2021年10月30日土曜日

「最愛」第3話のあらすじと感想

 自分のしたことに気づいてしまった優…


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。


3話は真田グループの法務弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の言葉で始まる。彼の『最愛』のものは家族?

"人に求めてはいけない。求めなければ、誰かを憎むことも蔑むこともない。それが生きていく上で一番大事なことだ。そう教えてくれた父と母は、早くにこの世を去った。社会に出て、真田家という家族を得た。ある日、真田家に一人の娘が加わった。逃げ場を失い、迷い込んできたかのようだった。弟は15歳の時、彼女の前から姿を消した…"


2021年…

友達として話したいと言う大輝を、馴染みの店に連れて行く梨央。「大ちゃんも何か食べる?」…昔馴染みの会話が始まる。

「優、どうしてる?」「元気でやっているみたい。」「あいつ今、東京?」「ううん、月に一回は連絡くれるんだけどね…何してるんだろう…」

社長と刑事の建前を外して話したかったと大輝。

被害者・渡辺昭(酒向芳)が何度も寮や大学の前に来ていたことを話し「あの時助けになれていたら、あの人は殺されずに済んだのかもしれない…」

前回、誤魔化すようなことを言ったことを謝り、今日はちゃんと話すと梨央。警察に秘密にしておきたいことは何もないからと言う。

康介(浅井大智)の遺体の近くにあったお守りについては、入試の時に大輝から貰った物に似ていると思ったと。ただ貰ったその日に失くしてしまい、寮の中を探したが、見つからなかった。昭とは8月3日に芝池公園でも会ったが、ただ話をしただけで、何もしていない。自分は殺していないと話す。


やっと梨央と電話が繋がった加瀬は、馴染みの店へと向かう。その時、情報屋の男(高橋文哉)の自転車とぶつかるが…反応しないということは、優では無いのか?それともかったの気づかないだけ?

警察が来たら連絡すると約束したことを責める加瀬。梨央の表情から、想定問答通りに答えていないことに気づき、頭を抱える。…でもどこか楽しそう。


署の前で待機していたフリーライターの橘しおり(田中みな実)に、昭と康介の事件の関連性について尋ねられる大輝。何も答えず、捜査本部へ戻る。

バディの桑田仁美(佐久間由衣)から、事件当日の梨央の行動について説明を受ける。0時9分、公園に到着。車を降り、昭と会う。息子の康介について聞かれるが、わからないと答え、公園を出てタクシーを拾い、0時42分自宅に到着。本人の供述と矛盾しないこと、タクシーの領収書も確認したと言う大輝。

シロということかと言う仁美に、捜査一課係長の山尾敦(津田健次郎)は、呼び出されて夜中にのこのこ会いに行くのかと疑問をぶつける。会社に来られる方が困ると言っていたと大輝。どんなことでもいいから教えて欲しいと右腕を掴まれ、振りほどいて公園の外に走り出たが、昭は追って来なかった…。

梨央に接触しようとした不審車両について、持ち主が判明した。前科前歴は無かった。

仁美は、70歳とはいえ身長180センチ以上ある昭を、30代の女性が首を絞めるのは難しいので、梨央は犯人ではないと考えていた。だが…まだ犯人ではないと言い切れないと大輝。話したくないことがあって、そこを避けているように感じたと。個人的なことなのか、会社のことなのかはわからない…。

昭の宿泊先の防犯カメラに5百万が入っていた青い封筒を持つ姿が映っていた。事件前日の16時03分。外出して15分程で戻って来たので、宿泊先ホテルから徒歩圏内で入手したと推察される。


梨央は真田の豪邸を出て、女社長には似つかわしくない質素な部屋で一人暮らしをしていた。秘書から、事業説明会開催に対して脅迫メールが届いたと連絡が入る…

説明会を中止しようという後藤。秘書は警察に届けようと言うが、その必要はないと梨央。新薬の臨床試験が順調だということを発表しないと、期待値が下がるからだ。

更に昭の事件と関係があるのではと疑念をぶつける後藤。梨央は調べれば自分

が事件に関係ないことがわかる筈だと、堂々と応える。「直ぐに嫌疑が晴れるといいのですが…」不敵な笑みを見せ、部屋を出て行く後藤…


捜査本部では、康介の事件が昭と梨央の接点だと考えるが、関係者リストに梨央の名前は無い。梨央の口座にも5百万の取引履歴は無かった…。なぜ梨央が真夜中の公園に被害者に会いに行ったのか、そこが鍵だと山尾は言う。

