2021年3月29日月曜日

「天国と地獄~サイコな2人~」最終回のあらすじと感想

 彩子を庇い続ける日高の心を動かすのは…


女刑事・望月彩子(綾瀬はるか)と、猟奇殺人事件の容疑者・日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまうサスペンス・エンターテインメント。


奄美大島でようやく日高に手錠を掛ける彩子。だが、彩子も河原(北村一輝)に、犯人隠匿と証拠隠滅の容疑で確保されてしまう。

日高と東朔也(迫田孝也)を確保しただけだと言う彩子に「何もバレてへん思うたら、大間違いや。こっちは裏も取れてるからのう。」

そして八巻(溝端淳平)が、十久河捜査一課長(吉見一豊)と五十嵐管理官(野間口徹)に話しをしているところに、日高と逃亡を幇助していたと思われる彩子を逮捕したと報告が入る。


日高のスマホの復元をしていた鑑識では、日高がスマホを捨てる前に動画を削除していたことがわかる…。


一方、亡くなった東に付き添っていた渡辺陸(柄本佑)は、ベッドの下に落ちていたSDカードを見つけ、思わずポケットにしまう。


十久河と五十嵐から事情聴取を受ける彩子は、押収した証拠品だと凶器の丸い石を差し出す。日高から東の所へ案内すると言われ、両名確保の為に取引に応じただけだと主張。

「そんなお手柄な私が、何で手錠を掛けられなければいけないんですか!」

八巻が言っていることと同じだと十久河に囁く五十嵐。処分は免れ、始末書だけで済んだのは、八巻が先に事情を話していたおかげだった。


鹿児島警察にいる陸から電話が入る。河原から東のことばかり尋ねられたという。河原は日高よりも東を気にしているらしい。だが、東が死んだということは、日高は殺していないと証言する人がいなくなった訳だから、日高にとって決して良い展開ではないと言い、電話を切る彩子。

「日高、日高、すごいねー。」複雑な陸…


捜査会議で十久河は、東が死亡している為、日高を取り調べの上、連続殺人の主犯として送致の作業に入ると発表する。

両名の話から、主犯は東だということに間違いないと声をあげる彩子。十久河もその線で考えていたが、日高が3件すべて自分がやった、しかも単独犯だと自供したというのだ。彩子は自分に日高の取り調べをさせて欲しいと申し出るが却下され、河原が担当することになり、捜査会議は終了。

呆然と立ち尽くす彩子に「何考えてんですかね?日高。」と八巻。「私を守っているのかもしれない。全部自分がやったことにして送致されてしまえば、捜査は打ち切りになる。」打ち切りになれば、日高が彩子の身体で関与した跡は探られなくなる…。「望月さんへの罪滅ぼしってことですか?その為に殺人犯にまでなりますかね…」「そういう奴なのよ。東のこともそうやって守ってるんだから。」送致はさせない、ぶっ潰すと意気込む彩子。


河原の取り調べを受ける日高。被害者宅への侵入経路など、彩子と入れ替わっていた時に報告書を確認済みなので、スラスラと答える。防犯カメラのSDカードを抜いて、その後捨てたと言うが…彩子の部屋に保管されていた証拠品を思い返す河原。彼に嘘は通用しないようだ…。


東が犯人だという証拠を見つける為、鑑識を訪ねる彩子と八巻。田所氏はともかく、四方氏については日高にはアリバイがあるし、久米氏に至っては完全に東の犯行だと言う彩子。新田(林泰文)も同意見で、押収品の再確認をはじめ、事件を洗い直すよう指示する。そして彩子たちを連れ、東の家宅捜索へ向かう。


嘘の供述を続ける日高。一応辻褄は合っているが、河原は全く相手にしていない。そこへ、日高が久米氏殺害の供述に入りそうだと聞き、慌てた彩子が、駆けつける。

「焦らんでも供述確認は明日にした。俺も疲れたんでな。」何の矛盾もなく、単独犯で話を成立させている日高は、大したものだと言う。「やってもないのに。」…やはり河原は気づいていたのだ。

知っていて冤罪を作る気かという彩子に「誰かさんが腹くくれば済む話や思うけどな。誰かさんがあいつにひと言頼めば、済むことじゃないんですかね。」


凶器の石から東の指紋は出なかった。そもそも石には指紋が付きにくいらしい。石を包んでいた布からは、望月と日高の指紋が多数検出された。しかし事件現場から押収された物からは、やはり東の犯行を示す物は出て来ない…。


取り調べを監視していた五十嵐は、河原に声をかける。「何か企んでますよね?僕には言っておいた方が得策だと思いますよ。」日高がおかしな供述を始めたのは、警察内の協力者を守っているからだと河原。意味がわからない五十嵐に「その内、わかる。気に入らないのは、日高がそいつ一人を守る為に、みんなに知らせなきゃなんない真実に、蓋をしようとしているってことだ。あいつのどこにそんな権利があると思う?」


供述書を読んだ彩子は田所宅のSDカードに目を付ける。日高が隠していた証拠品の中には無かったが、東の家から押収してきた中にも無かった。そして…

「俺は彩子ちゃんを助ける為に生まれてきた。」丁度スマホのSDカードリーダーを購入しようとしていた陸に、彩子から電話が入る。日高の自供を伝え、東がSDカードを持っているのを見なかったかと尋ねる。

「何で?そんなやってもないこと言ってるの?」

「日高、私のこと守ってるの…多分だけど。捜査続行して変なことが出て来ないように犯人になろうとしてるの。」

思わずSDカードは見たことがないと答えてしまう陸…。

そもそも日高のように、いざとなったら罪を被るつもりでいない限り、証拠になる物は普通は捨ててしまうものだと納得する彩子。


日高のことを心配した樹里(中村ゆり)から、彼のことをどうか宜しくと電話で頼まれた彩子は、本当のことを喋るよう日高に言う決心をする。

そして、留置所の日高を訪ね…「あんたが私の時にやったヤバイことの証拠は、全部処理したから、もう大丈夫だから、本当のことを話して。」父親や妹、コ・アース社の人たちのこともちゃんと考えて欲しいと言う。「わかりました。ありがとうございます。」頭を下げる日高。「絶対だから。見てるからね、取り調べ。」日高の言葉が信じられないのか、何度も念を押す彩子。


供述調書の内容確認が始まる…隣室で様子を見守る彩子。五十嵐は特に問題はないからと十久河に退室を促す。何か意図があるのだろう。

やはり、供述調書に間違いないと答える日高。だが河原は「私の方にお聞きしたいことがあるんですよ。」とサインしようとする日高を止める。「お兄さんは無関係でも、この事件にはもう一人協力者がいますよね?…望月彩子。」

驚く彩子を観察する五十嵐。河原は彩子の部屋で見つけた証拠の品々の写真を見せる。

「これは本当なのか?望月。」五十嵐の問いに答えに詰まる彩子…。

「そりゃ出て来ますよ。僕が隠したんですから。」笑い出す日高。彩子がうるさく嗅ぎ回るからそうしたと。「女の部屋に忍び込んでか?」「そう、あなたと同じように。結構出来ちゃいますよね。」

「そうなのか?望月。」という五十嵐に「何か、そういうことみたいです。」そう答え、部屋を出て行く彩子…。

「頑固野郎!」壁を殴ろうとする彩子。そこへ、新田が大変な物を見つけたから直ぐに来て欲しいと八巻が呼びに来る。


東の自宅付近の防犯カメラに、犯行日やその翌日に同じパン屋の袋を下げた東が映っていたのだ。そこから東が利用していたネットカフェが判明。彩子は八巻に取り調べを見張るよう命じ、ネットカフェへ向かう。


相変わらず日高は、河原の彩子への疑いを晴らすよう、矛盾なく質問に答えていた…。


一方、東の遺体に付き添う陸は…「師匠、師匠も最低だったけど、俺も中々最低かも…」

そこへ身元引受人として、日高の父・満(木場勝己)が入って来る。「朔也くんが、お世話をかけました。」頭を下げる満に陸は「むしろあそこに居られて良かったです。」

彼が何かやらかしているのではと感じていたが、そこへ陽斗と女刑事が乗り込んで来て、その刑事に向かって全部自分が悪いから、自分がやったことにしてくれと言ったと話す。

師匠の最後の言葉を思い返した陸は「俺、何やってんだよ…」ポケットからSDカードを取り出す…鹿児島警察へ向かう。


彩子はカフェの店員から、東がSDカードを見たいと言い、手伝ったことを聞き出す。映っていたのは田所宅の防犯カメラの映像だったが、東に頼まれて店員が消去したという。落胆する彩子に、日高の供述確認が終わったと八巻からメッセージが届く。


「ここにサインしたら、本当に死刑台行き決定ですよ。」「わかっています、大丈夫です。」サインする日高…。


"終わったって、何よそれ…。何の為に入れ替わったのよ、私たち。どこの誰が入れ替わらせたのか知らないけど、こんな最後になるなら、私と入れ替わる必要なんて無かったじゃない"

悔し気に呟く彩子に鹿児島県警からメールが届く。添付された動画を開くと…


「今から動画を送るから、これ持って取調室に乱入して!」

八巻に電話で命じ、走り出す彩子。

動画を確認し、取調室へ向かおうとする八巻を五十嵐が止める。

「黙って見てろ。おそらく河原さんも望月も目指すところは同じだ。」


サインを終えたところに「調べて来たので日高に聞いてもらって欲しいんです。」と幅(谷恭輔)が資料を持って入って来る。河原が命じていたのだ。

資料を読み上げる河原。そこには東朔也のこれまでが書かれていた…

四方に負債を押し付けられ、朔也の父が所有財産の全てを失い、夜逃げ同然に上京。朔也は安全に暮らす場所を奪われた。

高校卒業後、就職した朔也は職場の上司である田所から強烈なパワハラを受け、うつ病を発症し、解雇。今度は安定した職を奪われた。

次に派遣先の警備会社で久米から濡れ衣をきせられ、また不当に解雇。人としての尊厳を奪われ、そして父親は認知症を発症。父親の死後一年も経たず、今度は自らが余命半年と告げられ、最後はやり直す時間さえ奪われた。

「サイコパスなお前は、お兄ちゃんにその死をプレゼントして回った。」

「はい。余りにも兄が惨めで可哀そうだったので。」

「じゃあ、なぜ又奪う?この殺人は、お兄ちゃんの声じゃないのか?立場の弱い人間がいかに容易く奪われ続けるか、そして立場の強い奴らも最後はこういう風に自らが奪われることにもなる。そんなことが言いたかったんじゃないのか!? やってることは人殺しだ。汚い聞くに堪えない声だ。でも、それでも声は声だ。お前にその声を奪う正義はあるのか?たかが女一人の為に。」

「ありますね。あの人を守ることは私を守ることですから。自分を守るのに理由なんて要らない。」


そこへ…東朔也の犯行を裏付ける新たな証拠が見つかったと、彩子が入って来る。

「この送致を完了すれば、警察は冤罪を作りだすことになります。これがその証拠です。」

「じゃあ、後は頼む。」

取り調べを彩子に託し、部屋を出て行く河原と幅。

「おまたせ。」そう言って微笑み、日高の前に座る彩子。

隣室で五十嵐、新田、河原、幅、八巻が見守っていた…。


彩子は、田所宅の防犯カメラから盗まれたSDカードの映像だと言い、動画を見せる。久米氏殺害の翌日に、ネットカフェのパソコンで東朔也が撮ったと思われるもので、画面に向かって話す東が映っていた…

「警察の皆さん、ちょっと具合も悪くなってきたんで、そろそろ記録を残しておきたいと思います。弟からも既に警察に通報がいっているかもしれませんが、田所、四方、久米を殺したのは俺です。俺は掃除屋なもんで、最後にこの世の掃除をしていきたいと思ったんですよ。この三人は俺が知る最悪のゴミで、綺麗にした方が世の中の為ですから。だから俺が殺した。」

