2021年10月27日水曜日

「最愛」第1話のあらすじと感想

 上質のミステリーになる予感…


ヒット作「アンナチュラル」「MIU」と同じ新井順子プロデューサー&演出家・塚原鮎子コンビの作品ということで、今クール一番期待しているドラマです。1話を見て「Nのために」を思い出しました。とても惹き込まれた作品でしたが、やはりこのコンビが手掛けていたのですね。


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。


"その人をいつ好きになったのか覚えていない。笑い声が聞こえるとついそっちを見てしまう。話せた日は嬉しい。別の誰かと仲良くしていると気になって仕方ない。会えない日はつまらない。二人になれた時はこのままでいたいと願ってしまう。気づいた時にはもう、この世でたった一人の特別な人になっている。もし遠くへ行ったとしても、そばには居られないとしても、その人が胸の中から消え去ることはない。彼女の名前は真田梨央。その名が世間を騒がせる前の彼女の話をしようと思う"

大輝のナレーションで始まる1話は、2021年、右手を血に染めた真田梨央が連行されるシーンから15年前へと遡る。


2006年、岐阜県白川郷。梨央は白山大学陸上部男子寮の寮夫として働く父・朝宮達雄(光石研)を助け、弟の優(柊木陽太)の面倒もよくみる高校3年生。東京の大学の薬学部への進学を目指していた。陸上部のエース・宮崎大輝に想いを寄せているが、大輝も梨央が合格したら告白をしようと決めていた。


そして…白山大学が全国大学対抗駅伝東海地区選考会で優勝した夜、事件が起こる…

姉の結婚式に出席する大輝は、合格祈願のお守りを梨央に渡し、東京へ向かう。用事があり出かけて行く達雄の代わりに優を病院に連れて行く梨央。幼い頃、梨央が目を離した隙にすべり台から落ちて頭を打った優は、興奮すると記憶が飛んでしまうという後遺症を抱えていた。

殆どの寮生が優勝を祝う為、外に飲みに行ってしまう中、食堂で夕食を済ませる梨央と優。そこへ寮生ではない渡辺康介(浅井大智)が訪ねて来る。

梨央が名前と面会する相手を書くように言っても無視して、寮の中へ消えて行く康介。その後、女子学生も裏口から侵入し、薬物パーティが始まる…

食堂で勉強をしていた梨央は、大輝からもらったお守りの中に「必勝合格!百戦百勝!」と書かれたメモを見つけ、思わず微笑む。

そこへ康介が現れ、あれこれと梨央に話しかけてきたかと思えば、隙を見てシチューに何か混入。何も知らずに飲み干した梨央が「帰ります。おやすみなさい。」と言った後、タイトルバックに変わり、バタンと倒れる音が…


そして…自分の部屋で目覚める梨央。隣には優が眠っていた。時計を見ると午前4時を過ぎていた。左手首に擦り傷と打撲の痕を見つけ、驚く梨央。そこへ疲労困憊した達雄が帰って来る。梨央を見て驚き「何ともないのか?大丈夫なのか?…ごめんな、お父さんがもう少し早く帰っていれば…」食堂で勉強していて、気づいたら布団で寝ていたと言う梨央に「覚えてないのか?」と達雄。

震える達雄の為にお風呂を沸かした梨央は、洗濯機が回っていることに気づく。そこには血の付いた服があった。

達雄に昨日着ていた服がどこにあるか聞いてみるが、知らないと言う。ポケットに大輝から貰ったお守りが入っていたのだ。続けて昨夜何かあったのか尋ねても、ちょっとしたトラブルがあったが、試験のことだけ考えていろと何も話してくれない。

寮に寄ってお守りを探す梨央は、床に血痕があるのに気づくが…結局不安を抱えたまま達雄に見送られ、試験を受ける為に東京へと向かう…


翌日…学校から帰った優は、寮で亡くなっている達雄を見つけ、悲鳴をあげる。くも膜下出血による突然死だった。


渡辺康介失踪から10日目…寮に康介の父・昭(酒向芳)が、息子の姿を見なかったと訪ねて来る。寮に来たが、直ぐに帰ると言い出したからわからないと答える長嶋(金井成大)。高城(菅原健)が先ず警察に相談するべきだと宥め、捜索が始まる…


遺影にする写真を選ぼうとして、優の携帯があの夜から見つからないことを知る梨央。仕方なくアルバムを探していると、黒いビニール袋を見つける。中には血の付いた自分の服が!あの夜の記憶が断片的に蘇る…「怖くないよ、朝になったら全部忘れとるわ。」康介に引きずられ、運ばれる梨央。割れる電球。飛び散った血…。取り返しのつかないことをしたのではないかと不安になった梨央はその服を燃やす。


