2021年3月6日土曜日

「天国と地獄~サイコな2人~」あらすじと謎

 今クール一番ハマっているドラマ「天国と地獄」(日曜午後9時 TBS)


努力家で正義感の強い警視庁捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるか)と表向きは研究者でやり手の経営者だが実はサイコパスな殺人鬼かもしれない日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまうというストーリー。とにかく入れ替わってからの主演二人の演技が素晴らしい!

「JIN‐仁‐」「義母と娘のブルース」など多くのヒット作を生み出した森下佳子のオリジナル脚本。おそらくあと3話で最終回を迎えると思う。そこで、今までの大まかなストーリーと謎について書いてみました。


1話のストーリー

「今宵は新月ー 月は無いー 世界が生まれ変わる夜」

「大好きなんだろう、金が」

「大好きな金を食らい死んでいくお前は幸せ者だ」


日高の声が漫画の台詞を語ると同時に、何者かが漫画と同じように、死体の口の中にお金ではなくパチンコ玉を詰めていく…。凶器と思われる丸い石を拾い上げるが、犯人の顔はわからない。


そしてパチンコ店経営者・田所仁志の撲殺死体が自宅で発見される。

バディの八巻(溝端淳平)と最初に駆け付けた彩子は、パチンコ玉を口に詰められた遺体という猟奇的な殺人現場にも関わらず、拭き掃除をされた後のような清涼感に違和感を覚える。

一方、主任刑事・河原(北村一輝)は、遺体の手の平に残された『φ』に着目し、3年前神奈川で起きた官僚殺しとの関連を疑う。

遺体の口には破いた六法全書が詰め込まれ、手の平に同じマークが残されていたのだ。しかも犯人は未だ捕まっていない…


彩子は同居人で日雇いの清掃員をしている渡辺陸(柄本佑)から、匂いのしない洗浄剤の存在を知り、製造元であるコ・アース社に辿り着く。社長の日高は数日前に電車内で彩子にマスクをくれた男性だった。

被害者が一人暮らしであることを知っていた日高に疑いを持った彩子が、犯行時刻のアリバイを尋ねると、その時間は散歩をしていたと言う。


管理官・五十嵐(野間口徹)へ報告する彩子。それを聞いた河原も日高に疑いを持ち、アリバイ確認を始め、犯行時刻に自宅マンション近くからタクシーで現場方面へ向かったことを突きとめる。

彩子も犯行後と思われる日高が、現場付近から自宅近くまでシェアバイクを借りたことを確認。

更にアメリカの研究室で日高と同僚だった九十九(中尾明慶)からの情報で、日高がアメリカ時代にも連続殺人の疑いをかけられていたことがわかり、捜査一課は日高を容疑者として取り調べることを決定。

その夜…たまたま残っていた彩子と八巻は、鑑識の新田(林泰文)から、パチンコ玉からカーキ色の皮手袋の組織片が発見されたと聞き、日高の元へ向かう。

歩道橋の上で日高を見つけた彩子は、明日、日高に捜索令状がおりることを告げ、自首を促すが、証拠の皮手袋を歩道橋の上から捨てられてしまう。手袋はトラックの屋根の上に…

立ち去る日高に不法投棄を理由に手錠を掛けようとするが、バランスを崩し、二人は歩道橋から転げ落ちてしまう。


病院で目覚めた時には、何と二人の身体と心は入れ替わっていた!

動揺する彩子に対して、「どこまでツイてるんですかね、私は」と冷静な日高。だが八巻は彩子<中身は日高>を見て違和感を抱く。

(ここから<>内を魂とする)

彩子は、日高の持ち物から、凶器と思われる血痕のついた丸い石を見つけるが、そこへ日高が入って来て…このまま連続殺人犯として捕まるか、すべて自分の言う通りにするかを迫られる。


1話で、何者かが犯行時に使用したと思われる血の付いた防護服などを燃やすシーンがある。その時に日高が持っていた凶器の石も映るが、顔がハッキリしない。

そして気になるのが…

①何度となく月を見上げる日高の姿。

②彩子<日高>が八巻に語った太陽と月の入れ替わり伝説。

③ドラマの最初のシーンとなる彩子の夢。(海岸に立つ彩子が凶器に似た丸い石で見知らぬ男性に殴られそうになる)

④陸のバイトの先輩・湯浅(迫田孝也)。不必要なシーンに見える所が気になる。漫画の主人公も清掃員だし、何か関係が?

⑤日高がアメリカで親しい男性と犯したといわれる連続強姦殺人事件。共犯者は失踪、日高も証拠不十分で起訴に至らずその後司法の手から逃れるように帰国。被害者は若い3人の女性。今回の事件と性質が異なり、日高犯人説に違和感を感じる。


2話のストーリー

日高から、このまま容疑者として取り調べを受け、一生塀の中で過ごすか、自分と協力して容疑を晴らし、無罪放免になる道を選ぶかと迫られ、協力すると答える彩子だが、彼の『容疑を晴らす』という言葉に引っ掛かる。

最初のミッションは朝8時から始まる家宅捜索と取り調べを乗り切ること。日高は洗面台の下にある段ボールの中身を全て持ち出すよう指示する。そして二人のスマホから見られたくない情報をお互いに消去するが、その際に彩子はロケーション履歴を現在地からオンにして日高に渡すのだった。

段ボールの中には犯行現場に残された洗剤の成分と同じコ・アース社のサンプルQ、『暗闇の清掃人∅』というタイトルの漫画、神奈川での官僚殺しの遺体の写真、『日高はるとさま』と書かれた封筒、奄美大島行のチケットの半券、田所仁志の名も記されたリスト…連続殺人事件の証拠となり得るものばかりが入っていた。


河原の事情聴取を受ける日高<彩子>。確たる証拠も出ず、日高の秘書・樹里(中村ゆり)が弁護士を連れて来たことで釈放される。

一方、八巻たち捜査員はいつもノーメイクだった彩子<日高>が化粧をしたり、言葉遣いや言動も今までと違うことを指摘するが、路線変更をしたのだと涼しい顔で返されていた。

密かに受け取った証拠品をコインロッカーに隠し、帰宅する彩子<日高>。そして何も知らない陸と食卓を囲むが「何か彩子ちゃん、今日は天使みたいなんだけど」と全く気付かない。そればかりか、彩子<日高>に誘われ、男女の関係に…。