捜査資料を読んだ仁美は、被害者が19人にも及ぶ康介の事件に激怒していた。薬物のせいで暴行を受けた記憶がない者もいれば、記憶があっても周りが顔見知りのような状況で声を挙げられなかった者もいる…「やったことは最低だとしても息子はずっと土の中に居た。自分はここに居ると言いたくても、誰に殺されたのか訴えたくても、何も言えない。父親も息子を探し続けて会えないまま亡くなった。」と大輝。

梨央を乗せたタクシーの運転手に事情を聴きに行く二人。車内の映像を見た大輝は、梨央が泣いていることに気づく…


2012年…

『僕は、人を殺した。姉ちゃんが消してくれた記憶を僕は取りもどした。なかった事にはできない』

梨央に宛てた手紙を残し、姿を消した優。懸命に行方を探すが、見つからない。結局、梓が見つけてくれたが、優は会いたくないと言っているという。朝宮優であることも、梨央と姉弟であることも捨てたい、その理由も梨央は知っていると…「どういう訳?…答えられない?」「姉弟の間のことだから…」加瀬は優から預かった絵葉書を渡す。そこには『ごめん、優』とひと言だけ。月に一度は無事を知らせるように言っておいたと梓。「本当に無事なの?優を支えてくれる人は傍にいる?」「心配いらない。だからあなたは、あなたのやるべき事をやりなさい。」

梓が部屋を出た後「私のせいだ。私のせいで優は幸せではなくなった…」泣き崩れる梨央。「幸せじゃなくなったなんて、誰が言えるの?優くんは15歳、本当の人生はまだ始まってない。梨央さんが今、優くんに出来ることは?大学で勉強に打ち込んだのは何の為?薬を創ることも諦める?」諦めないと泣きじゃくる梨央…梨央のせいじゃない。悪いのは全部、康介なのに…。


2021年…

事業説明会の想定問答を梨央に渡す加瀬。新薬が出来たと言ったら、会ってくれるかなと梨央。「どうだろう…優くんと離れ、真田家に残ったことを後悔してる?」「今さら後悔なんて…今でも優に会いたいけど、私は私でやるべき事をやらなきゃね。」「脅迫メールが届いたと聞いた。それでもやるべき事をやる?」「足踏みしている時間はないでしょ。」梨央の覚悟に満足そうに微笑む加瀬…


梨央の秘書に聞き込みをする大輝たち。社長は無実だと答え、立ち去ろうとするが、今回届いた脅迫メールを見せ、内容がハッキリしていて心配だと言う。説明会を中止しなければ、梨央に対して復讐を執行すると書かれていた。二人は密かに梨央を警護する。


説明会当日…出席者の中にフリーライターの橘しおり(田中みな実)の姿もあった。創薬ラボ所長・海野こずえ(峯村リエ)の説明中、控室で待機する梨央。

会場の駐車場で、大輝は先日梨央に接触しようとした不審車を発見する。応援を要請し、会場内を捜索。その頃、車の持ち主は警備員の制服に着替え、梨央の控室へ…。

「説明会は中止にしろとお伝えしましたよね?」復讐される覚えがないのは、酷いことをした側だからだとナイフを向ける男。男の目を盗んで加瀬に発信する梨央。男はここで話はしたくないから、自分と一緒に来て欲しいとナイフを突きつけ、梨央を連れ出す…梨央の手から落ちる携帯。

ただならぬ大輝の様子を目にした加瀬は、梨央の元へ向かう途中で梨央からの電話を受けるが、もちろん無言…。大輝もトイレで服を発見し、その後、下の階へ降りていく梨央と男の姿を見つけ、駐車場へ向かうよう仁美に連絡する。

梨央たちに追いついた加瀬は、男に切りつけられてしまうが、男は駆け付けた大輝に取り押さえられ、マスコミも集まって来る。


「お宅の社長、事件に絡んでます。クロです、クロ。」後藤に連絡する橘。動じない後藤に「あれ、もしかしてもうご存知ですか?」一つ話しておきたいことがあるから時間を作って欲しいという。「損はさせません。詳しいことはメールで送ります。」そして『週刊討論』の編集部を訪ね、『真田ウェルネス』の裏資金の取材予算を増やして欲しいと掛け合う橘。何を企んでいるのだろうか?