この後、殺害方法や状況などについての告白が1時間以上続く、と彩子。そして3名を殺したのは東朔也かと日高に質問するが…

「いえ、私です。」否定する日高。

「あなたがやったのは死体の損壊だけ、東は半ば脅迫に近い形で計画に巻き込んだと言っています。」

「これは私が兄に頼んだんです。こういう告白を残してくれって。」

「へえー…そんな告白残してくれって頼んでおいて、今度は自分がやったと告白してるわけですか。その理由は?」

「気が変わったんです…」

「私は10歳の時、警察官になろうと決心しました。学校で濡れ衣をきせられたからです。その私が誰かが濡れ衣をきていくのを、見過ごしていいと思う?もしこれを見て見ぬふりをしたら、その瞬間私は私の正義を失くす。もう警察官をやるべきではないと、自分で自分に引導を渡すことになる。警察官は続けられない。同じなのよ、どっちだって辞めることになる。したでしょ?この話。頭いいくせにどうしてそんなこともわからないかな。あなたは私だったくせにどうしてよ?私に私の正義を守らせて。」

日高の目から涙がこぼれる…

「私を守りたいと思うなら、あなたは私の為に本当のことを言うべきでしょ。…日高陽斗、やったのはあなたじゃありませんね?違うわね?」

「はい…」


日高のスマホから削除された動画の画像は確認できず「あなたは私で、私はあなたです。」という声のみ…「何ですかね、これ?」という鑑識員に新田は「まあ、好きですってことじゃなーい?」と嬉しそうに答える。


帰宅する彩子。家の近くで荷物を持った陸と出会う。彩子は、日高のことはまだまだこれからだが、やれることはやったと報告する。

SDカードの映像を送ってくれたのは陸でしょ?と言われ、否定する陸。そして彩子を抱き締め、一つだけお願いしてもいいかと言う。

「ナッツは駅の向こう側のスーパーの方がお買い得だから、面倒でもこっち側のスーパーで絶対に買わないで。」

「わかった。」

「それだけは絶対に忘れないで。じゃあ、行ってきまーす。」

でも、陸は二度と帰って来なかった…。

嫉妬した自分に嫌気がさしたのか、日高を想う彩子と居るのは辛いからなのか…


そして事件は、東の犯行を裏付ける新たな証拠も加わり、東朔也は被疑者死亡だが3件の殺人容疑、日高陽斗は証拠隠滅2件、死体損壊2件の容疑で送致された。


日高は3年の実刑判決で刑務所へ、彩子と、何故か八巻は警察学校へ。気が進まない辞令だったが、教官という仕事は彩子の肌に合っていた。


出所したはずの日高から連絡がないまま月日が過ぎ…2025年1月、日高からの電話で、あの歩道橋へ向かう彩子。満月の夜だった…。

「話って何?」「これです。」奄美の丸い石を渡す。母の形見だからと父が警察にお願いして凶器の石をもらい受けたと言う。

「元はこんな綺麗な石だったの?」月明かりに石をかざす彩子。花の絵が刻まれていた。「これがシヤカナローだったりして。」

今になって思うと、あの入れ替わりは母の願いだった気がすると日高。際限なく間違っていく息子二人を何とかしてくれ、ちゃんとあるべき姿に戻してくれと、母が彩子に頼んだのではないかと。

「入れ替わったのがあなたで良かったです。だから本当にありがとうございました。」頭を下げる。

「私はありがとうとまでは言えないけど、まあ、でも、あなたで良かった。」

石は兄のお墓に入れると聞き、また入れ替わっても困るからねと賛成する彩子。そして日高に返すと何故か石が光り…


「じゃあ、お元気で。」「あなたも。」

入れ替わっていた時の二人の話し方だ (◎_◎;)

お互いを振り返る二人…


どうしてまた入れ替わった!?

最後に彩子<日高>が「とりあえず、今お勤めどちらですか?」と聞くところが、またあの入れ替わり生活を思い起こさせて可笑しい。

9話で彩子が東を殴りつけた気持ちが、痛いほどわかる。確かに辛い人生だったが、あんなにも優しい弟を巻き込むべきではなかった。社長と派遣の清掃人という関係で、共に過ごしてきた時に、そんなことはわかっていたはず。本当にやり切れない事件だった。


結局、何と田口浩正は運転免許証の写真のみの出演だった。そして日高のアメリカの事件も、冤罪だったのだろう。最後に残った疑問は、日高は陸を好きだった?ということ。彩子と入れ替わっていた時の彼の行動は、完全にそう見えた。陸はどう思っているのだろう?

重いテーマにも関わらず、飄々とした陸とおっとり八巻に癒されたし、日高になった彩子に笑わせてもらった。とにかく綾瀬はるかと高橋一生の演技に感服!すごく見応えのあるドラマだった。もうあの二人に会えないのかと思うと淋しい。



2021年3月20日土曜日

「天国と地獄~サイコな2人~」第9話のあらすじと感想

 連続殺人事件の悲しい真相…


女刑事・望月彩子(綾瀬はるか)と、猟奇殺人事件の容疑者・日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまうサスペンス・エンターテインメント。

真犯人の正体はやはり日高の双子の兄・東朔也(迫田孝也)で、陸(柄本佑)が師匠と慕う湯浅だった。


同じ条件の元、歩道橋から転落した彩子と日高。二人の魂は元の身体に戻っていた…。逮捕されようと両手を差し出す日高だが「そんなに捕まりたいなら、その辺に出頭すれば」と彩子。自分は主犯の東朔也を確保しに行くと言う。兄が福岡にいると聞き、驚く日高。彩子は日高がここで捕まったところで、東を逃げ切らすのはもう無理だと言う。

「ここで会わきゃ、もう二度と会えないと思うけど、それでいいの?」「でも、そんなことをしたらあなたは…」

そこへ…「えらい、仲良さそうやなー、お二人さん。」八巻(溝端淳平)と通話していたスマホの位置情報から、河原(北村一輝)が到着。

日高は、もう逃げないと河原に歩み寄るが、股間を蹴って逃走。途中でスマホを道路に投げ捨てる。「望月、後を追います!」走り出す彩子。

河原からの通報で緊急配備がしかれるが、無事に二人は合流。


彩子の立場を心配する日高に「大丈夫。あんたとお兄さん、二人まとめて捕まえれば、言い訳は何とでもなる。」と彩子。そして陸に連絡。元に戻ったことを告げ、日高と東、二人を会わせるまで東が捕まらないようにして欲しいと頼む。

次に八巻を呼び出し、自分たちは奄美大島へ向かうから、日高のカードを使って彼の行方を工作するよう依頼する。スマホが無くなった今、居場所を特定できるのはカードの利用歴のみ。そして八巻は北へ向かう。

しかし、河原と幅(谷恭輔)は、八巻のスマホを追っていた…。東京駅の改札を通ったのを確認し、囮ではないかと疑う。


そして、捜査本部では彩子の思惑通り、日高のカード利用歴から日高は仙台に居ると発表される。八巻の位置情報と一致することから、囮だと確信する河原。


何とか検問を逃れた彩子たちは、熊本に到着。八巻に連絡し、捜査本部はカード情報に誘導されたと聞く。彩子と一緒に日高の人間関係を洗っていると報告したという八巻に、適当なところで戻るように伝える。


一方、独自に動く河原と幅は、彩子の自宅を捜索。整頓された部屋を見て、彩子の散らかったデスクを思い出す河原…「日高と会ってから、人が変わったみたいだったんだよな、あいつ。」

ベッドマットの中から例の証拠品と日高の皮手袋を見つける。そしてチケットの半券から、二人は奄美大島へ向かったと考える…

やり方はともかく、河原は優秀な刑事だと思う。ただ不当に回収された物って、証拠になったっけ?彩子たちに不利にならなければいいのだが…。


彩子たちは、熊本から鹿児島へ抜けて、フェリーに乗る予定で動いていた。その道すがら、日高から今までの経緯を聴く彩子…兄と再会したのは、コ・アース社。日高が、客が落としたコンタクトを探していた時に、清掃員として派遣されていた兄・東が見つけてくれたのだ。親切で、ちゃんと答えてくれる感じがしたことから、洗剤のモニターを頼み、交流が始まり…感想がとても参考になるものだったので、次々とモニターを頼む内に自然と仲良くなったという。

東のことを兄だと気づいたのは、彼が妻と喧嘩したという日で、あの歩道橋の上で二人飲み直した時だと…右掌のホクロを見て、子どもの頃に会った歩道橋の男の子のことを思い出し、あの時もらった歯とお酒のカップをDNA鑑定に出した。自分が連れ子だったことは知っていたし、母親の態度から何となく他に子どもがいるのではないかと思っていたと話す。兄は知っていたのに明かさなかったのだから、時間をかけて話そうと思い、奄美大島に誘った。だが、その時は考えさせてくれと言われたと…。


その頃ー陸と東は鹿児島港でフェリーを待っていた。どうして奄美に行きたいのか尋ねる陸に、弟が一緒に行こうと言ってくれたのに、行けなかったからだと答える東。そして弟について、自慢としか言いようがない人物で、洗剤のモニターを頼まれて嬉しかったと話す。

奄美に誘ってくれたが、あまり近づき過ぎると、見せたい自分だけ見せるのも無理になると思い、考えさせてくれと答えた。でも、ずっと気づいて欲しいという気持ちもあったから、行くことにしたと…。話の途中で痛みが襲い、倒れる東。「やっぱ、奄美、行けねえのかな…行けねえのか。」


捜査本部に戻った八巻。そこへ熊本で日高を目撃したという情報が飛び込んでくる。髪の長い女性が1名、一緒だったと。更に日高と東が生き別れの兄弟だという報告があがり、母親が奄美の出身だということも…鑑識の新田(林泰文)が、仙台で日高のカードを使用した男の映像を入手したと入って来る。顔を隠す八巻が映っていた。特定を急ぐよう指示する五十嵐管理官(野間口徹)…「僕も終わりです。さようなら望月さん。」天を仰ぐ八巻…


新田は日高のスマホの復元を試みていた…


「太陽と月が入れ替わる時間だね。」無事にフェリーに乗った彩子と日高。もうじき日が暮れようとしていた…

警察に顔を見られたことで、彩子を心配する日高は、港で自分を捕まえるよう提案する。「じゃあ、全部本当のことを教えてくれる?いざという時、私は私をどう守るべきか判断出来なくなる。」全てを話し始める日高…。


奄美へ行く前日の夜、妻が倒れて行かれなくなったと東から連絡があり、一人で行くことに。機内誌で月と太陽の入れ替わり伝説を知り、自分が兄の人生になっていたかもしれないと思い、奄美では東朔也と名乗ったのだという。

奄美から戻ると、東は会社を辞めてアパートも引き払っていた。妻が倒れたというのは嘘で、父(浅野和之)が亡くなったのだった。結婚もせず、ずっと認知症の父の面倒をみてきたのだ。隣に住んでいた人の話によると、あの夜、奄美に行くと知った父が、母親のところへ行ってしまうと思い込み、息子を責めたはずみで階段から転落したのだ。


そして、あの歩道橋で再会。名前も仕事も変えて、新しくやり直そうとしていたところに、すい臓癌が見つかり、半年という余命宣告を受けたと聞かされた…。思わず、費用の面でも自分がサポートするから、治療法を探そうと言ってしまい、戸惑う東に…