達雄の葬儀の日。梨央の母・真田梓(薬師丸ひろ子)の代理として法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)が弔問に訪れる。梓は達雄の元妻で、優はその後再婚した秋子との間に出来た子どもだった。優は初めて梨央と母親が違うことを知る。

秋子の母で優の祖母にあたる長岡恵(茅島成美)は、東京の大学へ行くことを諦めようとする梨央に、後で後悔しないよう、よく考えることを勧める。梨央が東京へ行くことに反対していた優も、達雄の言葉を思い出し、賛成してくれる。大学に行ったら、いっぱい勉強して優の為に薬を作ると約束する梨央。


その夜…大輝が梨央を訪ねて来る。気まずい雰囲気の中「俺、梨央が好きやよ。」と気持ちを伝える大輝。悲し気に笑う梨央は抱きしめられ、泣き出してしまう。大輝の背に腕を回そうとし、手首の痣を見て引っ込める梨央…切ない。


全国大学駅伝の日がやってくる。その日は梨央が東京へ旅立つ日でもあった。


迎えに来た加瀬と車に乗り込んだ梨央はラジオで駅伝の中継を聞く。大輝が走る姿が見える場所に来たところで、車を降りる梨央。襷を渡す姿を見届け、車に戻って行く。その姿を見つけた梨央の友達が、大輝に今日東京へ行ってしまうことを伝える。慌てて追いかける大輝だが、車は既に走り出していた…


梓は不動産やホテル事業を次々と成功させた『真田ホールディングス』のやり手女社長。達雄と離婚する時に梨央の兄・政信(奥野瑛太)を引き取り、一緒に暮らしていた。久しぶりに再会した政信は梨央に冷たく、感じの悪い嫌な奴。これから3人での新しい暮らしが始まるのだが、大丈夫だろうか?


"もう会えないんだとわかるまで、少し時間がかかった。メールも電話も返事が来なくなって、今どうしているのかもわからなくなった。再び梨央に会えたのはずっと先。15年も後のことだった…"


大輝のナレーションが流れ、2021年…世田谷区の公園の池から渡辺昭の遺体が見つかる。


警視庁捜査一課の刑事になった大輝は、陸上部の仲間で富山県警の刑事となった藤井隼人(岡山天音)に昭の事件を伝え、少し前にやはり遺体で発見された康介の資料を送るよう依頼する。


池の周りに争ったような足跡痕が複数見つかり、捜査本部は何者かに頸部を掴まれ、池に落とされ殺害されたと考えていた。犯行時刻は8月3日の深夜11時~1時の可能性が高い。大輝は駒沢署の刑事・桑田仁美(佐久間由衣)とペアを組み、昭が所持していた印刷物の『真田ウェルネス』との関係性を洗い出すことに。


大輝たちが『真田ウェルネス』を訪ねた頃、駐車場では専務の後藤信介(及川光博)が、フリーライターの橘しおり(田中みな実)に社長のスケジュールを渡していた。因みに8月3日は夜8時から『PMDA大木室長訪問』となっている。橘は警備員に取り押さえられた昭の写真を後藤に見せるが(後ろに写っているのは梨央のようだ)見覚えのない男だと言う。


橘と別れた後藤は次に情報屋と思われる青年(高橋文哉)にその写真を渡し、早急に関係を詳しく調べるよう依頼する。「真田梨央の件はもっと調べますか?」と情報屋。「潰すまでやりますよ。」…梨央のことを快く思っていないようだ。


一方、大輝たちは警備員の話から、昭は5時間ほど入り口に居座っていたが、社内の人間と接触したのは1回だけだったことを知る。防犯カメラの映像で女性に「あんた寮におった女の子やな?」そう声をかけていた。その女性はここの社長だという。

丁度藤井から康介の資料が送られて来る…遺留品の中にはお守りと大輝が書いたメモがあった。


外出から戻った社長は、やはり梨央だった。自己紹介する大輝に「宮崎さん…真田梨央です。はじめまして。」と挨拶する梨央。昭が遺体で発見されたと聞き少し驚くが、署で話を聞かせてもらいたいと言われ「わかりました、伺います。」と微笑む。


"15年ぶりに見る彼女は昔と違っていた。その笑顔も立場も俺を見る目も、何もかもが違っていた…"


梨央に落ち度はないのに本当に気の毒な話。あんなことが無ければ、二人は東京で幸せな日々を送っていただろうに。せめて救いのある最後にして欲しい。

①渡辺康介を埋めた?のは達雄だと思うが、康介は既に亡くなっていたのか?だとしたら殺したのは誰?

②優の携帯はいつ、どこで失くしたのか?

③達雄が亡くなった夜に訪ねて来たのは藤井?梨央と話したのか?

④渡辺昭はなぜ『真田ウェルネス』を訪ねたのか?

⑤情報屋は優?






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