加瀬に付き添って病院へ行った梨央の前に現れた大輝は、逮捕された男が『真田ウェルネス』に研究員を引き抜かれ、倒産した会社の社長だったことを伝える。

新薬が承認されるまで、波風を立てずに過ごしたかったと言う梨央に「これは俺の想像だけど、昭さんにも脅迫されてた?…会社を背負う立場だってことはわかる。人に嘘はつきたくないと思っていることもわかる。」「本当に友達として話せたらいいのに…優も居て、お父さんも居て、周りはみんな優しくて、何も怖くなかった…」「ずっとどうしているのか、気になっとった…」見つめ合う二人…。


今回の騒ぎで『真田ウェルネス』の株は下がり、会社にも問い合わせが殺到していた。

橘から週刊誌の記事のゲラを受け取った後藤は「会社の評判を下げろと言った覚えはない。」「専務さんは社長の弱みを知りたいだけでしょ?会社と社長は一心同体だから、色々埃が出て来ちゃうんですよ。」記事を外に出さない方法があるという。

梨央も加瀬からゲラを見せられていた…記事は梨央と渡辺親子との関係を疑う内容で、真田グループの役員にも送りつけられていた。


そして捜査本部では…昭の宿泊先のホテル付近の喫茶店から、青い封筒を手にして出て来る昭の映像が確認された。店員の話から、殆ど会話はせず、お金だけ受け取っていたことがわかる。事前に話がついていたということだ。昭に続いて店から出て来たのは情報屋の男…。大輝は公園内の防犯カメラに映っていた32名の一人だと気づく…!


その頃…監視カメラで社長室の梨央の様子を見て、少し微笑む情報屋の姿があった。優しい表情に見えるので、やはり優なのか??


優がなぜ梨央の前から姿を消したのかがわかった。ただ本人の意思だったのかは何とも言えない。梨央のことを考えた家族に何か言われたのかもしれない。もしかして優の世話をしていたのは後藤だったとか?

そして、康介を殺したのは本当に優なのか?

昭の事件も、公園の防犯カメラに映っていた人物のことを考えると、犯人は優?何となく違う気がする…

昭が受け取った5百万は何だったのか?誰かを脅迫していたのか?だとすると、誰を?

予告編の鼻血を流すミッチーが気になる。彼に一体何があったのか!?



「最愛」第2話のあらすじと感想

 悲しい事実が発覚…


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

2話は梨央のナレーションで始まる。


任意同行に応じた真田梨央は、会社に訪ねてきた渡辺昭(酒向芳)との関係について尋ねられる。何を言っているのかわからなかったし、以前会ったことがあるかも覚えていないと答える梨央。行方不明だった昭の息子・康介(朝井大智)の遺体が先日発見されたこと、遺体の近くで見つかったお守りと宮崎大輝が梨央に送ったメモの写真を見せても(少し反応したが)わからないの一点張り。何だかしたたかな女性という感じがして、悲しい。

大輝のバディの桑田仁美(佐久間由衣)は、二人が昔の知り合いだったと聞き、驚く。どうしてああいう態度をするのか様子を見ていたという大輝。仁美は何か話したくないことがあるのだろうと言う。

捜査一課長の山尾敦(津田健次郎)は、真田ファミリーの番犬と謳われる法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)の存在を警戒していた。下手に近づくと警察だろうが暴力団だろうが法律で刺してくるから、聞き込みは地味にやるよう指示する。

介護事業を展開する『真田ウェルネス』は3年前に梨央が社長に就任し、創薬事業もスタート。弟・優(柊木陽太)の為に外傷性脳損傷を対象とした新薬を創っていたのだ。


『真田ウェルネス』の専務・後藤信介(及川光博)に雇われた情報屋の男(高橋文哉)は、社長室に仕掛けられた監視カメラの映像を見ていた…。

事情聴取から戻った梨央に加瀬が、大輝と他人のふりをしたのは何かあるのではないかと訊いていた。何もないと答える梨央に、次に警察が接触した時は弁護士を通すようにと釘を刺す。新薬の治験が終わるまでは、騒ぎを起こしたくないと承知する梨央。


"長い道のりだった。15年間私はこの夢に支えられて生きてきた。手に入れたい物は他に無かったし、地位や名誉も要らなかった"