「東さんと僕は兄弟ですよね?お父さんを抱えて、非常に苦労されてきたと聞きました。僕も一緒にするべき苦労だったのに…。だからもう、遠慮なんてしないで下さい。」

「じゃあ俺、クウシュウゴウになりたい。」

自殺した人の部屋で見つけたと『暗闇の清掃人』を見せる東。これを描いた人は本当に人殺しみたいだと。神奈川の官僚殺しの遺体の写真も持っていた。

「俺さ、こいつ殺した方が世の中の為なんじゃないかって奴、知ってんだよね。掃除屋だし、その漫画の奴みたいに最後はそいつら掃除して、この世からおさらばしたい。」

「そんなことしたら、東さんの周りの人は悲しいですよ。」

「大丈夫、そんな奴いないから。」

「僕が悲しいです!だから止めてくれませんか?」

涙ながらに訴える日高…だが、東は日高の胸ぐらを掴み…

「俺はお前の兄貴だよ、たった15分先に生まれてきただけの。でもそれだけで俺はこんな人生送ることになったんだよ。俺が四方のせいで夜逃げした時、やっと入れた会社で田所にいびり回されていた時、お前は何をしていた?久米に濡れ衣をきせられて、親父がボケて途方に暮れていた時、お前があの会社を創ったって、便所拭いてた新聞に書いてあったよ。こんなに違うのは何でなんだよ!俺がバカだからか?怠け者だからか?自己責任か?違うだろう、15分だよ。お前が15分先に生まれてくりゃ、お前の人生は俺のものだったんだよ!」

「これ以外なら何でもしますって!」

走り去る東。

「話し合いましょう、兄さん!ここで待ってますから。」


兄が残していった物をみて、何を考えているか見当はついたが、正直なところ出来ないとタカをくくっていたと話す日高。だが…ある夜、歩道橋に描かれた『2』という数字を見て、兄のリストと照らし合わせた。それが田所氏を指すのか、そもそも数字を描いたのは兄なのか、今からでも止められるかなど、あれこれ考えた挙句、田所氏の家に向かった。殺害された男性の遺体があった…本当に兄がやったのかと信じられなかったが、凶器の石やサンプルQなどが置かれているのを見て、兄が自分に迫っていると思ったと…共犯になるのか、赤の他人として通報するのか、好きにしろと。

15分違えば、自分がやっていたことだから、通報は出来なかった。そして兄の共犯となり、逃がすことを決め、現場の清掃をした。兄が残したゴム手袋が破れた為、自分の皮手袋をはめたのだった。

田所氏と兄との因縁は昔のことだから、神奈川の事件と同一犯だと思われれば、捜査は混乱する。先の短い兄はこのまま逃げ切れる。自分も田所氏との接点は全くない。万が一警察が目を付けたとしても、その頃には兄は亡くなっている。自分も逃げ切れるのではないかと思っていたと…。だが、彩子が早々と目をつけ、しかも入れ替わってしまった。それからはもう必死だったという。彩子には自分が犯人だと思わせて、一方で警察には日高陽斗が捕まらないようにして…。

でも、兄が一度の殺人では満足していないことを知り、先回りして捕まえようとしたが、それもダメで…しかもリストにはない人間を殺し、何を考えているのかわからなくなったと。現場に自分の乳歯が落ちていたことで、完全に行き詰まったと話す日高。


「それで私と入れ替わって、何とかお兄さんだけでも逃げ切らそうとした…」

「それも半分しか上手くいきませんでしたけどね。でも、これが『あるべき姿』なんですよ。」

殺された3人が兄にどんな酷い仕打ちをしようが、殺していい訳はない。人殺しは人殺し。兄も自分も間違いなく常軌を逸しているという。

「あなたは正しい。きっと私はあなたに捕まる為にスイッチさせられたんですよ。」

こんな誰を憎んだらいいかわからない話、意地が悪いと涙ぐむ彩子。


そこへ、陸に支えられた東が…。日高を見て驚く東を殴り倒す彩子。馬乗りになり、更に殴ろうとするのを、止める陸。そして兄を抱き起す日高。

「あんたはクウシュウゴウなんかじゃないんだからね!ちゃんといるんだからね!あんたのこと好きで、心配して、そうやって守ってやろうっていう人間が!あんたの為なら犯罪者にもなってやるっていう人が!…そんな人がいるのに、いるのにいないとか、寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ!私はあんたを憐れんだりしない。今までどんな酷い目に遭ってきたとしても。どんな人生だったとしても。こんなに想ってくれる人を叩き落とせるなんて、あんたは正真正銘のサイコパスだから!」

陸に押さえられ、泣きながら訴える彩子。

「あの…この人?」日高に尋ねる東。「刑事さんです。」

彩子に近づき、悪いのは自分で、弟は何も悪くない、だから何とか出来ないかという東。

「だったら、初めからこんなことすんじゃねえ!」


その頃…奄美空港に到着した河原は、幅に連絡。鹿児島17時発のフェリーに当日予約で二名二組の乗船があり、その内の一人が30代の髪の長い女性だったと聞く。幅は、捜査本部からも現地の警察に応援要請がいったことを伝える。


「俺さ、あんな風に泣いたり怒ったりする彩子ちゃん、初めて見たよ。」甲板で話す彩子と陸。人の為にそうなるのは初めてらしい。日高の話は他人ごとという感じがしなかったのだと彩子は言う。「入れ替わっていたせいなのかな…?」「さあ、どうなんだろうね。」陸は彩子の気持ちに気づいているようだ…。


船室で日高に付き添われ、休む東。「俺、お前を解放しようと思ったんだよ。久米の家の前に刑事と一緒に居ただろ?」刑事にタレ込んだと腹がたったけれど、目が覚めたと言う。だから最後は自分一人だけで殺人を行った。そうすれば確実に自分だけがやったという証明になるだろうと。

「じゃあ、歯が落ちていたというのは?」日高の乳歯が現場に落ちていたと聞いて、慌てて財布の中を探す東。発作が起きて薬を飲んだ時に落としたのだと言う。「ダメですね…人間てホント身勝手で…」辛そうに呟く日高…。


「自分はどういう殺され方をしても構わないから、こいつだけは守ってくれ。」東の言葉を思い返す彩子。「あなたは正しい。きっと私はあなたに捕まる為にスイッチさせられたんですよ。」という日高の言葉も…

"あるべき姿って…"―思い悩む彩子


朝になり、到着まで30分となった。彩子は東の様子を見に部屋を訪ねる。船を降りる前に二人で彩子に捕まることにしたと言う日高。

「あなた、無罪になる気はない?お兄さんがそれでいいって言っているのなら。」それはダメだと首を横に振る。

その時、眠っていた東が苦しみ出す。船医を呼びに走る彩子。甲板にいた陸は、港に何台もの警察車両が待機していることに気づき、知らせに行く。

船医は居ないと聞いた陸は東に心臓マッサージを試みる。「師匠、頑張って!ダメだよ、ここで死んだら!ちゃんと自分がやったことを言って、クソったれって言われないと。」…「陸さん、もういいです。もう無理だと思います。」兄の手を握る日高。帰らぬ人となってしまったのだろうか?


フェリーが港に着き、河原たちが乗り込んで来る…。陸から警察が集まっていたと聞いた日高は、彩子に向かって両手を差し出し「早く僕に手錠を。早く!」「私は…」「陸さん、兄を頼みます。」果物ナイフを手にし、手錠を掛けようとしない彩子を連れ出す。

そして…「動くな!」河原たちの前で彩子の首にナイフを当てる日高。「下がれ!もっと下がれ!」

河原たちが引いたのを見て「僕を追って下さい。」と囁き、走り出す日高。

後を追う彩子、それに続く河原たち。

甲板から海に飛び込もうとする日高に、真っ先に追いついた彩子は「どうするかは私が決めるって言ったでしょ!」

「捕まるならあなたが良かった。二人して地獄へ行くことはありませんよ。」両手を差し出す。

切なそうに日高を見つめ「絶対に、絶対に助けるから。」

「待ってます。」…


追いついた河原たちの前で手錠をかける彩子。

「6時7分。日高陽斗、連続殺人の容疑で確保しました。」

「よう頑張ったな、猿芝居。」そう言って彩子に手錠を掛ける河原。

「望月彩子、犯人隠匿及び証拠隠滅の容疑で確保。」


一方、十久川一課長(吉見一豊)と五十嵐管理官に、彩子のことで話があるという八巻。

そして新田が修復を試みていた日高のスマホの電源が入る…。


まだ回収できない謎が…

①日高の陸に対する想い。

②アメリカの事件で何故容疑者になったのか。

③官僚殺しの犯人だという十和田は本当に自殺なのか?田口浩正を運転免許証の写真だけに使うことには違和感がある。

そして…

①八巻は何を話すのか?

②日高のスマホから何がわかるのか?


事件の真相が悲しく、切な過ぎる。誰を憎めばいいのかわからないという彩子の言葉にも、東に向けた怒りにも、共感した。日高のことを他人ごとに思えないというのは、彩子自身も気づかない内に魅かれているからだと思う。無実にするのは無理だと思うけど、救いのある最終回にして欲しい。








2021年3月13日土曜日

「天国と地獄~サイコな2人~」第8話のあらすじと感想

とうとう真犯人が明らかに!


女刑事・望月彩子(綾瀬はるか)と、猟奇殺人事件の容疑者・日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまうサスペンス・エンターテインメント。

日高は本当に犯人なのか?…事件に日高の生き別れの双子の兄、東朔也(迫田孝也)が絡んでいることを掴む彩子。彩子の同居人・渡辺陸(柄本佑)は、師匠と呼ぶ湯浅(迫田孝也)が東だと疑いを持ち始めていた…


第4の殺人事件の現場検証が始まる…今までの事件とは異なり、犯人と被害者が争った形跡が残されていて、下足痕や血紋なども採取される。今度こそ『φファイ』に会えるかもと色めき立つ捜査員。彩子<魂は日高>は第3の事件のアポがあると嘘をつき『東朔也』が担ぎ込まれた病院へ向かう。


その頃…湯浅に付き添う陸は、彼の右手の平にホクロがあるのを確認し『東朔也』だと確信。そして意識を取り戻した湯浅は、陸に頼みがあると言う…


一方、河原刑事(北村一輝)は『東朔也』が日高と繋がっていたことから、十和田(田口浩正)の模倣犯だと推理する。第一の神奈川の殺人は十和田の仕業で、十和田の自殺後、彼が残した漫画に感化され、東が日高と結託して二代目『クウシュウゴウ』として第二、第三の事件を起こした。そこに日高と東だけでなく、彩子も関わっているという。


彩子のバディ・八巻(溝端淳平)は、第4の事件が起きたことを彩子に伝える。殺害されたのは二人で久米宅を見張った夜、被害者は久米正彦の息子だと。日高が犯人ではないことから、一緒に殺し回っていた訳ではなく、兄を探し回っていたのではないかと彩子。もしそれが事実なら、日高陽斗として捕まることに怯える必要がないと考える。


病院に着いた彩子<日高>だが、既に東=湯浅の姿は無かった…。陸に頼み、病院を抜け出したのだ。「なに考えてんだよ、兄さん…どこ行ったんだよ!」


日高<彩子>も、秘書の五木樹里(中村ゆり)から、奄美大島に日高と一緒に行ったという東朔也の写真を見せられる。写真の顔はやはり湯浅。コ・アース社に清掃員として派遣登録していたのだ。


捜査会議に忍び込む河原とバディの幅(谷恭輔)…

鑑識の新田(林泰文)が、下足痕からスニーカーが特定され、近くの防犯カメラから、犯人と思われる男性の映像も入手できたと報告。彼を確保し、指紋が一致すれば犯人確定で4つの事件は幕引きとなる。


日高<彩子>を訪ねて、コ・アース社に彩子<日高>と八巻がやって来る。樹里を帰し3人だけになると「もう下手な芝居はいいですよ。」と彩子<日高>。八巻が彩子の協力者だと気づいていることを明かす。そして、逮捕されるかもしれないから、社長を辞任して欲しいと言う。