捜査会議で社内及び研究所から押収したサンプルQは全て未開封だったこと、記録された在庫数とも一致していること、パチンコ玉から検出された皮革組織も日高の皮手袋の中からは発見されなかったことが報告される。家宅捜索で有力な証拠は見つからなかったのだ。アリバイに疑わしい点はあるが、捜査の主筋を切り替えると発表する。もちろん日高を容疑者から完全に外すわけではない。

皮手袋のことを報告しなくていいのかと八巻。トラックの運転手に問い合わせたが見つからなかったという。岩手までの走行中にどこかで落ちたのだ。そんなことを報告したら大目玉をくらうことになるから、あの夜日高には会えなかったことで通すのがいいと彩子<日高>に諭される。

二人の会話を偶然立ち聞きしていた河原…。河原の存在に気づいた八巻が「今の聞いていましたかね、セク原」と言うと、「立ち聞きは別にセクハラではないでしょう」と彩子<日高>。セクハラは河原のあだ名なのに…。そして彩子<日高>が耳たぶを擦る姿を見て、「そんな癖もありましたっけ…」と不審に思う。


日高から手袋の存在を河原に知られたと、報告の電話を受けた彩子は、思わず彼を責めてしまう。「なんで犯行に使った手袋を後生大事に使っているのよ、バカじゃないの?」その言葉に気分を害した日高は電話を切ってしまう。彩子<日高>の冷たい表情が恐い…


陸からロケーション履歴の確認の仕方を訊かれた彩子<日高>は、自分の履歴が入れ替わった夜の病院から有ることに気づく。

そこへ同じ場所から同じように転げ落ちれば元に戻ると考えた日高<彩子>から呼び出しの電話があり、なぜか彩子の好物だというナッツを持って出て行く彩子<日高>…

二人が入れ替わった歩道橋から、あの時のように転げ落ちることは出来たが、結果は何も変わらなかった。

「ね、戻れないでしょ?こんなことしたって。」と日高。「もしかして知ってるの?どうやったら入れ替われるのか…」と彩子。だが、日高は知らないと答える。


日高からも話があるということで彼の部屋へ移動する二人。日高は彩子の部屋から持って来たナッツを皿にあけ、お酒を作る。そしてロケーション履歴があの病院からしかないことの理由について尋ねる。戻った時の為に、行ったお店などを共有できると思ったと答える彩子だが、証拠を集める目的であることはバレていた。好物のナッツをつまみながら話していた彩子は、体の異変を感じる。日高は重度のナッツアレルギーだったのだ!

「私にとって最善の道は、あなたには自殺してもらうことだと思うんですよ。こんな手段を使って裏をかくような人とは信頼関係なんて築けませんし、そんな人の為に汗をかくほどお人好しでもありません。あなたにはスッキリと死んでもらって、私はあなたとして生きていく。これが最善だと思い至りました。」

日高は遺書を作成し始めるが、どうにか非常ボタンに辿り着いた彩子は「押すわよ!こういうマンションて直ぐ人が来るんでしょ?自殺に見せかける暇なんかないから!私も終わりだけど、あんたも終わるからね!薬はどこ?出しなさい!」


「逞しいですねー、なかなか。」また歩道橋の上で月を見上げる彩子<日高>

日高<彩子>は一人部屋を片付けていた…"思い知らされた、立場の違いを。日高には私を殺すことなんて簡単なのだ"日高が自分の人生に執着がないことに絶望し、泣いているとインターフォンが鳴る…八巻だった。

確認したいことがあると言い「望月警官の職員番号って知ってます?いいから答えて下さい。言えますか?二人で使っていた河原さんのあだ名は?」次々と二人しか知らないことを尋ね、正確に答える日高<彩子>に「信じられないけど、信じるしかないですね。望月さんは日高と入れ替わったんですよね?」「お手柄だよ、八巻。今までで一番お手柄だよ。」

太陽と月が入れ替わった伝説があると日高から聞いたことを話す八巻。彩子は奄美大島のチケットの半券を思い出す…


その頃、小学生が通りに落ちていた日高のものらしい皮手袋を拾う…


2話で気になったのは…

①凶器と思われる石を何故捨てなかったかと訊かれ、「証拠なんて隠滅した方がいいとはわかっているけれど、どうしても捨てられない、取っておきたくなる」と答える日高。証拠品も揃っているし、やはり犯人なのか?

②日高は化粧にも慣れていて、陸も誘惑。男なのに何故?

1話ではいつもイライラしていた彩子だが、入れ替わってからの日高<彩子>は、とても可愛い。コ・アース社でいつもの癖で女子トイレに入ってしまい、悲鳴をあげられた時の慌てぶりも可笑しかった。


3話のストーリー

奄美大島に伝わる伝説とは…二つの星が、シヤカナローの花が咲いた方が太陽になり、もう一方は月になるという約束をした。でも月になる星が花を盗んだ為に、月は太陽に、太陽は月になり、二つの星の運命は入れ替わってしまったというものだった。

彩子は奄美大島に行き、シヤカナローの花を手に入れることを思いつくが、日高の皮手袋を警察より先に押さえることの方が重要だった。そうすれば捕まらないし、元に戻った時に日高を逮捕する物証にもなる。皮手袋が見つかったら、こっそりすり替えるよう八巻に指示する。

通勤電車内で手袋のブランドを調べる日高<彩子>に「手袋のすり替えでもするつもりですか?」と声をかける彩子<日高>。抜け目ないところが恐い。その後、樹里からうまくブランドを聞き出し、手に入れることに成功。

河原も日高の手袋がもう一つあったこと、それをトラックの上に落としてしまったことを上層部に報告。捜査本部は日高の手袋の捜索に乗り出す。

押収された手袋をすり替える為、鑑識の手伝いを買って出る八巻。そこには彩子<日高>の姿もあった。9日が経過した頃、日高の手袋が鑑識に届く。すり替えに成功した八巻だったが、左と右を間違えるという重大なミスを犯してしまったことで、彩子<日高>に疑われてしまう…

その夜、彩子<日高>から日高<彩子>に手袋が見つかったと電話が入る…明らかに彩子がすり替えたこと、内部に協力者がいることに気づいている様子。


奄美大島を訪れた日高<彩子>は、凶器に使われた丸い石が取れる海岸へ向かう。そこは以前夢で見た海岸だった。丸い石を手に取る彩子に、持って帰ってはダメだと地元の人が声をかける。昔からここの石を持っていると悪いことが起こる、呪いの石と云われているのだと。