富山県警の藤井隼人刑事(岡山天音)に梨央と会ったことを報告する大輝。康介の死因は不明だが、何かで刺された可能性があること、当日の足取りも掴めていなく、当時の関係者を探すだけでも一苦労だと藤井。


2007年東京…

母・梓(薬師丸ひろ子)、兄・政信(奥野瑛太)、加瀬と食事をする梨央。この4人は家族だから、隠し事は無し、悩み事は分け合うと言う梓。梨央は、母と兄が父・朝宮達雄(光石研)の葬儀に来なかったことへの不満を口にする。達雄がずっと政信に会いたがっていたと言うと、政信は、達雄が婿養子になるのも嫌、妻が社長になって格差が出るのも嫌だと逃げ出したと非難し、席を立つ。本当は達雄と暮らしたかったので梨央に嫉妬しているのだと梓。達雄もは二人とも引き取りたかったが、真田家が政信を離さなかったという。「色々あるけど、仲良くやりましょう。」


渡辺康介失踪から7カ月…

大邸宅で一人食事をする梨央…白川郷の寮での賑やかな食卓を思い出していた。政信から見せられた週刊誌で、白山大学陸上部の寮生(長嶋透(金井成大))が乾燥大麻を吸っていたことが発覚し、無期限の活動停止処分になったことを知る。

ニュースでは、事件の中心にいたとみられる大学院生(康介)が行方不明になっていることも報じられた。マスコミから非難のマイクを向けられる昭が映し出される…「私にとっては優しい、真面目な、勿体ないような息子です。親一人、子一人、たった一人の家族です。どうか息子を見つけてください。」ニュースは更に、康介から性的暴行を受けたと被害届が出されたと報じる。被害女性は、食事の途中で凄い眠気に襲われ、知らない内に薬を入れられたのだと思うと話していた。慌ててテレビを消す梨央。そこへ優から電話が入る。

電話に出ようとしたところで、政信に携帯を取り上げられてしまう。自分の立場を考え、犯罪者である陸上部に関わるなというのだ。


梓に、優に会いに行きたいと相談するが、やはり騒ぎが落ち着いてからにするよう窘められてしまう。落胆する梨央を加瀬が食事に誘い、会社の携帯電話を貸してくれる。

梓も政信も梨央が騒ぎに巻き込まれないよう、心配しているのだと加瀬。なぜ二人が世間の目を気にするよう言って来るのかわからないと言う梨央に、不用意に人に本音を見せることの恐ろしさを知っているからだと…

「本音を見せる…家族にもですか?」「家族にも知られたくないことはある…あるの?」「弟には無いです、何も。」「言いたいことがあったら私に話して下さい。この家では私があなたを守ります。」


一方、マスコミは康介の性的暴行について、白山大学へも取材に来ていた。陸上部の女子を探す記者を見て、顔色を変えるマネージャーの青木菜奈(水崎綾女)。大輝はそんな彼女をマスコミから庇い、食事へ…

「怒っとるやろ?私らがやったこと。」「怒る気力もないって感じやわ。」大輝の東京での就職内定は事件のせいで取り消しになったのだ。でも一番悔しいのは陸上部の活動停止だろう…。

警察が康介のパソコンを調べたところ、何人もの女性の裸の写真が保存されていて、その中に自分の写真があったと話す菜奈。周りにも被害にあった人がかなりいたと言う。ふと、あの夜から梨央の様子がおかしくなったこと、手に傷があったことなどを思い返す大輝…。


優に電話をかける梨央。大輝と一緒に居た優は電話を渡す…大輝の声に驚き躊躇うが、陸上部の様子を聞いたり、話し始める。警察官採用試験を受けようと思うという大輝に一瞬言葉を詰まらせるが、お互い頑張ってきたことを無駄にしないよう約束する…「何かあったら何時でも電話しろよ。」と大輝。


"口に出したことは、必ずやり遂げる人だった。誰にも甘えず自分一人で。電話なんかしない。私も必ずやり遂げる"


政信の一番大事にしている物を加瀬から聞き出した梨央は、愛車のハンドルにロック装置を設置し、その鍵と携帯電話の交換を持ちかける。「それから…お父さんの悪口は言わんといて!」

