何度も叫ぶ達雄。

『うちの娘に何てことをするんだと腹がたって腹がたって許せんかった。冷たくなったあの人を山へ運びました…』康介の遺体を埋め、脱がせた服や靴や凶器のペグは離れた場所、鉄塔の所に埋めたという。『何ちゅうことをしたんや。あん人にも家族がおるのに。罪は償います。必ず償います。悪いのは私で子供らに罪はありません…』泣きながら話す達雄…

「お父さん、嘘ついとる!刺したのは俺や!」叫ぶ優に「言わんでええ。」と大輝。「公園であの人のお父さんをやったのも…」それでも続ける優に「姉ちゃんの前で言わんでええやさ!」

『息子は部屋で寝とりました。娘は何があったか覚えとらんと言うとります。子どもらは何も知りません。全部、全部私一人がやったことです。何もかんも全部、私一人がやりました。』


「お前と姉ちゃんが好きやった。」二人に近づく大輝…「二人が困ったら、いつでも駆けつけると思っとった。何も出来んかったな。」

「優を連れて行かんで。」

「優、今度は必ず力になる。」

「姉ちゃんはなんも関係ない。俺、逃げんて決めたんや!姉ちゃん、ここまで一緒に来てくれてありがとう。やっと会えたんや、忘れたくないわ。」


身柄を確保され、東京へ移送される優。半狂乱ですがりつこうとする梨央を大輝が引き離す…

大輝に止められてからずっと冷ややかな目で見ていた桑田は、大輝のことで報告したいことがあると山尾に連絡。


一方…橘を拉致した車のトランクを開けたのは後藤だった…「バカだな、お前。」冷ややかな目でひと言。どうするつもりなのか?


そして…事件現場の公園?を調べる加瀬の元へ『助けて』と梨央からのメッセージが届く…


姉弟愛を実感する回だった。梨央と優にとってお互いが『最愛』のものだということがわかる。二人の気持ちが切なくて、あらためて康介が憎くなった。それと、寮で二人を見つけてからの大輝の言動に違和感を覚えた…この違和感は何だろう?


◆疑問点◆

①康介を最初に刺したのは優だが、それで絶命したとは思えないので、真犯人は別にいる?

②遺体を埋めたのはやはり達雄だったが、桑田の言う通り、一人で出来るだろうか?康介にトドメを刺したのは達雄?どうしても学生が絡んでいるように思う。

③達雄が亡くなった後、梨央の家を藤井が訪ねて来たのは何故?

④優が記録した動画から昭の首を絞めたのが優のように見えるが、実際に殺害したのは誰なのか?ネットで話題になっている通り(ここに気づくなんて凄い!)昭の遺体が発見された池と優の動画で昭が落ちた池は反対側にあるので、犯人は優ではない。

⑤橘しおりは何故2006年9月から一年間大学を休学していたのか?康介の事件と関係があるのか?

⑥ペーパーカンパニーは後藤一人でやったことなのか?しおりをどうするつもりなのか?

⑦昭に渡された5百万はどういうお金なのか?優に頼んだのは後藤?




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