「何で私が捕まるの?犯人はこの人なのに。」東の派遣登録書を見せる日高<彩子>。「クウシュウゴウ、あなたの生き別れれのお兄ちゃん。本名は東朔也。あなた、本当は何もやってないんじゃない?ただ殺人に狂うお兄さんを止めようとしてただけなんじゃないの?」

庇いたい気持ちは何となくわかるが、どんな理由があるにせよ、人殺しは人殺し。どんな人でも殺されていい訳ないし、同時に誰かを殺すことも許されない。どんな事情があっても、ここを譲ったらすべてが済し崩しになると…

「死守すべきルールというものが、人間にはあると思わない?」

「自分の顔でド正論ぶつけられるというのも、照れるもんですね。」

「それはあなたにも良心てものがあるからじゃないの?」

兄を庇うことは諦めるから、早急にコ・アース社の社長を辞任して欲しいと言い、立ち去る彩子<日高>。


帰宅して、証拠の品が無くなっていることに気づく彩子。そこへ陸から電話が入る…『クウシュウゴウ』かもしれない人物と一緒にいると聞き、写真を送る。

「知り合いだからって逃がしたりしてはダメよ。それも犯罪だからね。陸にとっては友達でも、人殺しは人殺し…」「わかってるから、それくらい!」

珍しくキレて電話を切る陸。師匠と慕っていただけに、相当ショックだったのだろう。


第4の被害者の人間関係について聞き込みをする河原と幅。『親父に言えば大抵のことは揉み消せる』とやりたい放題だったから、彼を嫌っている人間は腐るほどいると聞き、河原は実際にどんなことを揉み消していたのか尋ねる。


「もうすぐ満月か…」いつもの歩道橋から月を見上げる彩子<日高>。

「お前が15分先に生まれてくりゃ、お前の人生は俺のものだったんだよ!」朔也に胸ぐらを掴まれ責められたことを思い返す…

そして「死守すべきルールってもんが、人間にはあると思わない?」という彩子の言葉…「そんなことは何百回も考えたんだ。」と呟く。


鑑識課の新田を訪ねた彩子<日高>。防犯カメラの画像から、かなり正確に顔が解析され、ジャケットも特定されていた。新田が席を外した隙に、証拠の品を数点持ち去る。


同じジャケットとスニーカーを買い、加工した彩子<日高>は、犯人が川へ身を投げたように見せかける。捜査一課は、スニーカーと遺書が発見されたことで、川の捜索を始めるが…


彩子<日高>から、捜査について聞いた日高<彩子>は、偽装がバレるのは時間の問題だと…「その後は一体どうするつもりなの?」「大丈夫ですよ。問題なのはその少しの時間なのですから。」「少しの時間てどういうこと?」答えずに電話を切る彩子<日高>。


下足痕は一致し、被害者の血液も髪の毛も庭の土までも検出されるが、偽造ではないかと疑う捜査本部。川の捜索を続けるかどうか話し合うところへ、河原と幅が入って来る。

防犯カメラに写った犯人と『東朔也』という男を、顔認証システムにかけたところ、98%同一人物という結果が出たと報告する。

東は久米正彦が経営する警備会社でアルバイトをしていた人物で、源証券のビルに警備員として派遣された時に、久米の息子の不始末の濡れ衣をきせられて解雇された。動機はその怨恨によるものだと。

「ちょっと弱くないか?」という一課長の十久川(吉見一豊)に「ですよねー、望月警部補なら、更に深い事情をご存知かもしれません。望月警部補も東朔也の行方を追っていましたよね?」

一度は知らないと答える彩子<日高>だが、パソコンに検索の記録が残っていたと聞き、コ・アース社のビルに入っていた清掃員という線から調べていたと言う。

東と日高は共犯ということかと尋ねる五十嵐管理官(野間口徹)。河原は、居酒屋で二人で飲んでいたという証言もあると。

そこへ被害者の飼い犬の糞から、子どもの歯が見つかり、日高の乳歯と判明したと

新田から報告が入り…一課長は東と日高の緊急配備を発令する。


すぐに日高<彩子>に知らせる八巻。「とにかく今すぐどこかに隠れて下さい!」だが…「今、誰に捜査情報漏らしとったんじゃ。」河原に聞かれてしまった!


日高<彩子>は樹里に協力を依頼し、コ・アース社を抜け出すことに成功。その際に日高から送られてきた動画を削除し、スマホをトイレタンクに捨てる。


一方、陸は湯浅(東)と一緒に福岡にいた…。子どもの頃に二人が会った歩道橋で「ここから間違ったんだよ、俺」淋しそうに呟くと「陸、奄美大島、行ってみないか?」頷く陸…


樹里と落ち合う日高<彩子>。思い切って入れ替わりのことを話す…。信じられないが、そう考えると納得がいくと樹里。大学時代から日高を見てきた樹里は、彼に人が殺せるとは思えないが、生き別れの兄に同情して加担することは、なくはない気がすると言う。

「結局、グレーということか…」と日高<彩子>。樹里は「だとしても、日高君はあなたのことは助けると思いますよ。」そして、一つだけ決定的に彩子を助ける方法があると言う。「いくらなんでもこの局面で、そんな分の悪いことするかな?大体そんな自由自在に入れ替われないでしょ。」「すると思いますけどね、日高君なら。」

そこへ彩子<日高>から、あの歩道橋へ来るようにと電話が入る…

「うまくいくといいですね。」と樹里。入れ替わったらその場で彼を捕まえるが、それでいいのか尋ねると…「日高君はバカじゃないです。もし入れ替わるつもりなら、それでいいって思ったってことでしょう。」


スマホを取り上げられた八巻は、誰の番号か河原に問い詰められていた…。知らないという八巻を「免職になってもいいのか!」と脅す。そこへ幅がその番号の現在地がわかったと知らせに来て、二人で飛び出して行く。「もう完全に終わりです…望月さん…」泣き出しそうな八巻…。


歩道橋に向かう日高<彩子>…"入れ替われたとして、あいつと東朔也を捕まえて、私はお手柄"…本当にそれで終わりでいいのだろうかと考えていた。

待っていた彩子<日高>は、もうこれしかないと思うと凶器の丸い石を渡す。そして手錠を取り出すと「日高陽斗、あなたを田所仁志さん殺害容疑で、緊急逮捕します。」後ずさりする日高<彩子>。

そう簡単に入れ替われる訳がないと言い、これは彩子の為でもあると日高。

「他の誰かに捕まるより、まだこの方が良くないですか?」自分がここで捕まえれば、望月彩子は表彰ものの大手柄で、入れ替わった甲斐がある。「そうなれば、あなたのご両親はどれほど喜ぶことでしょう。」

"騙されるな、これは芝居だ。日高陽斗は絶対にサイコパスじゃない"…何か意図がある筈だと考える彩子。


階段の上まで来たところで、手錠をかけようとする彩子<日高>。その手を振りほどこうとする日高<彩子>。そしてバランスを崩した二人は、階段を転げ落ちる…

"そっか、手錠、石、満月…あの時と同じ"

先に意識を取り戻した彩子が自分の顔を触る…二人は元に戻れたのか!?


真犯人がわかり、これから事件の真相も明らかになるだろう。朔也と陽斗がどこで再び繋がったのか?日高と彩子は元に戻れるのか?1話ではかなりサイコパスな顔をしていた日高だが、元に戻った時にどういう顔をしているのかも興味深い。



2021年3月6日土曜日

「天国と地獄~サイコな2人~」あらすじと謎

 今クール一番ハマっているドラマ「天国と地獄」(日曜午後9時 TBS)


努力家で正義感の強い警視庁捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるか)と表向きは研究者でやり手の経営者だが実はサイコパスな殺人鬼かもしれない日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまうというストーリー。とにかく入れ替わってからの主演二人の演技が素晴らしい!

「JIN‐仁‐」「義母と娘のブルース」など多くのヒット作を生み出した森下佳子のオリジナル脚本。おそらくあと3話で最終回を迎えると思う。そこで、今までの大まかなストーリーと謎について書いてみました。


1話のストーリー

「今宵は新月ー 月は無いー 世界が生まれ変わる夜」

「大好きなんだろう、金が」

「大好きな金を食らい死んでいくお前は幸せ者だ」


日高の声が漫画の台詞を語ると同時に、何者かが漫画と同じように、死体の口の中にお金ではなくパチンコ玉を詰めていく…。凶器と思われる丸い石を拾い上げるが、犯人の顔はわからない。


そしてパチンコ店経営者・田所仁志の撲殺死体が自宅で発見される。

バディの八巻(溝端淳平)と最初に駆け付けた彩子は、パチンコ玉を口に詰められた遺体という猟奇的な殺人現場にも関わらず、拭き掃除をされた後のような清涼感に違和感を覚える。

一方、主任刑事・河原(北村一輝)は、遺体の手の平に残された『φ』に着目し、3年前神奈川で起きた官僚殺しとの関連を疑う。

遺体の口には破いた六法全書が詰め込まれ、手の平に同じマークが残されていたのだ。しかも犯人は未だ捕まっていない…


彩子は同居人で日雇いの清掃員をしている渡辺陸(柄本佑)から、匂いのしない洗浄剤の存在を知り、製造元であるコ・アース社に辿り着く。社長の日高は数日前に電車内で彩子にマスクをくれた男性だった。

被害者が一人暮らしであることを知っていた日高に疑いを持った彩子が、犯行時刻のアリバイを尋ねると、その時間は散歩をしていたと言う。


管理官・五十嵐(野間口徹)へ報告する彩子。それを聞いた河原も日高に疑いを持ち、アリバイ確認を始め、犯行時刻に自宅マンション近くからタクシーで現場方面へ向かったことを突きとめる。

彩子も犯行後と思われる日高が、現場付近から自宅近くまでシェアバイクを借りたことを確認。

更にアメリカの研究室で日高と同僚だった九十九(中尾明慶)からの情報で、日高がアメリカ時代にも連続殺人の疑いをかけられていたことがわかり、捜査一課は日高を容疑者として取り調べることを決定。

その夜…たまたま残っていた彩子と八巻は、鑑識の新田(林泰文)から、パチンコ玉からカーキ色の皮手袋の組織片が発見されたと聞き、日高の元へ向かう。

歩道橋の上で日高を見つけた彩子は、明日、日高に捜索令状がおりることを告げ、自首を促すが、証拠の皮手袋を歩道橋の上から捨てられてしまう。手袋はトラックの屋根の上に…

立ち去る日高に不法投棄を理由に手錠を掛けようとするが、バランスを崩し、二人は歩道橋から転げ落ちてしまう。


病院で目覚めた時には、何と二人の身体と心は入れ替わっていた!

動揺する彩子に対して、「どこまでツイてるんですかね、私は」と冷静な日高。だが八巻は彩子<中身は日高>を見て違和感を抱く。

(ここから<>内を魂とする)

彩子は、日高の持ち物から、凶器と思われる血痕のついた丸い石を見つけるが、そこへ日高が入って来て…このまま連続殺人犯として捕まるか、すべて自分の言う通りにするかを迫られる。


1話で、何者かが犯行時に使用したと思われる血の付いた防護服などを燃やすシーンがある。その時に日高が持っていた凶器の石も映るが、顔がハッキリしない。

そして気になるのが…

①何度となく月を見上げる日高の姿。

②彩子<日高>が八巻に語った太陽と月の入れ替わり伝説。

③ドラマの最初のシーンとなる彩子の夢。(海岸に立つ彩子が凶器に似た丸い石で見知らぬ男性に殴られそうになる)

④陸のバイトの先輩・湯浅(迫田孝也)。不必要なシーンに見える所が気になる。漫画の主人公も清掃員だし、何か関係が?