二人のやり取りを見て微笑む梓。梨央の行動力を褒め、卒業したら自分の会社で仕事をしてみないかと誘う。薬を開発する会社で働きたいと言うと「資金なら出せるわよ、あなたの夢に。もうわかっていると思うけど…私、親をやるのが下手なのよね。すぐ会社のことを考えちゃう。でも私と梨央はいいビジネスパートナーになれそうな気がする。」


年が明け、久しぶりに白川郷へ帰る梨央。祖母・長岡恵(茅島成美)から、達雄が梨央の為に貯めたという預金通帳を渡される。

優は、失くした携帯が達雄の荷物から出て来たが、怖い画像が映っていて、見るのを止めたから、代わりに見て欲しいと言う。「俺の前で見んといて。ガチで怖いやつだったら消しといてな。」と部屋を出て行く。

そこに映っていたのは、あの夜の出来事だった…梨央に覆いかぶさる康介に、何をしているのかと優。携帯を取り上げようとする康介に、ペグで抵抗した優は、彼を刺してしまう。血だらけで梨央の上に倒れ込む康介。手には優の携帯が握られていた…そこで動画を消去する梨央。

「どうだった?やっぱり怖いやつだった?俺が撮ったんかな?」何も覚えていないと優。「大丈夫、何も怖くなかったわ。でも消しといた。」そして自分と一緒に東京へ行こうと言う。「一緒におろうよ。姉ちゃんが優のことずっと守るで。」


"二人なら怖くなかった。離れ離れになるなんて思わなかった…5年後、優は失踪した"


2021年東京…

昭の宿泊先がわかり、彼の持ち物を調べに行く大輝と仁美。部屋の金庫から青い封筒に入った5百万が見つかる。昭の口座からの引き出し履歴は無く、旧札の為、すぐに出どころはわからない。


後藤を食事に呼び出した梓は、最近梨央が会ってくれないと話す。創薬事業に忙しくしていると答える後藤。介護事業が本業の筈だと不満げな様子に梓は、介護事業はいずれ先細りになると言う。後期高齢者の人数は10年後には減少し始めるからだ。それでも創薬事業にかかる費用などを挙げ、ビジネスではなくギャンブルだと反論する後藤に梓は「新しいものを創ることって、大体ギャンブルでしょ。それでも誰かがやらなきゃいけないことなのよ。でなきゃ世界は前に進んでいかない。」「それでは梨央さんの未来に」とグラスを掲げる後藤。「私たちの友情にも乾杯しましょ。」…二人は元々は友人だったのか?


夜道を歩く梨央…車に接触しそうになったところを大輝に助けられる。「仕事しに来たんだよね?」と梨央。


梨央を見張るよう指示した部下から、報告を受けた加瀬は会社を飛び出す。梨央に電話をするが、出ない…


その頃捜査本部では…被害者の死亡推定時刻前後1時間以内に、公園内の防犯カメラに映った32名の中に梨央の姿があったことを確認。仁美は大輝に電話をするが、こちらも出ない…


「話、聞きに来たんでしょ?」

「出来れば友達として話したい。秘密は守る。」

"あの頃の私は臆病だった。私と家族の秘密を見透かされそうで怖かった。もうあの頃の私とは違う…"

「何から話す?」


まさか優があの場所に居たとは!優が刺したことで康介は死んだのだろうか?とにかく梨央が無傷だったことがわかってホッとしたが、本当にサイテーな男。それでも父親にとっては良い息子だったのか…。

フリーライターの橘(田中みな実)が、今後どういう動きをするのか、気になる。

そして優はなぜ梨央の元から姿を消したのか?もし情報屋が優だとしたら、梨央を敵視する後藤の手先になっているのか?梨央を守る為?



2021年10月27日水曜日

「最愛」第1話のあらすじと感想

 上質のミステリーになる予感…


ヒット作「アンナチュラル」「MIU」と同じ新井順子プロデューサー&演出家・塚原鮎子コンビの作品ということで、今クール一番期待しているドラマです。1話を見て「Nのために」を思い出しました。とても惹き込まれた作品でしたが、やはりこのコンビが手掛けていたのですね。


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。


"その人をいつ好きになったのか覚えていない。笑い声が聞こえるとついそっちを見てしまう。話せた日は嬉しい。別の誰かと仲良くしていると気になって仕方ない。会えない日はつまらない。二人になれた時はこのままでいたいと願ってしまう。気づいた時にはもう、この世でたった一人の特別な人になっている。もし遠くへ行ったとしても、そばには居られないとしても、その人が胸の中から消え去ることはない。彼女の名前は真田梨央。その名が世間を騒がせる前の彼女の話をしようと思う"