宿で日高の写真を見つけた彩子は、記憶の一部を失ったと偽り、宿主(酒井敏也)からその時の行動を訊きだす。そして日高が訪れた緋美という集落へ行くが、宿主が言う通り廃屋が一軒あるだけの何もない処だった。シヤカナローの花もない。そもそも夏にしか咲かない花だという。


その頃、河原のバディ・幅(谷恭輔)は、彩子<日高>からの情報で日高の手袋を入手する。片方の手袋だけを集めたインスタグラムに投稿されていたのだ。手袋から日高の指紋が検出される。あとは田所氏のDNAが出れば、日高の容疑が確定する。手袋は科捜研に回されるが、何故か彩子<日高>も科捜研へ…。

奄美大島から戻った彩子は八巻から、その報告を受けるが、左右を取り違えている為、もうすり替えることは不可能。日高が何とかしてくれるのではないかと淡い期待を抱く。


その夜、陸橋の上で壁に大きく赤いペンキで描かれた『4』という数字を見つけ、驚く彩子<日高>。「そうですか…終わりじゃなかったんですか…」空を見上げるが、月は出ていない。

彩子の帰りを待つ陸の元へ便利屋の仕事の依頼が入る。そして陸橋に描かれた『4』を消す陸。「何やってんだよ、お前…」振り返ると湯浅が立っていた。

帰宅した日高<彩子>は、バイトが入り、帰りは朝になるという陸の置手紙を見て「ラッキーですね…」と呟く。


翌朝、手袋から田所氏のDNAは不検出だったと八巻から報告を受ける日高<彩子>。バクテリアに分解されていて検出できなかったというのだ。科捜研の人によるとあり得ないことではないらしい。ホッとする彩子だが、八巻は、日高が手伝うふりをしてどこかでバクテリアを混入させたのではないかと言う。化学に精通している日高なら可能かもしれないと。

そして、ホッとしたのも束の間、日高から届いた動画を開いた彩子は凍り付く…


捜査本部でも五十嵐から新たな殺人事件が起きたと報告がある。しかも田所氏と同一犯である可能性が非常に高いというのだ。


送られてきた動画には逆さに吊るされた遺体と彩子<日高>が映っていた。「この人はゴルフ場なんか作って大儲けした人なんで、頭全体をゴルフボールみたいにデコボコにしちゃいたいと思います。」

防護服に身を包み、ゴルフクラブで遺体の頭部を笑いながら何度も打つ彩子<日高>。

「あなたには一応お伝えしておいた方がいいかと思いまして。これでもう元に戻ろうが戻るまいが、あなたも殺人犯。どっちでも同じになっちゃいましたね。あなたは私で、私はあなたです。どうかお忘れなく。」

「何でこんなことするの…何が楽しいの…何が目的なの…」震え泣く彩子。その時、インターフォンが鳴る…

一方、仕事から戻った陸は、ゴミ袋の中に血が付着した防護服を見つけ、ショックを受ける…


3話で気になったのは…

①日高が奄美大島を訪れた理由。

②『4』と描いたのは誰なのか?日高は誰かに命じられて動いているのか?3番目の殺人は日高の犯行なのか?

今度は宿で無意識に女湯に入ってしまう日高<彩子>が可笑しい。そしてカマをかける彩子<日高>に素直に引っ掛かる八巻。日高<彩子>に電話をする時も無防備過ぎて、背後に彩子<日高>が現れるのではないかヒヤヒヤさせられ、心臓に悪い(汗)


4話のストーリー

日高<彩子>を訪ねて来たのは警察だった。再び河原の事情聴取を受けるが、マンションの防犯カメラから、昨夜は外出していないことが判明し、直ぐに解放される。

エレベーターの前で彩子<日高>の胸ぐらを掴む日高<彩子>の姿を目撃した河原は、二人の関係を疑い始める…


第三の被害者は土地開発の元社長・四方忠良。同一犯の可能性が高いのに、微妙な差異によって捜査本部は混乱していた。彩子<日高>は被害者と接点のある人物のデータベース化を買って出るが、その目的は不明。

その後、『φ』のマークのことで公安との席を設けた十久河捜査一課長(吉見一豊)から、記録係を頼まれる彩子<日高>。公安はマークを使っているのは海外の組織だけだという。今はネットで簡単に繋がれる時代だから、日本にも組織の信奉者がいても不思議ではないのではと彩子<日高>。


今回のことで『元に戻って日高を逮捕して、手柄を挙げる』という彩子のプランは、永久に封じられてしまった。「本来極刑に処すべき人間を助ける人生…一体何だったのだろう、これまで警察官として生きてきた私は…」途方に暮れる彩子…


コ・アース社も取引先からの、警察の聞き込みによる苦情対応に追われていた。営業取締役の富樫(馬場徹)と謝罪に向かった日高<彩子>は、正論を吐いて逆に顧客を怒らせてしまう。

事情聴取を受けてからの日高の様子を不審に思う樹里から、何かあるなら言って欲しいと詰め寄られ…階段から落ちて頭を打ってから、記憶が飛んだり、意味が全くわからないことがあると嘘をつく。

すると樹里から事情を聞いた社員たちが、心配して社長室になだれ込み、彼らの言動から日高が慕われていることを知り…彩子は彼の意外な一面に驚く。


科捜研のメンバーが、あのバクテリアが皮手袋に付着していたのはおかしいと、話しているのを耳にした河原。屋外で普通に付くものではないというのだ。

不審に思った河原は、最初に手袋を回収した警察官に、間違いなく左だったことを確認する。手袋をすり替え、更にバクテリアを付着させることが出来たのは、新田、八巻、幅、彩子、そして自分の5人…彩子の仕業ではないかと疑う。


血の付いた防護服のことが気になる陸は、湯浅に相談する。彼女は二重人格で、別の人格が人を殺しているのではないかと湯浅。

帰宅するとエプロン姿の彩子<日高>が夕飯を作っていた。「気が付いたら、人とか犬とか殺していたということ、ない?」思わず訊いてしまった陸は、ゴミ袋の中から血まみれの防護服が出て来たことを話す。それは、鑑識で血痕の飛び散る実験を手伝った時のゴミだと、彩子<日高>は笑い飛ばすが…


バスルームでスマホの名前リストを見ながら呟く彩子<日高>…「田所仁志は2、四方忠良の4、次は何番ですかね…」そして鏡に『∅』と描く。次のターゲットが誰なのか、知らないようだ。


四方氏の自宅前で聞き込みをする河原と幅は、犯行時刻に女性が四方宅に入って行くのを見かけたという目撃者を見つける。しかも彩子の写真を見て、似ていると言う。翌日、実物の彩子を見せるが、正確に顔まではわからないと…。