⑤日高がアメリカで親しい男性と犯したといわれる連続強姦殺人事件。共犯者は失踪、日高も証拠不十分で起訴に至らずその後司法の手から逃れるように帰国。被害者は若い3人の女性。今回の事件と性質が異なり、日高犯人説に違和感を感じる。


2話のストーリー

日高から、このまま容疑者として取り調べを受け、一生塀の中で過ごすか、自分と協力して容疑を晴らし、無罪放免になる道を選ぶかと迫られ、協力すると答える彩子だが、彼の『容疑を晴らす』という言葉に引っ掛かる。

最初のミッションは朝8時から始まる家宅捜索と取り調べを乗り切ること。日高は洗面台の下にある段ボールの中身を全て持ち出すよう指示する。そして二人のスマホから見られたくない情報をお互いに消去するが、その際に彩子はロケーション履歴を現在地からオンにして日高に渡すのだった。

段ボールの中には犯行現場に残された洗剤の成分と同じコ・アース社のサンプルQ、『暗闇の清掃人∅』というタイトルの漫画、神奈川での官僚殺しの遺体の写真、『日高はるとさま』と書かれた封筒、奄美大島行のチケットの半券、田所仁志の名も記されたリスト…連続殺人事件の証拠となり得るものばかりが入っていた。


河原の事情聴取を受ける日高<彩子>。確たる証拠も出ず、日高の秘書・樹里(中村ゆり)が弁護士を連れて来たことで釈放される。

一方、八巻たち捜査員はいつもノーメイクだった彩子<日高>が化粧をしたり、言葉遣いや言動も今までと違うことを指摘するが、路線変更をしたのだと涼しい顔で返されていた。

密かに受け取った証拠品をコインロッカーに隠し、帰宅する彩子<日高>。そして何も知らない陸と食卓を囲むが「何か彩子ちゃん、今日は天使みたいなんだけど」と全く気付かない。そればかりか、彩子<日高>に誘われ、男女の関係に…。


捜査会議で社内及び研究所から押収したサンプルQは全て未開封だったこと、記録された在庫数とも一致していること、パチンコ玉から検出された皮革組織も日高の皮手袋の中からは発見されなかったことが報告される。家宅捜索で有力な証拠は見つからなかったのだ。アリバイに疑わしい点はあるが、捜査の主筋を切り替えると発表する。もちろん日高を容疑者から完全に外すわけではない。

皮手袋のことを報告しなくていいのかと八巻。トラックの運転手に問い合わせたが見つからなかったという。岩手までの走行中にどこかで落ちたのだ。そんなことを報告したら大目玉をくらうことになるから、あの夜日高には会えなかったことで通すのがいいと彩子<日高>に諭される。

二人の会話を偶然立ち聞きしていた河原…。河原の存在に気づいた八巻が「今の聞いていましたかね、セク原」と言うと、「立ち聞きは別にセクハラではないでしょう」と彩子<日高>。セクハラは河原のあだ名なのに…。そして彩子<日高>が耳たぶを擦る姿を見て、「そんな癖もありましたっけ…」と不審に思う。


日高から手袋の存在を河原に知られたと、報告の電話を受けた彩子は、思わず彼を責めてしまう。「なんで犯行に使った手袋を後生大事に使っているのよ、バカじゃないの?」その言葉に気分を害した日高は電話を切ってしまう。彩子<日高>の冷たい表情が恐い…


陸からロケーション履歴の確認の仕方を訊かれた彩子<日高>は、自分の履歴が入れ替わった夜の病院から有ることに気づく。

そこへ同じ場所から同じように転げ落ちれば元に戻ると考えた日高<彩子>から呼び出しの電話があり、なぜか彩子の好物だというナッツを持って出て行く彩子<日高>…

二人が入れ替わった歩道橋から、あの時のように転げ落ちることは出来たが、結果は何も変わらなかった。

「ね、戻れないでしょ?こんなことしたって。」と日高。「もしかして知ってるの?どうやったら入れ替われるのか…」と彩子。だが、日高は知らないと答える。


日高からも話があるということで彼の部屋へ移動する二人。日高は彩子の部屋から持って来たナッツを皿にあけ、お酒を作る。そしてロケーション履歴があの病院からしかないことの理由について尋ねる。戻った時の為に、行ったお店などを共有できると思ったと答える彩子だが、証拠を集める目的であることはバレていた。好物のナッツをつまみながら話していた彩子は、体の異変を感じる。日高は重度のナッツアレルギーだったのだ!

「私にとって最善の道は、あなたには自殺してもらうことだと思うんですよ。こんな手段を使って裏をかくような人とは信頼関係なんて築けませんし、そんな人の為に汗をかくほどお人好しでもありません。あなたにはスッキリと死んでもらって、私はあなたとして生きていく。これが最善だと思い至りました。」

日高は遺書を作成し始めるが、どうにか非常ボタンに辿り着いた彩子は「押すわよ!こういうマンションて直ぐ人が来るんでしょ?自殺に見せかける暇なんかないから!私も終わりだけど、あんたも終わるからね!薬はどこ?出しなさい!」


「逞しいですねー、なかなか。」また歩道橋の上で月を見上げる彩子<日高>

日高<彩子>は一人部屋を片付けていた…"思い知らされた、立場の違いを。日高には私を殺すことなんて簡単なのだ"日高が自分の人生に執着がないことに絶望し、泣いているとインターフォンが鳴る…八巻だった。

確認したいことがあると言い「望月警官の職員番号って知ってます?いいから答えて下さい。言えますか?二人で使っていた河原さんのあだ名は?」次々と二人しか知らないことを尋ね、正確に答える日高<彩子>に「信じられないけど、信じるしかないですね。望月さんは日高と入れ替わったんですよね?」「お手柄だよ、八巻。今までで一番お手柄だよ。」

太陽と月が入れ替わった伝説があると日高から聞いたことを話す八巻。彩子は奄美大島のチケットの半券を思い出す…


その頃、小学生が通りに落ちていた日高のものらしい皮手袋を拾う…


2話で気になったのは…

①凶器と思われる石を何故捨てなかったかと訊かれ、「証拠なんて隠滅した方がいいとはわかっているけれど、どうしても捨てられない、取っておきたくなる」と答える日高。証拠品も揃っているし、やはり犯人なのか?

②日高は化粧にも慣れていて、陸も誘惑。男なのに何故?

1話ではいつもイライラしていた彩子だが、入れ替わってからの日高<彩子>は、とても可愛い。コ・アース社でいつもの癖で女子トイレに入ってしまい、悲鳴をあげられた時の慌てぶりも可笑しかった。


3話のストーリー

奄美大島に伝わる伝説とは…二つの星が、シヤカナローの花が咲いた方が太陽になり、もう一方は月になるという約束をした。でも月になる星が花を盗んだ為に、月は太陽に、太陽は月になり、二つの星の運命は入れ替わってしまったというものだった。

彩子は奄美大島に行き、シヤカナローの花を手に入れることを思いつくが、日高の皮手袋を警察より先に押さえることの方が重要だった。そうすれば捕まらないし、元に戻った時に日高を逮捕する物証にもなる。皮手袋が見つかったら、こっそりすり替えるよう八巻に指示する。

通勤電車内で手袋のブランドを調べる日高<彩子>に「手袋のすり替えでもするつもりですか?」と声をかける彩子<日高>。抜け目ないところが恐い。その後、樹里からうまくブランドを聞き出し、手に入れることに成功。

河原も日高の手袋がもう一つあったこと、それをトラックの上に落としてしまったことを上層部に報告。捜査本部は日高の手袋の捜索に乗り出す。

押収された手袋をすり替える為、鑑識の手伝いを買って出る八巻。そこには彩子<日高>の姿もあった。9日が経過した頃、日高の手袋が鑑識に届く。すり替えに成功した八巻だったが、左と右を間違えるという重大なミスを犯してしまったことで、彩子<日高>に疑われてしまう…

その夜、彩子<日高>から日高<彩子>に手袋が見つかったと電話が入る…明らかに彩子がすり替えたこと、内部に協力者がいることに気づいている様子。


奄美大島を訪れた日高<彩子>は、凶器に使われた丸い石が取れる海岸へ向かう。そこは以前夢で見た海岸だった。丸い石を手に取る彩子に、持って帰ってはダメだと地元の人が声をかける。昔からここの石を持っていると悪いことが起こる、呪いの石と云われているのだと。

宿で日高の写真を見つけた彩子は、記憶の一部を失ったと偽り、宿主(酒井敏也)からその時の行動を訊きだす。そして日高が訪れた緋美という集落へ行くが、宿主が言う通り廃屋が一軒あるだけの何もない処だった。シヤカナローの花もない。そもそも夏にしか咲かない花だという。


その頃、河原のバディ・幅(谷恭輔)は、彩子<日高>からの情報で日高の手袋を入手する。片方の手袋だけを集めたインスタグラムに投稿されていたのだ。手袋から日高の指紋が検出される。あとは田所氏のDNAが出れば、日高の容疑が確定する。手袋は科捜研に回されるが、何故か彩子<日高>も科捜研へ…。

奄美大島から戻った彩子は八巻から、その報告を受けるが、左右を取り違えている為、もうすり替えることは不可能。日高が何とかしてくれるのではないかと淡い期待を抱く。


その夜、陸橋の上で壁に大きく赤いペンキで描かれた『4』という数字を見つけ、驚く彩子<日高>。「そうですか…終わりじゃなかったんですか…」空を見上げるが、月は出ていない。

彩子の帰りを待つ陸の元へ便利屋の仕事の依頼が入る。そして陸橋に描かれた『4』を消す陸。「何やってんだよ、お前…」振り返ると湯浅が立っていた。

帰宅した日高<彩子>は、バイトが入り、帰りは朝になるという陸の置手紙を見て「ラッキーですね…」と呟く。


翌朝、手袋から田所氏のDNAは不検出だったと八巻から報告を受ける日高<彩子>。バクテリアに分解されていて検出できなかったというのだ。科捜研の人によるとあり得ないことではないらしい。ホッとする彩子だが、八巻は、日高が手伝うふりをしてどこかでバクテリアを混入させたのではないかと言う。化学に精通している日高なら可能かもしれないと。

そして、ホッとしたのも束の間、日高から届いた動画を開いた彩子は凍り付く…


捜査本部でも五十嵐から新たな殺人事件が起きたと報告がある。しかも田所氏と同一犯である可能性が非常に高いというのだ。


送られてきた動画には逆さに吊るされた遺体と彩子<日高>が映っていた。「この人はゴルフ場なんか作って大儲けした人なんで、頭全体をゴルフボールみたいにデコボコにしちゃいたいと思います。」

防護服に身を包み、ゴルフクラブで遺体の頭部を笑いながら何度も打つ彩子<日高>。

「あなたには一応お伝えしておいた方がいいかと思いまして。これでもう元に戻ろうが戻るまいが、あなたも殺人犯。どっちでも同じになっちゃいましたね。あなたは私で、私はあなたです。どうかお忘れなく。」

「何でこんなことするの…何が楽しいの…何が目的なの…」震え泣く彩子。その時、インターフォンが鳴る…

一方、仕事から戻った陸は、ゴミ袋の中に血が付着した防護服を見つけ、ショックを受ける…


3話で気になったのは…

①日高が奄美大島を訪れた理由。

②『4』と描いたのは誰なのか?日高は誰かに命じられて動いているのか?3番目の殺人は日高の犯行なのか?