大輝のナレーションで始まる1話は、2021年、右手を血に染めた真田梨央が連行されるシーンから15年前へと遡る。


2006年、岐阜県白川郷。梨央は白山大学陸上部男子寮の寮夫として働く父・朝宮達雄(光石研)を助け、弟の優(柊木陽太)の面倒もよくみる高校3年生。東京の大学の薬学部への進学を目指していた。陸上部のエース・宮崎大輝に想いを寄せているが、大輝も梨央が合格したら告白をしようと決めていた。


そして…白山大学が全国大学対抗駅伝東海地区選考会で優勝した夜、事件が起こる…

姉の結婚式に出席する大輝は、合格祈願のお守りを梨央に渡し、東京へ向かう。用事があり出かけて行く達雄の代わりに優を病院に連れて行く梨央。幼い頃、梨央が目を離した隙にすべり台から落ちて頭を打った優は、興奮すると記憶が飛んでしまうという後遺症を抱えていた。

殆どの寮生が優勝を祝う為、外に飲みに行ってしまう中、食堂で夕食を済ませる梨央と優。そこへ寮生ではない渡辺康介(浅井大智)が訪ねて来る。

梨央が名前と面会する相手を書くように言っても無視して、寮の中へ消えて行く康介。その後、女子学生も裏口から侵入し、薬物パーティが始まる…

食堂で勉強をしていた梨央は、大輝からもらったお守りの中に「必勝合格!百戦百勝!」と書かれたメモを見つけ、思わず微笑む。

そこへ康介が現れ、あれこれと梨央に話しかけてきたかと思えば、隙を見てシチューに何か混入。何も知らずに飲み干した梨央が「帰ります。おやすみなさい。」と言った後、タイトルバックに変わり、バタンと倒れる音が…


そして…自分の部屋で目覚める梨央。隣には優が眠っていた。時計を見ると午前4時を過ぎていた。左手首に擦り傷と打撲の痕を見つけ、驚く梨央。そこへ疲労困憊した達雄が帰って来る。梨央を見て驚き「何ともないのか?大丈夫なのか?…ごめんな、お父さんがもう少し早く帰っていれば…」食堂で勉強していて、気づいたら布団で寝ていたと言う梨央に「覚えてないのか?」と達雄。

震える達雄の為にお風呂を沸かした梨央は、洗濯機が回っていることに気づく。そこには血の付いた服があった。

達雄に昨日着ていた服がどこにあるか聞いてみるが、知らないと言う。ポケットに大輝から貰ったお守りが入っていたのだ。続けて昨夜何かあったのか尋ねても、ちょっとしたトラブルがあったが、試験のことだけ考えていろと何も話してくれない。

寮に寄ってお守りを探す梨央は、床に血痕があるのに気づくが…結局不安を抱えたまま達雄に見送られ、試験を受ける為に東京へと向かう…


翌日…学校から帰った優は、寮で亡くなっている達雄を見つけ、悲鳴をあげる。くも膜下出血による突然死だった。


渡辺康介失踪から10日目…寮に康介の父・昭(酒向芳)が、息子の姿を見なかったと訪ねて来る。寮に来たが、直ぐに帰ると言い出したからわからないと答える長嶋(金井成大)。高城(菅原健)が先ず警察に相談するべきだと宥め、捜索が始まる…


遺影にする写真を選ぼうとして、優の携帯があの夜から見つからないことを知る梨央。仕方なくアルバムを探していると、黒いビニール袋を見つける。中には血の付いた自分の服が!あの夜の記憶が断片的に蘇る…「怖くないよ、朝になったら全部忘れとるわ。」康介に引きずられ、運ばれる梨央。割れる電球。飛び散った血…。取り返しのつかないことをしたのではないかと不安になった梨央はその服を燃やす。


達雄の葬儀の日。梨央の母・真田梓(薬師丸ひろ子)の代理として法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)が弔問に訪れる。梓は達雄の元妻で、優はその後再婚した秋子との間に出来た子どもだった。優は初めて梨央と母親が違うことを知る。

秋子の母で優の祖母にあたる長岡恵(茅島成美)は、東京の大学へ行くことを諦めようとする梨央に、後で後悔しないよう、よく考えることを勧める。梨央が東京へ行くことに反対していた優も、達雄の言葉を思い出し、賛成してくれる。大学に行ったら、いっぱい勉強して優の為に薬を作ると約束する梨央。