そこで河原は彩子<日高>に目撃情報を報告。『23時頃、四方さん宅に入って行った女性。背は高め、年齢20代~30代、セミロングにベージュのコート、黒のバッグに蝶のバッグチャームを付けていた。目撃者はグエン・ミンというコンビニで働く外国人留学生。』…心配する八巻をよそに顔色一つ変えず、データを入力する彩子<日高>。


一方、樹里から記憶障害のことを聞いた妹・優菜(岸井ゆきの)から電話があり、食事をする日高<彩子>。そこで日高が富樫や樹里を助けたこと、元々優しい性格だったことを知り、益々日高のことがわからなくなる。

その帰り道、八巻から目撃情報について報告の電話が入る。日高が目撃者を殺害しないか心配だと…。

その時、警察官が道でしゃがみ込む老婆を助ける光景を目にし、「これ見逃したら私じゃないでしょ。もう本当に私、これっぽっちも私じゃなくなるでしょ。」すり替えた手袋を渡すと日高に連絡する。


電話を受けて署を出て行く彩子<日高>を河原は尾行。ホテルのスパに入って行く彩子<日高>。個室には日高<彩子>が待っていた。

手袋を渡す代わりに、もう誰も殺さないと誓ってと彩子。約束しないなら、今すぐあの動画を一課に送ると言う。

そんなことをしたら元に戻るチャンスも失うし、望月彩子も殺人犯になるという日高に「なめんじゃないわよ、私だって警官のはしくれだからね。あんたを野放しにしてこれ以上死体が増えるくらいなら、このままあんたを突き出す。」「その瞬間、あなたも破滅することになりますが」「上等だよ!この際、二人仲良く地獄行きといきましょうよ。それがあるべき世の姿なんだから。」

彩子の覚悟を知った日高は、淋し気に笑うと…「だからあなただったんですか…そうか、だから私はあなたと入れ替わったんですよ。」

八巻から目撃者のことを聞いたのだと悟った日高は、この程度のトラブルで誰かを殺したりはしないと言う。逆に証言に一つだけ正しくない情報があることを彩子に伝える。バッグにチャームが付いていたというが、それは事件後に十久河から貰った物なので、あり得ないと。

「より特定性の高い情報を付け加えて、誰かに反応を見られていると思う。」と彩子。「では敢えてバッチリ私だと証言してもらうことにしましょうか。」何をするのだろう?


翌日、バッグからチャームを外す彩子<日高>…目ざとく気づく河原。

捜査会議で目撃者の面通しが決定する。女性関係者の写真を用意するよう指示された彩子<日高>は、動揺した様子を見せる。

そして面通しが始まる。資料を持って来た彩子<日高>を見て、「この人です、似てます!」と言うグエン。実は事前に河原から、彩子を部屋に寄越すから、彼女だと証言するよう指示されていたのだ。

否定し、動揺する彩子<日高>にアリバイを尋ねる河原…そこへ怒りまくった十久河が入って来て、河原を連れ出す。在留期限が切れることをネタに証言の強要をする河原の動画が送られてきたのだ。

アリバイを聞かれて動揺した様子が気になった五十嵐は、彩子<日高>にアリバイについて尋ねる。自宅に居たから証明のしようがないと思ったからだと答え、更にグエンが目撃したのは絶対に自分ではないと、蝶のチャームのことを話す。


動画を送ったのは日高<彩子>だった。警察を装いグエン氏を訪ね、河原が汚職警官であること、日高の父が経営するサンライズフーズへの就職も斡旋し、彼に動画を撮らせたのだ。

電話で報告し合う日高と彩子。グエンの就職には優菜も動いてくれたようで、妹の様子を心配する日高に驚く。更に捜査本部を外された河原を、かわいそうだと言う日高に「ねえ、どうして人殺しなんかするの?動機は何?どうして田所さんや四方さんだったの?」「動機も理由もないですよ。ただ突然殺したくなるんです。」そんなこと知ってどうするのかと日高。「日高陽斗という人間を知りたいからよ。」それには答えず電話を切る。


日高のことがわからなくなった彩子…"日高は二重人格?それとも何かを隠している?大切な誰かを守る為に人殺しを起こしている?それとも共犯がいる?"


そして…コインロッカーを利用する彩子<日高>を偶然見かける陸…


4話で気になったのは…

①バスルームのシーンで『暗闇の清掃人』の漫画が映る。悪魔のような大きな手が、清掃人に数字が書かれたメモを渡すのだ。日高も誰かの指示を受けていることを示唆している?

②スパの個室に富樫と二人で来たことがあるという日高。やはり女性ではなく、男性に興味があるのか?日高は本当に男性?

③スパで日高が言った「だからあなただったんですか…」という言葉の意味は?

彩子と日高の連携プレーが見事だった。視聴者も日高という人間がわからなくなったと思う。1話から冷静で冷酷な印象だったけれど、妹からも社員からも慕われているし…本当の彼はどんな人物なのだろう…?


5話のストーリー

八巻と別行動をとった彩子<日高>は、ある屋敷を見張っていた…そして足下に落ちていた薬のカラを拾うと「時間がないですね…」と呟く。


彩子<日高>が利用しているコインロッカーが気になる陸は、湯浅に頼んでこっそり合鍵を作り、開けてしまう。その時、ロッカーから彩子<日高>が仕掛けていた付箋が落ちるが、陸は気がつかない。『日高はるとさま』という封筒を見て、日高<彩子>に会いに行く。


同居人の女性のコインロッカーを開けたら、色々謎な物が入っていて、そこに日高宛の手紙が入っていたと、話し出す陸。

動揺した日高<彩子>が、腕組みをした肘を人差し指でトントン叩くのを見て、不審に思う…それは彩子の癖と同じだった。

隠さなくてはいけないことを日高と彩子が二人でやっていると思い、会いに来た陸は「一体お二人で何をやってるんですか?」と尋ねる。どう答えるべきか悩んでいると、樹里から会社が大変なことになっていると電話が入り、「とにかくもう一度連絡します。」と


走り去る日高<彩子>を見て呟く…「何かあの人、彩子ちゃんみたいだな。」


社長の日高が家宅捜索を受けたことや、殺人の容疑がかかっているなど、警察が公表していない情報がSNS上に拡散され、コ・アース社は大変なことになっていた。彩子は日高に連絡をして、警察内部に情報を流した人間がいると伝え、自分は情報を買った奴を調べるから、売った奴を調べてと言う。