今度は宿で無意識に女湯に入ってしまう日高<彩子>が可笑しい。そしてカマをかける彩子<日高>に素直に引っ掛かる八巻。日高<彩子>に電話をする時も無防備過ぎて、背後に彩子<日高>が現れるのではないかヒヤヒヤさせられ、心臓に悪い(汗)


4話のストーリー

日高<彩子>を訪ねて来たのは警察だった。再び河原の事情聴取を受けるが、マンションの防犯カメラから、昨夜は外出していないことが判明し、直ぐに解放される。

エレベーターの前で彩子<日高>の胸ぐらを掴む日高<彩子>の姿を目撃した河原は、二人の関係を疑い始める…


第三の被害者は土地開発の元社長・四方忠良。同一犯の可能性が高いのに、微妙な差異によって捜査本部は混乱していた。彩子<日高>は被害者と接点のある人物のデータベース化を買って出るが、その目的は不明。

その後、『φ』のマークのことで公安との席を設けた十久河捜査一課長(吉見一豊)から、記録係を頼まれる彩子<日高>。公安はマークを使っているのは海外の組織だけだという。今はネットで簡単に繋がれる時代だから、日本にも組織の信奉者がいても不思議ではないのではと彩子<日高>。


今回のことで『元に戻って日高を逮捕して、手柄を挙げる』という彩子のプランは、永久に封じられてしまった。「本来極刑に処すべき人間を助ける人生…一体何だったのだろう、これまで警察官として生きてきた私は…」途方に暮れる彩子…


コ・アース社も取引先からの、警察の聞き込みによる苦情対応に追われていた。営業取締役の富樫(馬場徹)と謝罪に向かった日高<彩子>は、正論を吐いて逆に顧客を怒らせてしまう。

事情聴取を受けてからの日高の様子を不審に思う樹里から、何かあるなら言って欲しいと詰め寄られ…階段から落ちて頭を打ってから、記憶が飛んだり、意味が全くわからないことがあると嘘をつく。

すると樹里から事情を聞いた社員たちが、心配して社長室になだれ込み、彼らの言動から日高が慕われていることを知り…彩子は彼の意外な一面に驚く。


科捜研のメンバーが、あのバクテリアが皮手袋に付着していたのはおかしいと、話しているのを耳にした河原。屋外で普通に付くものではないというのだ。

不審に思った河原は、最初に手袋を回収した警察官に、間違いなく左だったことを確認する。手袋をすり替え、更にバクテリアを付着させることが出来たのは、新田、八巻、幅、彩子、そして自分の5人…彩子の仕業ではないかと疑う。


血の付いた防護服のことが気になる陸は、湯浅に相談する。彼女は二重人格で、別の人格が人を殺しているのではないかと湯浅。

帰宅するとエプロン姿の彩子<日高>が夕飯を作っていた。「気が付いたら、人とか犬とか殺していたということ、ない?」思わず訊いてしまった陸は、ゴミ袋の中から血まみれの防護服が出て来たことを話す。それは、鑑識で血痕の飛び散る実験を手伝った時のゴミだと、彩子<日高>は笑い飛ばすが…


バスルームでスマホの名前リストを見ながら呟く彩子<日高>…「田所仁志は2、四方忠良の4、次は何番ですかね…」そして鏡に『∅』と描く。次のターゲットが誰なのか、知らないようだ。


四方氏の自宅前で聞き込みをする河原と幅は、犯行時刻に女性が四方宅に入って行くのを見かけたという目撃者を見つける。しかも彩子の写真を見て、似ていると言う。翌日、実物の彩子を見せるが、正確に顔まではわからないと…。

そこで河原は彩子<日高>に目撃情報を報告。『23時頃、四方さん宅に入って行った女性。背は高め、年齢20代~30代、セミロングにベージュのコート、黒のバッグに蝶のバッグチャームを付けていた。目撃者はグエン・ミンというコンビニで働く外国人留学生。』…心配する八巻をよそに顔色一つ変えず、データを入力する彩子<日高>。


一方、樹里から記憶障害のことを聞いた妹・優菜(岸井ゆきの)から電話があり、食事をする日高<彩子>。そこで日高が富樫や樹里を助けたこと、元々優しい性格だったことを知り、益々日高のことがわからなくなる。

その帰り道、八巻から目撃情報について報告の電話が入る。日高が目撃者を殺害しないか心配だと…。

その時、警察官が道でしゃがみ込む老婆を助ける光景を目にし、「これ見逃したら私じゃないでしょ。もう本当に私、これっぽっちも私じゃなくなるでしょ。」すり替えた手袋を渡すと日高に連絡する。


電話を受けて署を出て行く彩子<日高>を河原は尾行。ホテルのスパに入って行く彩子<日高>。個室には日高<彩子>が待っていた。

手袋を渡す代わりに、もう誰も殺さないと誓ってと彩子。約束しないなら、今すぐあの動画を一課に送ると言う。

そんなことをしたら元に戻るチャンスも失うし、望月彩子も殺人犯になるという日高に「なめんじゃないわよ、私だって警官のはしくれだからね。あんたを野放しにしてこれ以上死体が増えるくらいなら、このままあんたを突き出す。」「その瞬間、あなたも破滅することになりますが」「上等だよ!この際、二人仲良く地獄行きといきましょうよ。それがあるべき世の姿なんだから。」

彩子の覚悟を知った日高は、淋し気に笑うと…「だからあなただったんですか…そうか、だから私はあなたと入れ替わったんですよ。」

八巻から目撃者のことを聞いたのだと悟った日高は、この程度のトラブルで誰かを殺したりはしないと言う。逆に証言に一つだけ正しくない情報があることを彩子に伝える。バッグにチャームが付いていたというが、それは事件後に十久河から貰った物なので、あり得ないと。

「より特定性の高い情報を付け加えて、誰かに反応を見られていると思う。」と彩子。「では敢えてバッチリ私だと証言してもらうことにしましょうか。」何をするのだろう?


翌日、バッグからチャームを外す彩子<日高>…目ざとく気づく河原。

捜査会議で目撃者の面通しが決定する。女性関係者の写真を用意するよう指示された彩子<日高>は、動揺した様子を見せる。

そして面通しが始まる。資料を持って来た彩子<日高>を見て、「この人です、似てます!」と言うグエン。実は事前に河原から、彩子を部屋に寄越すから、彼女だと証言するよう指示されていたのだ。

否定し、動揺する彩子<日高>にアリバイを尋ねる河原…そこへ怒りまくった十久河が入って来て、河原を連れ出す。在留期限が切れることをネタに証言の強要をする河原の動画が送られてきたのだ。

アリバイを聞かれて動揺した様子が気になった五十嵐は、彩子<日高>にアリバイについて尋ねる。自宅に居たから証明のしようがないと思ったからだと答え、更にグエンが目撃したのは絶対に自分ではないと、蝶のチャームのことを話す。


動画を送ったのは日高<彩子>だった。警察を装いグエン氏を訪ね、河原が汚職警官であること、日高の父が経営するサンライズフーズへの就職も斡旋し、彼に動画を撮らせたのだ。

電話で報告し合う日高と彩子。グエンの就職には優菜も動いてくれたようで、妹の様子を心配する日高に驚く。更に捜査本部を外された河原を、かわいそうだと言う日高に「ねえ、どうして人殺しなんかするの?動機は何?どうして田所さんや四方さんだったの?」「動機も理由もないですよ。ただ突然殺したくなるんです。」そんなこと知ってどうするのかと日高。「日高陽斗という人間を知りたいからよ。」それには答えず電話を切る。


日高のことがわからなくなった彩子…"日高は二重人格?それとも何かを隠している?大切な誰かを守る為に人殺しを起こしている?それとも共犯がいる?"


そして…コインロッカーを利用する彩子<日高>を偶然見かける陸…


4話で気になったのは…

①バスルームのシーンで『暗闇の清掃人』の漫画が映る。悪魔のような大きな手が、清掃人に数字が書かれたメモを渡すのだ。日高も誰かの指示を受けていることを示唆している?

②スパの個室に富樫と二人で来たことがあるという日高。やはり女性ではなく、男性に興味があるのか?日高は本当に男性?

③スパで日高が言った「だからあなただったんですか…」という言葉の意味は?

彩子と日高の連携プレーが見事だった。視聴者も日高という人間がわからなくなったと思う。1話から冷静で冷酷な印象だったけれど、妹からも社員からも慕われているし…本当の彼はどんな人物なのだろう…?


5話のストーリー

八巻と別行動をとった彩子<日高>は、ある屋敷を見張っていた…そして足下に落ちていた薬のカラを拾うと「時間がないですね…」と呟く。


彩子<日高>が利用しているコインロッカーが気になる陸は、湯浅に頼んでこっそり合鍵を作り、開けてしまう。その時、ロッカーから彩子<日高>が仕掛けていた付箋が落ちるが、陸は気がつかない。『日高はるとさま』という封筒を見て、日高<彩子>に会いに行く。


同居人の女性のコインロッカーを開けたら、色々謎な物が入っていて、そこに日高宛の手紙が入っていたと、話し出す陸。

動揺した日高<彩子>が、腕組みをした肘を人差し指でトントン叩くのを見て、不審に思う…それは彩子の癖と同じだった。

隠さなくてはいけないことを日高と彩子が二人でやっていると思い、会いに来た陸は「一体お二人で何をやってるんですか?」と尋ねる。どう答えるべきか悩んでいると、樹里から会社が大変なことになっていると電話が入り、「とにかくもう一度連絡します。」と


走り去る日高<彩子>を見て呟く…「何かあの人、彩子ちゃんみたいだな。」


社長の日高が家宅捜索を受けたことや、殺人の容疑がかかっているなど、警察が公表していない情報がSNS上に拡散され、コ・アース社は大変なことになっていた。彩子は日高に連絡をして、警察内部に情報を流した人間がいると伝え、自分は情報を買った奴を調べるから、売った奴を調べてと言う。


捜査本部を外された河原と幅は、大昔の捜査資料のデータベース化作業に回されていた。日高と彩子の接点を見つけようと、神奈川で起きた第一の事件の資料を見直す河原。そこには初動捜査で作られた不審者の似顔絵があった。「こんな目立つ顔、直ぐに見つかりそうですがね…」と幅。

夕食をとる為に入った店で、置いてあった漫画の表紙を見た幅は、似顔絵とそっくりなことに気づき、目撃者がふざけてこのキャラの特徴を言ったという可能性はないかと言い出す。幅の言葉から河原は、証言をした戸田一希が嘘をついているとにらむ。


コインロッカーを開けた彩子<日高>は、付箋が落ちているのに気づき、陸にコインロッカーの鍵を見なかったかと探りを入れる。知らないと答える陸だが、彼の仕業だとバレているように思える。八巻も陸もホントわかりやすい。

陸の便利屋のHPに日高<彩子>から、明日同じ場所で会えないかとメッセージが届く。HPを知っていることに首を傾げる陸。


翌朝、コインロッカーを別の場所に移し替える彩子<日高>。


日高<彩子>が、二人が入れ替わったと話すと、直ぐに信じて納得する陸。日高宛の封筒の中には破いたノートに『明日3時。学校のそばの歩道橋で待ってます。』と書かれていて、子どもの頃にもらったラブレターのような感じがしたと話す。日高<彩子>は陸からコインロッカーの合鍵を受け取り、証拠品を見たことで陸も危ない状況にあるから、今すぐあの部屋を出るようにと言う。


コ・アース社社長の日高に、至急会いたいとバイスター社の財務部門の人間が訪ねて来る。買収の話だったが、SNSで炎上してから1日しか経っていないのに動きが早過ぎないかという富樫。バイスター社がこの叩きを仕掛けた可能性が高いということだ。

その上、日高が反社らしい人物と会っている写真がクライアントに出回っていることが発覚。しかし、写真を見た日高<彩子>は合成写真だと気づく。更に写真の右上に映っている影から、九十九の写真を思い出す。

富樫の話だと、コ・アース社の製品の中に日高と九十九が共同で持っている特許があるから、今回のことは九十九に大きなメリットがあるらしい。

そのことを彩子<日高>に報告すると、彼も九十九の仕業ではないかと考えていたようで、しかも情報漏洩をしたのは八巻ではないかと言う。わざとではなく、情報提供者として協力したいという九十九の言葉に乗せられ、知らず知らずに話していたのだろうと。九十九がギャンブル好きなことから、二人はある作戦をたてる。


彩子<日高>は十久河に日高と反社が写っている写真を見せ、新たな容疑者が浮かび上がって来るかもしれないと言い、組体を動かすことに成功。そして九十九と連絡がつかずオロオロする八巻に、情報漏洩の件、助けてあげるからと協力させる。


一方、戸田一希の勤務先を訪ねた河原たちは、戸田が顧客の個人情報を売買したことがバレて、辞めたことを知る。例の漫画のキャラクターのグッズを持っていたことも判明。


帰宅した彩子<日高>は陸からの、当分帰らないという置手紙を見て「逃げられましたか…ここは壊したくなかったんですけどね…」淋しそうに溜息をつく。

陸は湯浅のアパートにいた。『三枝』と表札が出ていることを尋ねると、自分みたいな人間だと家主が貸してくれないから、別の人の名義で審査だけ通してもらったという。陸がお酒を勧めると断り「俺、余命3カ月のハナモゲラでよ…嘘だよ、胃が荒れてるだけだよ。」と笑う…どこか悪いのだろうか?


