2021年11月21日日曜日

「最愛」第6話のあらすじと感想

 優の無実が証明されるが…


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。

梨央の弟・朝宮優(高橋文哉)は、渡辺昭(酒向芳)殺害の重要参考人として警察に身柄を確保される…


"2006年9月21日、白川郷に台風が近づいて風の音が聞こえていた…"

6話は梨央のナレーションで、渡辺康介(朝井大智)の事件の回想シーンから始まる。

"あの日起こったことは現実じゃない、怖い夢を見ただけだと何度も自分に言い聞かせた。現実だと認めてしまったら大切な思い出も残らず壊れてしまう気がした。認めたくなかったことと向き合う時がきた…"


駒沢警察署に着くと法務弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)が待っていた。白川郷でのことは梨央から聞いたと言う。梨央も捕まったりしないかと心配する優に、大丈夫だと加瀬。任意同行なのでここに居る必要はなく、帰って梨央にも会えると言うが、優は会いたくないと言う。

事情聴取が始まる前に本当のことを話して欲しいと言い、質問する加瀬。まずは康介の事件。自分がやったという優に、梨央を守る為に康介を刺したことを確認し、当時9歳なので罰を受けることは無いと言う。今回の昭の事件については、自分が何をしたのか動画に残っていると答える優。


部屋で一人不安を抱える梨央に大輝から電話が入る。「今誰か側についとってくれる人おるんか?」母・梓(薬師丸ひろ子)がいつでも帰ってこいと言ってくれているから大丈夫だと答える梨央。優がどこにもいなくなってしまうのではないかと心配する梨央を、そんなことにはならないと安心させる大輝。

大輝が迎えに来てくれて良かったと話しながら、冷蔵庫から取り出そうとしたヨーグルトを床に落としてしまう。蓋が開いて中身が飛び散る…

「優はどうなってまうの?」「どうなるとは今は言えん…待っとってくれ」


加瀬も梨央を心配して訪ねて来る。どれくらいの罪になるのかという梨央に、逮捕も未だだし、起訴されるかもわからない、ハッキリ覚えていないなら何も喋らないよう伝えたと話す。優は気力を失っているから励まし続けるしかないと。

床に散らばったヨーグルトに気づく加瀬。何か出来ることはないかと言う梨央に「とりあえず今日はもう寝て。何も考えなくていいから。優くんは取り戻す。」

安心したのかそのままソファで眠りにつく梨央…梨央の腕時計を外し、ブランケットを掛ける加瀬の表情が優しい。やはり加瀬にとっての『最愛』は梨央のように感じる。

「お願いした動画の解析、急いでもらえますか。報酬はお望みの額をお支払いします。」電話をする加瀬。


優の取り調べが始まる。

富山県警刑事の藤井隼人(岡山天音)と電話で話す大輝。黙秘を続けていると伝え「弁護士が粘って助言しとる。」…加瀬が署で、そろそろ休憩ではないかなど口を出していた…「聞いてますよ、真田の番犬の話」と藤井。そして朝宮達雄(光石研)の証言通り、鉄塔の下から衣類や凶器が出て来たので、埋めたのは達雄で間違いないという。梨央からも詳しく話を聞くが、ショックを受けているだろうと…「前から知っとったかもしれん。何をどこまでかはわからんけど…」「こんなえらいこと知ってて胸にしまっとけるものでしょうか」驚く藤井。


一方、暴行を受けて拉致されたフリーライターの橘しおり(田中みな実)は、『真田ウェルネス』専務・後藤信介(及川光博)によって解放された。

翌日、後藤に呼び出される橘…「私を脅せと指示したのは専務さんですか?」「いいえ。」「手下のやり過ぎを止めに来たボスって感じでしたよ。」…殺されて自分の名前がトップニュースに出るのも悪くないと思ったと言う。「ショボいですよね、殺されでもしなきゃ世間に注目されないなんて。梨央社長みたいに生きてるだけで注目浴びる人もいるのに。何でこんなに不公平なんですかね。」梨央に対して悪意を持っているように感じる。