捜査本部を外された河原と幅は、大昔の捜査資料のデータベース化作業に回されていた。日高と彩子の接点を見つけようと、神奈川で起きた第一の事件の資料を見直す河原。そこには初動捜査で作られた不審者の似顔絵があった。「こんな目立つ顔、直ぐに見つかりそうですがね…」と幅。

夕食をとる為に入った店で、置いてあった漫画の表紙を見た幅は、似顔絵とそっくりなことに気づき、目撃者がふざけてこのキャラの特徴を言ったという可能性はないかと言い出す。幅の言葉から河原は、証言をした戸田一希が嘘をついているとにらむ。


コインロッカーを開けた彩子<日高>は、付箋が落ちているのに気づき、陸にコインロッカーの鍵を見なかったかと探りを入れる。知らないと答える陸だが、彼の仕業だとバレているように思える。八巻も陸もホントわかりやすい。

陸の便利屋のHPに日高<彩子>から、明日同じ場所で会えないかとメッセージが届く。HPを知っていることに首を傾げる陸。


翌朝、コインロッカーを別の場所に移し替える彩子<日高>。


日高<彩子>が、二人が入れ替わったと話すと、直ぐに信じて納得する陸。日高宛の封筒の中には破いたノートに『明日3時。学校のそばの歩道橋で待ってます。』と書かれていて、子どもの頃にもらったラブレターのような感じがしたと話す。日高<彩子>は陸からコインロッカーの合鍵を受け取り、証拠品を見たことで陸も危ない状況にあるから、今すぐあの部屋を出るようにと言う。


コ・アース社社長の日高に、至急会いたいとバイスター社の財務部門の人間が訪ねて来る。買収の話だったが、SNSで炎上してから1日しか経っていないのに動きが早過ぎないかという富樫。バイスター社がこの叩きを仕掛けた可能性が高いということだ。

その上、日高が反社らしい人物と会っている写真がクライアントに出回っていることが発覚。しかし、写真を見た日高<彩子>は合成写真だと気づく。更に写真の右上に映っている影から、九十九の写真を思い出す。

富樫の話だと、コ・アース社の製品の中に日高と九十九が共同で持っている特許があるから、今回のことは九十九に大きなメリットがあるらしい。

そのことを彩子<日高>に報告すると、彼も九十九の仕業ではないかと考えていたようで、しかも情報漏洩をしたのは八巻ではないかと言う。わざとではなく、情報提供者として協力したいという九十九の言葉に乗せられ、知らず知らずに話していたのだろうと。九十九がギャンブル好きなことから、二人はある作戦をたてる。


彩子<日高>は十久河に日高と反社が写っている写真を見せ、新たな容疑者が浮かび上がって来るかもしれないと言い、組体を動かすことに成功。そして九十九と連絡がつかずオロオロする八巻に、情報漏洩の件、助けてあげるからと協力させる。


一方、戸田一希の勤務先を訪ねた河原たちは、戸田が顧客の個人情報を売買したことがバレて、辞めたことを知る。例の漫画のキャラクターのグッズを持っていたことも判明。


帰宅した彩子<日高>は陸からの、当分帰らないという置手紙を見て「逃げられましたか…ここは壊したくなかったんですけどね…」淋しそうに溜息をつく。

陸は湯浅のアパートにいた。『三枝』と表札が出ていることを尋ねると、自分みたいな人間だと家主が貸してくれないから、別の人の名義で審査だけ通してもらったという。陸がお酒を勧めると断り「俺、余命3カ月のハナモゲラでよ…嘘だよ、胃が荒れてるだけだよ。」と笑う…どこか悪いのだろうか?


『準備は整いました。計画通りに九十九を追い込みましょう。』…彩子<日高>から日高<彩子>にメッセージが届く。


八巻は、日高の逮捕に向けて上が会いたがっているというメッセージを送ったことで、ようやく九十九と会うことに成功する。

八巻と別れた九十九を彩子<日高>が尾行。九十九はコ・アース社に来たバイスター社の男と会い、予想以上に上手くいったと話すのだった。

その後、怪しいビルに入って行くのを見届けた彩子<日高>は、日高<彩子>と合流し、調達させたドレスに着替える。九十九に顔を見られているので、気づかれないようにする為だった。

八巻から連絡を受け、組体も違法カジノの摘発に動く。逃げる九十九に近づいた彩子<日高>は、常習賭博罪で現行犯逮捕すると手錠をかける。九十九が逮捕される様子を写真に撮る日高<彩子>は「やっぱ、いいなー、刑事。」…日高<彩子>を見て微笑む彩子<日高>。妖艶で美しい。



馴染みの店で陸と会う日高<彩子>。陸は彩子<日高>がいる部屋に戻ろうと思うと…彩子に刑事に戻って欲しいから、スパイとして雇わないかというのだ。二人の出会いは…情報提供者から襲われた彩子を、偶然通りかかった陸が助けたのだった。その時「俺はこの人を助ける為に生まれて来たんだ」と思った陸。逃げないし、ビビらない彩子をカッコいいと思っているから、刑事に戻って欲しいし、戻れる手伝いをしたいと話す。「何かあったらどうするのよ…」心配する彩子…


帰宅する彩子<日高>…明かりが点いているのを見て、走り出す。部屋に駆け込み、「陸、戻って来たの?」少し頬を赤らめて、すごく嬉しそうに笑う。陸のことが好きなのだろうか?


日高の子ども時代のアルバムを見た彩子は「一丁、かましてみるか…」と呟く。

翌日…日高との電話で、コ・アース社の社員たちが今回のような目に遭わない為には、殺人容疑を晴らせば済むことではないかと話す。

「私を野放しにする手伝いをして下さると?わが身可愛さといえ、正義の味方のあなたがそこまで宗旨替えして…」「問題ないわよ、だってあなたやってないんだから。」「私じゃなければ誰がやったんですか?」「あの手紙の差し出し主、歩道橋の彼女…でなきゃ、あんな手紙、一切隠す必要ないわよね?」…答えず、空を見上げる彩子<日高>。


その頃、河原は戸田一希(橋本真実)を見つけ、声をかける…


5話で気になったのは…

①湯浅は本当は余命3カ月なのか?彩子<日高>が見つけた薬は彼の物?湯浅の父親は色々と面倒な人で、結局死ぬまで振り回されたという話も気になる。

②日高が監視している家は何?何故、監視している?