『準備は整いました。計画通りに九十九を追い込みましょう。』…彩子<日高>から日高<彩子>にメッセージが届く。


八巻は、日高の逮捕に向けて上が会いたがっているというメッセージを送ったことで、ようやく九十九と会うことに成功する。

八巻と別れた九十九を彩子<日高>が尾行。九十九はコ・アース社に来たバイスター社の男と会い、予想以上に上手くいったと話すのだった。

その後、怪しいビルに入って行くのを見届けた彩子<日高>は、日高<彩子>と合流し、調達させたドレスに着替える。九十九に顔を見られているので、気づかれないようにする為だった。

八巻から連絡を受け、組体も違法カジノの摘発に動く。逃げる九十九に近づいた彩子<日高>は、常習賭博罪で現行犯逮捕すると手錠をかける。九十九が逮捕される様子を写真に撮る日高<彩子>は「やっぱ、いいなー、刑事。」…日高<彩子>を見て微笑む彩子<日高>。妖艶で美しい。



馴染みの店で陸と会う日高<彩子>。陸は彩子<日高>がいる部屋に戻ろうと思うと…彩子に刑事に戻って欲しいから、スパイとして雇わないかというのだ。二人の出会いは…情報提供者から襲われた彩子を、偶然通りかかった陸が助けたのだった。その時「俺はこの人を助ける為に生まれて来たんだ」と思った陸。逃げないし、ビビらない彩子をカッコいいと思っているから、刑事に戻って欲しいし、戻れる手伝いをしたいと話す。「何かあったらどうするのよ…」心配する彩子…


帰宅する彩子<日高>…明かりが点いているのを見て、走り出す。部屋に駆け込み、「陸、戻って来たの?」少し頬を赤らめて、すごく嬉しそうに笑う。陸のことが好きなのだろうか?


日高の子ども時代のアルバムを見た彩子は「一丁、かましてみるか…」と呟く。

翌日…日高との電話で、コ・アース社の社員たちが今回のような目に遭わない為には、殺人容疑を晴らせば済むことではないかと話す。

「私を野放しにする手伝いをして下さると?わが身可愛さといえ、正義の味方のあなたがそこまで宗旨替えして…」「問題ないわよ、だってあなたやってないんだから。」「私じゃなければ誰がやったんですか?」「あの手紙の差し出し主、歩道橋の彼女…でなきゃ、あんな手紙、一切隠す必要ないわよね?」…答えず、空を見上げる彩子<日高>。


その頃、河原は戸田一希(橋本真実)を見つけ、声をかける…


5話で気になったのは…

①湯浅は本当は余命3カ月なのか?彩子<日高>が見つけた薬は彼の物?湯浅の父親は色々と面倒な人で、結局死ぬまで振り回されたという話も気になる。

②日高が監視している家は何?何故、監視している?

九十九を逮捕する為に、ドルチェ&ガッパーナのドレス姿に着替えた綾瀬はるかが、とにかく綺麗だった。


6話のストーリー

"やったのは歩道橋の彼女"と彩子が言った後…「すべては私が握っていることをお忘れなく。」電話を切る日高。「手応えあり、だよね。よし、歩道橋の女だ。」と彩子。

ラブレターのことを樹里や優菜に話すが、二人とも聞いたことがないという。そもそもラブレターなら、破いたノートで出さないから、ラブレターでは無いというのだ。


一方、戸田から事情を聴取する河原と幅。お金の為に情報を売ったこと、その相手が犯人だったら自分も捕まると思い、嘘の証言をしたと話す。その相手とはネット上だけでやり取りをしていて、ニックネームは『∅』というマークだったと。金銭のやり取りをした通帳から『クウシュウゴウ』という名前に辿り着く。


彩子<日高>は、熱が出たので明日は自宅待機をして欲しいと日高<彩子>に電話を入れる。電話の後「これで良し。会えますかねー、明日こそ。」…月を見上げる。


翌朝…彩子<日高>が熱を出して欠勤したので、八巻も自宅待機を命じられる。日高<彩子>に連絡をし、熱が出たというのは嘘だと思うと…九十九から司法取引を持ちかけられたことを話す。

日高が人を殺すのは新月の夜だということに気づいたという九十九。八巻が調べたところ、今までの事件は全て新月の夜。次の新月に日高がまた事件を起こすのではないかという。そして今日が次の新月だと。

「だから僕たちを足止めして、自分も警察にいなくても疑われない為に…」「あいつは今、この瞬間も誰かを殺す準備をしてるかもしれないってこと?」「はい…」GPSで日高の居場所を確認するよう八巻に命じる。

日高の殺人を何としても食い止めなければと考える一方、今日起こること、その一部始終を見届けることが出来れば、一足飛びに謎が解けるのではないかと思う彩子…

そして陸に連絡。日高が検査に行くと出掛けたことを聞き、戻って来たら捕まえておくよう頼むと、日高が持っていた名前リストを手に入れる為、コインロッカーへ向かう。

予想通り、既に別の場所へ移動させていたが、付箋が落ちていることに気づく。夕方までに付箋が挟まったコインロッカーを探すよう陸に依頼する。一人では探しきれない為、湯浅に助けを求める陸。


一方、『クウシュウゴウ』が『十和田元(田口浩正)』だとわかった河原たちは、十和田のアパートへ向かう。


日高が現れる可能性があると考えた彩子は、八巻と共に歩道橋を張り込む…すると一人の男(上杉柊平)が現れ、スプレーで数字を描き始めた。

落書き男は、昨夜池袋で40代くらいのオッサンに声をかけられたという。マスクをして帽子を被っていたから顔は見ていないが、背は日高より少し低く、日が落ちるまでにこの場所に赤で『9』と描くよう頼まれたと…。


その頃…彩子<日高>はここ数日監視していた『久米』という家を訪ねていた。ハウスクリーニングのスタッフと偽り、この家の夫人に近づいた彩子<日高>は、助けてもらったお礼に無料で掃除をすると約束したのだった。そして外から侵入できそうな部屋を見つけ、窓の鍵を開けておき、帰ったと見せかけて再び侵入…


日が落ちても日高が現れないので、もう一度歩道橋に上がってみた彩子は、小型カメラが仕掛けられているのを見つける。これで数字を確認していたのだと気づいたところへ、陸からリストを手に入れたと連絡が入る。

ロッカーに入っていた漫画のことを話す陸…主人公である清掃員の『φ』が、ミスターXからの指令を受けて、法では裁ききれない悪い奴を殺していく話だが、その指令が数字で来るというのだ。陸から送られてきたリストを見て、『久米正彦』の家へ向かう日高<彩子>と八巻。家人が生きていることを確認し、張り込みを始める。

帽子にマスクという男が近づいて来るが、日高<彩子>達の姿を見て、引き返して行く…

そして夫婦が寝静まった頃、クローゼットに隠れていた彩子<日高>が防護服に着替え、寝室に現れる。


もし日高が犯人だったら、どうするのかという八巻に「今回、犯行を止めることが出来なかったら、自首させる。」と答える彩子。「あの人、自首なんかしますかね…」日高から送られてきた動画を見せる…思わず声をあげる八巻。

「日高が私の動きを封じる為に送ってきたんだけど、私が日高として捕まる腹さえくくれば、逆に私があいつを刺すカードになる。そして日高は私がそうするつもりだって知ってる。」「そんなリスクを冒してまでやりますかね、日高…」

結局、そんなことは出来ないと高を括られている気もするし、その位では止めないような理由があるような気もすると、彩子。「わからない…何を考えているのか、どんな人間なのかも。」

二人がそんな会話をしている間に、彩子<日高>は正彦に跨り、布で鼻と口を塞ぐ。何故、二人とも目を覚まさない?そして、もがいていた足の動きが止まる…殺されてしまったのだろうか?


夜が明けた頃、久米の屋敷から彩子<日高>が出て来る。気づいた日高<彩子>が追いかけるが、逃げられてしまう。

屋敷の前に戻る二人…彩子は明るくなってきたので、引き上げようという。そしてもし久米が殺されていたら、今晩起こったことを報告して事件を捜査してと…「これ以上見逃したら、もっと犠牲者が増える。もうこんなの限界、潮時だよ。」「でも、そしたら望月さん、どうするんですか?」彩子を心配する八巻。

その時…久米家の門が開き、ジョギング姿の夫婦が現れる。今日は何だか頭が痛いと言う正彦。

「日高、やらなかったんですよね?これ、そういうことですよね?」「良かった、誰も死ななくて…」安堵する二人。


一方、歩道橋に描かれた『9』に気づいた彩子<日高>…「来なかった…何かあった?何が…」


便利屋・陸に『またあの歩道橋に落書きがされていました。消してもらえますか?…』と仕事の依頼が入る。「又か…まさか!?」例の漫画を思い出し、歩道橋へと急ぐ陸。

そこには数字を見上げ、立ち尽くす彩子<日高>の姿が…慌てて隠れる陸。その後、日高のマンションへ向かい、日高<彩子>に依頼の件について話す。

今回で3回目のこの依頼…1件目は田所氏が殺された日の深夜、2件目は四方氏が殺された日の深夜、そして今日そこへ行ってみたら、彩子<日高>がそれを見ていたと。

陸が事件の数字を消しに行っていたことに驚く日高<彩子>。依頼人の名前は『クウシュウゴウ』…『クウシュウゴウ』と検索をかけると『∅』という結果が表示されるのだと陸。

日高のロッカーから引き上げて来たと、

証拠品を並べ始め「とにかく、このクウシュウゴウだか、φ(ファイ)だかっていう奴は、日高の共犯だよ。」「そいつが池袋のオッサン…」そこへ奄美大島の宿主から電話が入る…


十和田のアパートを一晩張り込んだ河原は、3年前に自殺していたことを知る。遺品は特殊清掃の業者に処分してもらったと不動産屋から聞き、清掃業者を訪ねる…


コインロッカーが空になっていることに気づく彩子<日高>。署に行き、捜査本部のデータベースで死亡届検索を始める…


彩子は宿主から、日高が前に宿で会った客にアズマサクヤと名乗っていたと聞き、河原は業者から、アズマさんが十和田の遺品の中にあった漫画を持ち帰ったと聞く。そして彩子<日高>は『東朔也(あずまさくや)』と入力…『東』って誰?