お見舞いだと大金を渡し、立ち去ろうとする後藤に、どんな目に遭おうが『真田ウェルネス』の不正は突き止めると宣言。対する後藤から、新聞社を辞めた理由や法都大学時代に休学していることなど言及されると、お金を投げつけ「私のこと調べても時間の無駄ですよ、ほんと面白くも何ともないんで!」逃げるように去って行く。かなり動揺しているようだ。

「力、貸して。相手を甘く見過ぎてた。」編集長に電話する橘。


取り調べ中の優は、『渡辺昭さんも苦しかっただろうな』という取調官の言葉で罪を認め、動画と音声が入っていると小型カメラを差し出す。

署員たちの様子から何かあったと気づく加瀬。捜査本部にも優が自供を始めたと報告が入る…

係長の山尾敦(津田健次郎)は大輝を呼び出し、岐阜でのことは聞いた、今後真田梨央とは関わるなと釘を刺す。「言っている意味わかるよな?次はねえぞ。」って、一体桑田仁美(佐久間由衣)はどう報告したのだろうか?


優が逮捕されたことがニュースで報じられ、後藤と兄・政信(奥野瑛太)から呼び出される梨央。一方的に責める政信だが、後藤はどう会社を守るつもりかと質問。梨央は後藤と二人で話したいと政信を退席させる。

「弟の刑が決まった時には責任を取って進退を決めます。社長に就任する時、母に言われました。後藤さんは命懸けで会社を守って下さる方だから、安心して背中を預けなさいと。」退くまでは全力を尽くすが、その後のことは宜しくお願いしますと頭を下げる。

梨央が出て行くと、笑い出す後藤。梓の言葉に対してなのか、梨央の失脚が嬉しいのか?


動画の解析結果の報告を受ける加瀬。詳しい殺害現場は未だ発表されていないが、昭が落ちたのは東側の池だという。

音声付きの動画を確認する加瀬…昭が梨央に『康介が最後に会ったのはあんた』だと言い、何があったのか教えて欲しいと頭を下げる。自分ではないと否定し、もう会いに来ないでと昭の手をふりほどいて立ち去る梨央。その背中に「なんべんでも行くでね。何があったかなにがなんでも話してもらうで、いいか!」怒鳴る昭…近づいて来た優に気づき「また金持ってござったんか。…いらんわ。」「息子さんと最後に話したのは僕です。息子さんの命を奪ったのは僕です。」「ええ加減なこと言うな!」「ごめんなさい。」何度も謝る優の首を凄い形相で絞める昭。思わず昭の首を掴む優。揉み合いになり「何で康介は殺されなあかんのやー」と池に転落…。


優に面会する加瀬。突き落とした場所について『大きい方の池ではないのか』など何度も同じことを聞いてくることを知り、警察は決めつけてくるから誘導には乗らないようにと助言し。そして優が育てていたというパキラの様子を見に行く約束をする。


駒沢署の前で様子を覗う梨央に気づき、声をかける大輝。優が取り調べに耐えられるか心配する梨央に「俺は優は弱いとは思わん。あいつは自分がやったことに責任持とうとしとる。どんだけ苦しくても、それでもあいつは逃げんと言った。弱い者には出来んことや。待つ方も辛いと…」

「社長!」加瀬が声を掛ける。梨央に加瀬と行くよう促す大輝。仕方なく署を後にする梨央…「彼は古い友達じゃない、刑事なんだ。」と言い聞かせる加瀬。


捜査本部でも動画の解析から、優が昭を突き飛ばした場所が東の池の淵だとわかる。遺体が発見されたのは西側の大きな池で、殺害現場も西の池の淵という見立て…二つの池は繋がっていない。

検死結果で後頭部に挫創、頸部に圧迫痕が見受けられていた。圧迫痕は動画の優の手の位置と相違無し。挫創は池に落ちた時に出来たものなのかと疑問を口にする桑田に、問題なのは死因だと言う大輝。山尾は再び目撃者探しを命じる。