九十九を逮捕する為に、ドルチェ&ガッパーナのドレス姿に着替えた綾瀬はるかが、とにかく綺麗だった。


6話のストーリー

"やったのは歩道橋の彼女"と彩子が言った後…「すべては私が握っていることをお忘れなく。」電話を切る日高。「手応えあり、だよね。よし、歩道橋の女だ。」と彩子。

ラブレターのことを樹里や優菜に話すが、二人とも聞いたことがないという。そもそもラブレターなら、破いたノートで出さないから、ラブレターでは無いというのだ。


一方、戸田から事情を聴取する河原と幅。お金の為に情報を売ったこと、その相手が犯人だったら自分も捕まると思い、嘘の証言をしたと話す。その相手とはネット上だけでやり取りをしていて、ニックネームは『∅』というマークだったと。金銭のやり取りをした通帳から『クウシュウゴウ』という名前に辿り着く。


彩子<日高>は、熱が出たので明日は自宅待機をして欲しいと日高<彩子>に電話を入れる。電話の後「これで良し。会えますかねー、明日こそ。」…月を見上げる。


翌朝…彩子<日高>が熱を出して欠勤したので、八巻も自宅待機を命じられる。日高<彩子>に連絡をし、熱が出たというのは嘘だと思うと…九十九から司法取引を持ちかけられたことを話す。

日高が人を殺すのは新月の夜だということに気づいたという九十九。八巻が調べたところ、今までの事件は全て新月の夜。次の新月に日高がまた事件を起こすのではないかという。そして今日が次の新月だと。

「だから僕たちを足止めして、自分も警察にいなくても疑われない為に…」「あいつは今、この瞬間も誰かを殺す準備をしてるかもしれないってこと?」「はい…」GPSで日高の居場所を確認するよう八巻に命じる。

日高の殺人を何としても食い止めなければと考える一方、今日起こること、その一部始終を見届けることが出来れば、一足飛びに謎が解けるのではないかと思う彩子…

そして陸に連絡。日高が検査に行くと出掛けたことを聞き、戻って来たら捕まえておくよう頼むと、日高が持っていた名前リストを手に入れる為、コインロッカーへ向かう。

予想通り、既に別の場所へ移動させていたが、付箋が落ちていることに気づく。夕方までに付箋が挟まったコインロッカーを探すよう陸に依頼する。一人では探しきれない為、湯浅に助けを求める陸。


一方、『クウシュウゴウ』が『十和田元(田口浩正)』だとわかった河原たちは、十和田のアパートへ向かう。


日高が現れる可能性があると考えた彩子は、八巻と共に歩道橋を張り込む…すると一人の男(上杉柊平)が現れ、スプレーで数字を描き始めた。

落書き男は、昨夜池袋で40代くらいのオッサンに声をかけられたという。マスクをして帽子を被っていたから顔は見ていないが、背は日高より少し低く、日が落ちるまでにこの場所に赤で『9』と描くよう頼まれたと…。


その頃…彩子<日高>はここ数日監視していた『久米』という家を訪ねていた。ハウスクリーニングのスタッフと偽り、この家の夫人に近づいた彩子<日高>は、助けてもらったお礼に無料で掃除をすると約束したのだった。そして外から侵入できそうな部屋を見つけ、窓の鍵を開けておき、帰ったと見せかけて再び侵入…


日が落ちても日高が現れないので、もう一度歩道橋に上がってみた彩子は、小型カメラが仕掛けられているのを見つける。これで数字を確認していたのだと気づいたところへ、陸からリストを手に入れたと連絡が入る。

ロッカーに入っていた漫画のことを話す陸…主人公である清掃員の『φ』が、ミスターXからの指令を受けて、法では裁ききれない悪い奴を殺していく話だが、その指令が数字で来るというのだ。陸から送られてきたリストを見て、『久米正彦』の家へ向かう日高<彩子>と八巻。家人が生きていることを確認し、張り込みを始める。

帽子にマスクという男が近づいて来るが、日高<彩子>達の姿を見て、引き返して行く…

そして夫婦が寝静まった頃、クローゼットに隠れていた彩子<日高>が防護服に着替え、寝室に現れる。


もし日高が犯人だったら、どうするのかという八巻に「今回、犯行を止めることが出来なかったら、自首させる。」と答える彩子。「あの人、自首なんかしますかね…」日高から送られてきた動画を見せる…思わず声をあげる八巻。

「日高が私の動きを封じる為に送ってきたんだけど、私が日高として捕まる腹さえくくれば、逆に私があいつを刺すカードになる。そして日高は私がそうするつもりだって知ってる。」「そんなリスクを冒してまでやりますかね、日高…」

結局、そんなことは出来ないと高を括られている気もするし、その位では止めないような理由があるような気もすると、彩子。「わからない…何を考えているのか、どんな人間なのかも。」

二人がそんな会話をしている間に、彩子<日高>は正彦に跨り、布で鼻と口を塞ぐ。何故、二人とも目を覚まさない?そして、もがいていた足の動きが止まる…殺されてしまったのだろうか?


夜が明けた頃、久米の屋敷から彩子<日高>が出て来る。気づいた日高<彩子>が追いかけるが、逃げられてしまう。

屋敷の前に戻る二人…彩子は明るくなってきたので、引き上げようという。そしてもし久米が殺されていたら、今晩起こったことを報告して事件を捜査してと…「これ以上見逃したら、もっと犠牲者が増える。もうこんなの限界、潮時だよ。」「でも、そしたら望月さん、どうするんですか?」彩子を心配する八巻。

その時…久米家の門が開き、ジョギング姿の夫婦が現れる。今日は何だか頭が痛いと言う正彦。

「日高、やらなかったんですよね?これ、そういうことですよね?」「良かった、誰も死ななくて…」安堵する二人。


一方、歩道橋に描かれた『9』に気づいた彩子<日高>…「来なかった…何かあった?何が…」


便利屋・陸に『またあの歩道橋に落書きがされていました。消してもらえますか?…』と仕事の依頼が入る。「又か…まさか!?」例の漫画を思い出し、歩道橋へと急ぐ陸。

そこには数字を見上げ、立ち尽くす彩子<日高>の姿が…慌てて隠れる陸。その後、日高のマンションへ向かい、日高<彩子>に依頼の件について話す。

今回で3回目のこの依頼…1件目は田所氏が殺された日の深夜、2件目は四方氏が殺された日の深夜、そして今日そこへ行ってみたら、彩子<日高>がそれを見ていたと。

陸が事件の数字を消しに行っていたことに驚く日高<彩子>。依頼人の名前は『クウシュウゴウ』…『クウシュウゴウ』と検索をかけると『∅』という結果が表示されるのだと陸。