その夜…大輝が梨央を訪ねて来る。気まずい雰囲気の中「俺、梨央が好きやよ。」と気持ちを伝える大輝。悲し気に笑う梨央は抱きしめられ、泣き出してしまう。大輝の背に腕を回そうとし、手首の痣を見て引っ込める梨央…切ない。


全国大学駅伝の日がやってくる。その日は梨央が東京へ旅立つ日でもあった。


迎えに来た加瀬と車に乗り込んだ梨央はラジオで駅伝の中継を聞く。大輝が走る姿が見える場所に来たところで、車を降りる梨央。襷を渡す姿を見届け、車に戻って行く。その姿を見つけた梨央の友達が、大輝に今日東京へ行ってしまうことを伝える。慌てて追いかける大輝だが、車は既に走り出していた…


梓は不動産やホテル事業を次々と成功させた『真田ホールディングス』のやり手女社長。達雄と離婚する時に梨央の兄・政信(奥野瑛太)を引き取り、一緒に暮らしていた。久しぶりに再会した政信は梨央に冷たく、感じの悪い嫌な奴。これから3人での新しい暮らしが始まるのだが、大丈夫だろうか?


"もう会えないんだとわかるまで、少し時間がかかった。メールも電話も返事が来なくなって、今どうしているのかもわからなくなった。再び梨央に会えたのはずっと先。15年も後のことだった…"


大輝のナレーションが流れ、2021年…世田谷区の公園の池から渡辺昭の遺体が見つかる。


警視庁捜査一課の刑事になった大輝は、陸上部の仲間で富山県警の刑事となった藤井隼人(岡山天音)に昭の事件を伝え、少し前にやはり遺体で発見された康介の資料を送るよう依頼する。


池の周りに争ったような足跡痕が複数見つかり、捜査本部は何者かに頸部を掴まれ、池に落とされ殺害されたと考えていた。犯行時刻は8月3日の深夜11時~1時の可能性が高い。大輝は駒沢署の刑事・桑田仁美(佐久間由衣)とペアを組み、昭が所持していた印刷物の『真田ウェルネス』との関係性を洗い出すことに。


大輝たちが『真田ウェルネス』を訪ねた頃、駐車場では専務の後藤信介(及川光博)が、フリーライターの橘しおり(田中みな実)に社長のスケジュールを渡していた。因みに8月3日は夜8時から『PMDA大木室長訪問』となっている。橘は警備員に取り押さえられた昭の写真を後藤に見せるが(後ろに写っているのは梨央のようだ)見覚えのない男だと言う。


橘と別れた後藤は次に情報屋と思われる青年(高橋文哉)にその写真を渡し、早急に関係を詳しく調べるよう依頼する。「真田梨央の件はもっと調べますか?」と情報屋。「潰すまでやりますよ。」…梨央のことを快く思っていないようだ。


一方、大輝たちは警備員の話から、昭は5時間ほど入り口に居座っていたが、社内の人間と接触したのは1回だけだったことを知る。防犯カメラの映像で女性に「あんた寮におった女の子やな?」そう声をかけていた。その女性はここの社長だという。

丁度藤井から康介の資料が送られて来る…遺留品の中にはお守りと大輝が書いたメモがあった。


外出から戻った社長は、やはり梨央だった。自己紹介する大輝に「宮崎さん…真田梨央です。はじめまして。」と挨拶する梨央。昭が遺体で発見されたと聞き少し驚くが、署で話を聞かせてもらいたいと言われ「わかりました、伺います。」と微笑む。


"15年ぶりに見る彼女は昔と違っていた。その笑顔も立場も俺を見る目も、何もかもが違っていた…"


梨央に落ち度はないのに本当に気の毒な話。あんなことが無ければ、二人は東京で幸せな日々を送っていただろうに。せめて救いのある最後にして欲しい。

①渡辺康介を埋めた?のは達雄だと思うが、康介は既に亡くなっていたのか?だとしたら殺したのは誰?

②優の携帯はいつ、どこで失くしたのか?

③達雄が亡くなった夜に訪ねて来たのは藤井?梨央と話したのか?

④渡辺昭はなぜ『真田ウェルネス』を訪ねたのか?

⑤情報屋は優?