その頃…第4の殺人が起きたのか、とある部屋に煙草を口に詰め込まれた遺体が…。血で汚れた床、走り回る小型犬。そして遺体の手の平には『∅』のマークがあった…


6話で気になったのは…

①日高は久米正彦に何をしたのか?

②久米家から引き返した男が真犯人?誰?

③十和田は本当に自殺だったのか?

④東朔也って何者?

⑤第4の殺人を起こしたのは久米家から引き返した男?部屋が汚れていたのは、誰も清掃しなかったから?

今回、陸が大活躍。行動力もあるし、大胆で頼もしかった。もしかしたら彩子も陸に恋愛感情を持っているのだろうか?


7話のストーリー

煙草を口に詰め込まれた遺体…凶器の傍には何故か歯が落ちている…


十和田の遺品整理をした清掃業者を訪ねた河原たち。アズマが持って帰った漫画は『暗闇の清掃人∅』。十和田が描いたもので、アズマが自分みたいな奴が主人公だと言っていたと聞く。河原たちはアズマの行方を追うことに…。


彩子と陸は『クウシュウゴウ』が日高の共犯で、その正体が『アズマサクヤ』という仮説をたてる。数字を消す依頼を受け、完了メールを送ると、翌日位に入金されるが、落書きを消した後の画像は送っていないという。


「それでは『クウシュウゴウ』は自分で歩道橋に仕事の完了を確認しに来てるってこと?」彩子の言葉を聞いて、湯浅を思い出す陸…。

歩道橋で張っていれば、見に来た時に確保できると考えた彩子は、落書き男を呼び出し、右の手の平にホクロがあったことを聞き出す。そして日高<彩子>、陸、八巻の3人で歩道橋を見張る。


彩子<日高>は『東朔也』の死亡届が出ていないことを確認。次は身元不明死体検索を始める。そこへ、昨日起きた八王子の火災で、身元不明者が8人になったというニュースが流れる。「行ってみるか…」…損傷が激しいと聞き、遺体の右の手の平だけを確認していく彩子<日高>。やはり『クウシュウゴウ』は『東朔也』のようだ。


陸と八巻が通行人のホクロを確認する中、日高<彩子>は『暗闇の清掃人∅』を読み始める…

主人公は清掃会社で働く青年。存在感が薄く、人に名前すら覚えてもらえない。ある日、彼はミスターXにスカウトされる。法では裁けない悪人達を始末する闇の清掃人に…

「誰にも覚えられない、誰にも振り返られないのは、君の才能だ。」そして『クウシュウゴウ』というコードネームを与えられる。『クウシュウゴウ』とは、"そんな人はいないよ"という意味。「君にぴったりだろう…」

そして彼は誰にも気づかれず、この世の掃除をしていく。この世に『そんな人はいないよ!』というサインだけを残し…。


夜になって、彩子<日高>が現れ、隠れる3人。彩子<日高>は数字が消された壁を見つめ、「生きてはいるってことか…」と呟く。

その様子をみて、日高も『クウシュウゴウ』と連絡がとれていないのかも…と陸。揺さぶってみると日高<彩子>は彩子<日高>に声をかける。

「誰か待ってるの?」「いえ。」…二言三言交わした後で「アズマサクヤって誰?」と切り出す。

街中で奄美で宿をやっている親父さんに、そう声をかけられたと話し「もうそろそろ全部吐いちゃった方がいいんじゃないの?その方があなたにとっても、色々とメリットあったりするんじゃない?」「ずい分と気が大きくなられているようですが、私はいつでも突き出すことが出来るんですよ。」「そっか、そうでした…」

冷静を装っているが、日高が焦ってきていると感じる彩子…

そこへ日高の父・満(木場勝己)から電話が入る。記憶を失ったと聞いて、心配して架けてきたのだ。


翌日…彩子<日高>は、『東朔也』と思われる身元不明の患者が見つかった時に連絡をもらえるよう、医療ソーシャルワーカーの千田(青山麻美)に依頼する。すい臓がんを患っていると伝えると、薬の名前を訊かれる。確認してみるとコインロッカーへ急ぐ彩子<日高>。だが、陸が引き上げてしまった為、中は空っぽだった。


一方、張り込みを八巻と陸に任せ、優菜と一緒に福岡の実家へ帰る日高<彩子>。

そこへ『クウシュウゴウ』から入金があったと陸から連絡が入る。数字を描く時はその都度人を変えるのに、消す時はいつも陸なのが気になるという彩子。再び湯浅のことが頭に浮かぶ陸…。


日高のマンションに戻り、ドアを開けると、彩子<日高>が立っていた。証拠の品々を取り返して出て行くところだったのだ。驚いた陸が無理矢理ドアを閉めたことで、足を痛めてしまう彩子<日高>…

冷静になった陸は「日高さん、あなたが探している人と俺たちが探している人って、一緒じゃないかと思うんですよ。だったら、一緒に探すっていうのは…」「陸さん…」いきなりキスをしてくる彩子<日高>。「ご心配、ありがとうございます。」部屋を出て行く…

陸を見つめる視線など、やはり日高は陸に好意を寄せているようだ。

千田に薬の名前を伝える彩子<日高>。久米宅を監視した時に見つけたものだった。


そして湯浅のことがどうしても気になる陸は、アパートを訪ねてみる。湯浅は丁度出かけるところだった。ホクロを確かめたいが、火傷をしたとかで包帯を巻いていて確認できない。そのまま湯浅の飲み会に同行する陸。飲み屋街には、アズマの行方を探す河原たちの姿もあった…。やはりアズマは湯浅?

仲間に陸を紹介する湯浅。証券会社で働いていた陸は、ボランティアに行った時に何の役にもたたなかったことで、自分の手で何でも出来る奴になりたいと思い、会社を辞めて今の生き方を選んだのだった。そんな陸を湯浅は気に入っているようで…

「俺は陸みたいな考えの奴が増えて欲しいよ。てめえの手を動かして、汗水たらしている奴が、ちゃんと報われなきゃいけねえってことだよ。」

駅の掃除やゴミ収集、病人の世話をしてくれる人など、どうにもならないところを、手を汚して仕事してくれる人が世の中にはいる。そんな人たちがちゃんと認められて、報われるというのが真っ当だという。


その頃…日高<彩子>は満から、生い立ちについて聞いていた。あの手紙は、日高陽斗の双子の兄・東朔也からの手紙だった。二卵性だから顔は違うらしい。陽斗は亡き妻(徳永えり)の連れ子で、満とは血が繋がっていないという。陽斗の母が前の夫・東(浅野和之)と離婚する時に、長男はうちの物だから置いて行けと姑から言われ、泣く泣く陽斗だけを連れて家を出たのだ。東の家はそこそこ名家で、親もいない、学もない、奄美の田舎出身の母とは釣り合わなかったことが離婚の原因らしい。

裕福で何不自由なく育った朔也だが、バブルがはじけ、四方という人から負債を押し付けられたことで、大変なことになり…満たちは援助と朔也を引きとることを申し出たが、追い返されてしまった。その様子を朔也がどこかで見ていたようで、その1か月後にあの手紙が陽斗の学校の靴箱に入っていたのだ。母は朔也からのものではないかと感じ、密かに見に行ったという。

歩道橋の上で抜けた歯を落としてしまった陽斗。そこへ朔也が現れて、一緒に歯を探してくれたが、見つからない。その時、偶然朔也の歯が抜けて…陽斗は同じ場所だったことに驚き、抜けた歯のコレクションをしていると聞いた朔也は、自分の歯をあげると言う。結局、陽斗の歯は、朔也が踏んだガムにくっついていたことがわかり、笑う二人。陽斗と別れた後、ガムにくっついた歯を大事そうにポケットにしまう朔也に、思わず母は声をかけた。

朔也を引き取りたいと思っていると話すと「東京でやり直すんだって、お父さん。その前に一回会ってみたかっただけだから。弟、どんな奴なのかって。」

サイズの小さい靴を踵を踏んで履いているのを見て、靴を買いに行こうと言うが、もう帰らないといけないと…お金と連絡先を渡すと、父が嫌がるからと連絡先だけ受け取り「弟、可愛くて良かった。」…それが最後だったというのだ。

「僕はその後も、お兄ちゃんがいることを知らなかったのかな?」と日高<彩子>。わからないが、歯の子が手紙をくれたのかな?とか、手にホクロがあるんだよと言っていたから、どこかで知って、会ったりしていても不思議ではないという満。


日高の部屋に丸い石が飾ってあるのを見て「この丸い石って奄美の?」と日高<彩子>。「そう、奄美のお守り。」と優菜。

丸いから色んな所を転がっていっても、最後は私の元に無事に戻ってきますように…というお守りだと。


"もう断定していいのかもしれない。東朔也は『クウシュウゴウ』で、生き別れの双子の兄で、一連の事件の共犯者だ。そして起こっている出来事だけをみれば、日高は東に命じられて、漫画をなぞるような殺人を実行しているのかもしれない…"

二人の人生が再び交わったのはどこ?


店を出たところで急に苦しみ、倒れてしまう湯浅。彩子<日高>が拾った物と同じ薬を落とす…救急車を呼び、湯浅に付き添う陸。


とある部屋の遺体は、まだ発見されずにいた…落ちていた歯を犬が食べてしまう。


今日も本部で死亡検索をかける彩子<日高>。名前を入力したところで、千田から『東朔也』の候補があがったと連絡が入る。

昨夜救急搬送されたという病院へ急ぐ彩子<日高>…入れ替わりに本部に来た幅は、彩子<日高>のパソコンに入力された名前を見て驚く。


病院に着いたと同時に、五十嵐から殺人事件が起きたと電話が入る。被害者は久米正彦の息子…至急現場へ向かうよう指示される。

「リストに無い奴狙うって、もうこれ反則だろ…」堪えきれず叫ぶ彩子<日高>。現場へ向かう為、走り出す。

その病院には湯浅が運ばれていた…。意識はまだ戻らない。付き添う陸は、右手の包帯をめくる…


出社した日高<彩子>は樹里に『東朔也』という名前に聞き覚えが無いか尋ねる。「社長が一緒に奄美に行くって言っていた方では?」


河原もようやく『東朔也』が利用していた店を見つける。清掃の仕事をしていて、なぜ来なくなったかは知らないが、最後の方は毛並みの良さそうな人と一緒だったと聞き、日高の写真を見せると…その人だという。


現場はあちらこちらに血痕が残っていて、凶器もそのまま…呆然とする彩子<日高>。そして血紋も採取される。「もうダメだ…」


7話で気になったこと…

①色んな話を繋げると、やはり湯浅が東朔也で間違いはなさそうだが、実行犯が湯浅で後始末が日高だと考えると、数字の指令を出していたのは誰?それとも湯浅が単に日高に教えていただけ?

②日高と東、二人はどうやって繋がったのか?

③毎回ラストに暗闇の清掃人∅の顔がアップになるが、7話ではそれが無かった。何か意味があるのか?

怒涛の7話だった。彩子、日高、湯浅はどうなるのか?






7話まで終わったところで、まだ解決していない謎を整理したいと思う。

①日高が月を眺める訳は…兄・朔也を想って?二人の名前は奄美の伝説からつけられたのだろう。

②彩子はどうして奄美の海岸の夢を見たのか?彩子もどこかで繋がっている?

③日高は男が好き?化粧も上手いし、既に中身は女だった?

④スパで日高が彩子に言った「だからあなただったんですか…」という言葉の意味は?

⑤日高は久米正彦に何をしたのか?

⑥十和田は本当に自殺したのか?

⑦アメリカで起きた事件も日高の仕業だったのか?

今後の展開も楽しみで、日曜の夜が待ち遠しい。