日高のロッカーから引き上げて来たと、

証拠品を並べ始め「とにかく、このクウシュウゴウだか、φ(ファイ)だかっていう奴は、日高の共犯だよ。」「そいつが池袋のオッサン…」そこへ奄美大島の宿主から電話が入る…


十和田のアパートを一晩張り込んだ河原は、3年前に自殺していたことを知る。遺品は特殊清掃の業者に処分してもらったと不動産屋から聞き、清掃業者を訪ねる…


コインロッカーが空になっていることに気づく彩子<日高>。署に行き、捜査本部のデータベースで死亡届検索を始める…


彩子は宿主から、日高が前に宿で会った客にアズマサクヤと名乗っていたと聞き、河原は業者から、アズマさんが十和田の遺品の中にあった漫画を持ち帰ったと聞く。そして彩子<日高>は『東朔也(あずまさくや)』と入力…『東』って誰?


その頃…第4の殺人が起きたのか、とある部屋に煙草を口に詰め込まれた遺体が…。血で汚れた床、走り回る小型犬。そして遺体の手の平には『∅』のマークがあった…


6話で気になったのは…

①日高は久米正彦に何をしたのか?

②久米家から引き返した男が真犯人?誰?

③十和田は本当に自殺だったのか?

④東朔也って何者?

⑤第4の殺人を起こしたのは久米家から引き返した男?部屋が汚れていたのは、誰も清掃しなかったから?

今回、陸が大活躍。行動力もあるし、大胆で頼もしかった。もしかしたら彩子も陸に恋愛感情を持っているのだろうか?


7話のストーリー

煙草を口に詰め込まれた遺体…凶器の傍には何故か歯が落ちている…


十和田の遺品整理をした清掃業者を訪ねた河原たち。アズマが持って帰った漫画は『暗闇の清掃人∅』。十和田が描いたもので、アズマが自分みたいな奴が主人公だと言っていたと聞く。河原たちはアズマの行方を追うことに…。


彩子と陸は『クウシュウゴウ』が日高の共犯で、その正体が『アズマサクヤ』という仮説をたてる。数字を消す依頼を受け、完了メールを送ると、翌日位に入金されるが、落書きを消した後の画像は送っていないという。


「それでは『クウシュウゴウ』は自分で歩道橋に仕事の完了を確認しに来てるってこと?」彩子の言葉を聞いて、湯浅を思い出す陸…。

歩道橋で張っていれば、見に来た時に確保できると考えた彩子は、落書き男を呼び出し、右の手の平にホクロがあったことを聞き出す。そして日高<彩子>、陸、八巻の3人で歩道橋を見張る。


彩子<日高>は『東朔也』の死亡届が出ていないことを確認。次は身元不明死体検索を始める。そこへ、昨日起きた八王子の火災で、身元不明者が8人になったというニュースが流れる。「行ってみるか…」…損傷が激しいと聞き、遺体の右の手の平だけを確認していく彩子<日高>。やはり『クウシュウゴウ』は『東朔也』のようだ。


陸と八巻が通行人のホクロを確認する中、日高<彩子>は『暗闇の清掃人∅』を読み始める…

主人公は清掃会社で働く青年。存在感が薄く、人に名前すら覚えてもらえない。ある日、彼はミスターXにスカウトされる。法では裁けない悪人達を始末する闇の清掃人に…

「誰にも覚えられない、誰にも振り返られないのは、君の才能だ。」そして『クウシュウゴウ』というコードネームを与えられる。『クウシュウゴウ』とは、"そんな人はいないよ"という意味。「君にぴったりだろう…」

そして彼は誰にも気づかれず、この世の掃除をしていく。この世に『そんな人はいないよ!』というサインだけを残し…。


夜になって、彩子<日高>が現れ、隠れる3人。彩子<日高>は数字が消された壁を見つめ、「生きてはいるってことか…」と呟く。

その様子をみて、日高も『クウシュウゴウ』と連絡がとれていないのかも…と陸。揺さぶってみると日高<彩子>は彩子<日高>に声をかける。

「誰か待ってるの?」「いえ。」…二言三言交わした後で「アズマサクヤって誰?」と切り出す。

街中で奄美で宿をやっている親父さんに、そう声をかけられたと話し「もうそろそろ全部吐いちゃった方がいいんじゃないの?その方があなたにとっても、色々とメリットあったりするんじゃない?」「ずい分と気が大きくなられているようですが、私はいつでも突き出すことが出来るんですよ。」「そっか、そうでした…」

冷静を装っているが、日高が焦ってきていると感じる彩子…

そこへ日高の父・満(木場勝己)から電話が入る。記憶を失ったと聞いて、心配して架けてきたのだ。


翌日…彩子<日高>は、『東朔也』と思われる身元不明の患者が見つかった時に連絡をもらえるよう、医療ソーシャルワーカーの千田(青山麻美)に依頼する。すい臓がんを患っていると伝えると、薬の名前を訊かれる。確認してみるとコインロッカーへ急ぐ彩子<日高>。だが、陸が引き上げてしまった為、中は空っぽだった。


一方、張り込みを八巻と陸に任せ、優菜と一緒に福岡の実家へ帰る日高<彩子>。

そこへ『クウシュウゴウ』から入金があったと陸から連絡が入る。数字を描く時はその都度人を変えるのに、消す時はいつも陸なのが気になるという彩子。再び湯浅のことが頭に浮かぶ陸…。


日高のマンションに戻り、ドアを開けると、彩子<日高>が立っていた。証拠の品々を取り返して出て行くところだったのだ。驚いた陸が無理矢理ドアを閉めたことで、足を痛めてしまう彩子<日高>…

冷静になった陸は「日高さん、あなたが探している人と俺たちが探している人って、一緒じゃないかと思うんですよ。だったら、一緒に探すっていうのは…」「陸さん…」いきなりキスをしてくる彩子<日高>。「ご心配、ありがとうございます。」部屋を出て行く…

陸を見つめる視線など、やはり日高は陸に好意を寄せているようだ。

千田に薬の名前を伝える彩子<日高>。久米宅を監視した時に見つけたものだった。


そして湯浅のことがどうしても気になる陸は、アパートを訪ねてみる。湯浅は丁度出かけるところだった。ホクロを確かめたいが、火傷をしたとかで包帯を巻いていて確認できない。そのまま湯浅の飲み会に同行する陸。飲み屋街には、アズマの行方を探す河原たちの姿もあった…。やはりアズマは湯浅?

仲間に陸を紹介する湯浅。証券会社で働いていた陸は、ボランティアに行った時に何の役にもたたなかったことで、自分の手で何でも出来る奴になりたいと思い、会社を辞めて今の生き方を選んだのだった。そんな陸を湯浅は気に入っているようで…

「俺は陸みたいな考えの奴が増えて欲しいよ。てめえの手を動かして、汗水たらしている奴が、ちゃんと報われなきゃいけねえってことだよ。」

駅の掃除やゴミ収集、病人の世話をしてくれる人など、どうにもならないところを、手を汚して仕事してくれる人が世の中にはいる。そんな人たちがちゃんと認められて、報われるというのが真っ当だという。


その頃…日高<彩子>は満から、生い立ちについて聞いていた。あの手紙は、日高陽斗の双子の兄・東朔也からの手紙だった。二卵性だから顔は違うらしい。陽斗は亡き妻(徳永えり)の連れ子で、満とは血が繋がっていないという。陽斗の母が前の夫・東(浅野和之)と離婚する時に、長男はうちの物だから置いて行けと姑から言われ、泣く泣く陽斗だけを連れて家を出たのだ。東の家はそこそこ名家で、親もいない、学もない、奄美の田舎出身の母とは釣り合わなかったことが離婚の原因らしい。

裕福で何不自由なく育った朔也だが、バブルがはじけ、四方という人から負債を押し付けられたことで、大変なことになり…満たちは援助と朔也を引きとることを申し出たが、追い返されてしまった。その様子を朔也がどこかで見ていたようで、その1か月後にあの手紙が陽斗の学校の靴箱に入っていたのだ。母は朔也からのものではないかと感じ、密かに見に行ったという。

歩道橋の上で抜けた歯を落としてしまった陽斗。そこへ朔也が現れて、一緒に歯を探してくれたが、見つからない。その時、偶然朔也の歯が抜けて…陽斗は同じ場所だったことに驚き、抜けた歯のコレクションをしていると聞いた朔也は、自分の歯をあげると言う。結局、陽斗の歯は、朔也が踏んだガムにくっついていたことがわかり、笑う二人。陽斗と別れた後、ガムにくっついた歯を大事そうにポケットにしまう朔也に、思わず母は声をかけた。

朔也を引き取りたいと思っていると話すと「東京でやり直すんだって、お父さん。その前に一回会ってみたかっただけだから。弟、どんな奴なのかって。」

サイズの小さい靴を踵を踏んで履いているのを見て、靴を買いに行こうと言うが、もう帰らないといけないと…お金と連絡先を渡すと、父が嫌がるからと連絡先だけ受け取り「弟、可愛くて良かった。」…それが最後だったというのだ。

「僕はその後も、お兄ちゃんがいることを知らなかったのかな?」と日高<彩子>。わからないが、歯の子が手紙をくれたのかな?とか、手にホクロがあるんだよと言っていたから、どこかで知って、会ったりしていても不思議ではないという満。


日高の部屋に丸い石が飾ってあるのを見て「この丸い石って奄美の?」と日高<彩子>。「そう、奄美のお守り。」と優菜。

丸いから色んな所を転がっていっても、最後は私の元に無事に戻ってきますように…というお守りだと。


"もう断定していいのかもしれない。東朔也は『クウシュウゴウ』で、生き別れの双子の兄で、一連の事件の共犯者だ。そして起こっている出来事だけをみれば、日高は東に命じられて、漫画をなぞるような殺人を実行しているのかもしれない…"

二人の人生が再び交わったのはどこ?


店を出たところで急に苦しみ、倒れてしまう湯浅。彩子<日高>が拾った物と同じ薬を落とす…救急車を呼び、湯浅に付き添う陸。


とある部屋の遺体は、まだ発見されずにいた…落ちていた歯を犬が食べてしまう。


今日も本部で死亡検索をかける彩子<日高>。名前を入力したところで、千田から『東朔也』の候補があがったと連絡が入る。

昨夜救急搬送されたという病院へ急ぐ彩子<日高>…入れ替わりに本部に来た幅は、彩子<日高>のパソコンに入力された名前を見て驚く。


病院に着いたと同時に、五十嵐から殺人事件が起きたと電話が入る。被害者は久米正彦の息子…至急現場へ向かうよう指示される。

「リストに無い奴狙うって、もうこれ反則だろ…」堪えきれず叫ぶ彩子<日高>。現場へ向かう為、走り出す。

その病院には湯浅が運ばれていた…。意識はまだ戻らない。付き添う陸は、右手の包帯をめくる…


出社した日高<彩子>は樹里に『東朔也』という名前に聞き覚えが無いか尋ねる。「社長が一緒に奄美に行くって言っていた方では?」


河原もようやく『東朔也』が利用していた店を見つける。清掃の仕事をしていて、なぜ来なくなったかは知らないが、最後の方は毛並みの良さそうな人と一緒だったと聞き、日高の写真を見せると…その人だという。


現場はあちらこちらに血痕が残っていて、凶器もそのまま…呆然とする彩子<日高>。そして血紋も採取される。「もうダメだ…」


7話で気になったこと…

①色んな話を繋げると、やはり湯浅が東朔也で間違いはなさそうだが、実行犯が湯浅で後始末が日高だと考えると、数字の指令を出していたのは誰?それとも湯浅が単に日高に教えていただけ?

②日高と東、二人はどうやって繋がったのか?

③毎回ラストに暗闇の清掃人∅の顔がアップになるが、7話ではそれが無かった。何か意味があるのか?

怒涛の7話だった。彩子、日高、湯浅はどうなるのか?






7話まで終わったところで、まだ解決していない謎を整理したいと思う。

①日高が月を眺める訳は…兄・朔也を想って?二人の名前は奄美の伝説からつけられたのだろう。

②彩子はどうして奄美の海岸の夢を見たのか?彩子もどこかで繋がっている?

③日高は男が好き?化粧も上手いし、既に中身は女だった?

④スパで日高が彩子に言った「だからあなただったんですか…」という言葉の意味は?

⑤日高は久米正彦に何をしたのか?

⑥十和田は本当に自殺したのか?

⑦アメリカで起きた事件も日高の仕業だったのか?

今後の展開も楽しみで、日曜の夜が待ち遠しい。





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