そこへ大輝を訪ねて加瀬がやって来る。池の場所が違うことについて言及し、慎重な捜査を依頼する加瀬…

「優は犯行を覚えているんですよね?」「いいえ。と言っても自白は覆せないでしょ?どうか彼の病気を考慮の上、捜査を進めて頂けますか。」優の18歳までの診療履歴を渡す。

「今でも同じ症状が残っているんですか?」治す手段は開発中の新薬の他には無いと答える加瀬。大輝は本部に伝え、病理鑑定も早急に行うと約束する。


「真田の番犬に丸め込まれているんじゃねえよ!」と怒る山尾。だが、同じ資料が検察にも渡っていると聞き、検討しておくと…捜査員たちの大輝を見る目が冷たい。そこへ目撃者の情報が入ったと報告があり、大輝と桑田が情報提供者の元へ向かう。

ラーメン店にたまに来る客の一人が、ニュースを見て『あの犯人を見た』と言ったというのだ。特徴を聞き、捜索を始める大輝たち…


優の拘留が決定し、検察主導で本格的な取り調べが始まることを梨央に伝える加瀬。矛盾点もわかってきたので、検察に働きかけ、更に優の気力が折れないよう最善を尽くすと言う。約束通り、何度も検察に通う加瀬…


梨央も新薬が承認されるよう全力を尽くす…


ようやく目撃者を見つけた大輝たち。

ずぶ濡れになった男が東側の池から這い上がって来て、西側の池の方に歩いて行ったと…声を掛けようとしたら「康介!」といきなり叫び出したというのだ。昭の写真を見せたところ、間違いないと答える。そして他には誰も見なかったと言う。


上京した藤井と会う大輝。優の起訴は免れるかもしれないが、目撃証言の裏が取れれば、傷害致死から傷害に切り替わることもあると話す。

「他に容疑者浮かんで…」「ない。」「でも15年前の事件と関連濃厚でしょう。」「動機が口止めならな。」「昭さん、岐阜での事件の関係者、何人かに会ってますよね?」

マネージャーの青木菜奈(水崎綾女)と長嶋透(金井成大)で、長嶋にはもう会いに行ったと大輝。「その二人とあとは梨央ちゃんか…都内に住んでる岐阜の事件の関係者、他にもいましたよね?」藤井は法都大の松村という女性がいたと言う。


康介が起こした『女子大生連続性的暴行事件』の被害者リストを調べる大輝。その中に法都大学の松村栞という名前があった…


加瀬の尽力によって不起訴になり、釈放される優。抱き合い喜ぶ梨央と優に、大輝も力になってくれたと思うと加瀬。

「警察は本来何があっても被害者側に立たなきゃいけない。けど今回の事件、彼は被疑者側に同情し過ぎている。」「どういうこと?」「良くないことなんだよ…」梨央の顔が曇る…


5百万渡して突き落としたのに、不起訴はあり得ないと荒れる山尾。本部の外で聞いていた大輝に『今日の夜、会えますか』と梨央からメールが届く。

待ち合わせ場所に着いた大輝の電話が鳴る…

「優が戻って来た、ありがとう。」「俺は何も。良かったな。」「大ちゃん、優の為を想ってくれたんやな…ホントはやったらいかんことなんやろ?」「何言っとるんやさ。」「もう会わんようにする…大ちゃんの立場が悪くなってまったら私も嫌やもん。最後に顔が見たかったんや。」「どこにおるんや?」

周りを見渡し、歩道橋の上に梨央の姿を見つける。目が合う二人…

「勝手に決めんな!」そう叫び、梨央に向かって走り出す大輝。逃げる梨央…。

追いついた大輝が梨央を抱き締める。無言で抱き合う二人…大輝の目を見て「じゃあね…」とひと言、歩き出す梨央。「梨央!」大輝の声に振り返り、少し笑って手を振ると走り出す。梨央の姿が見えなくなるまで立ち尽くす大輝。やはり二人が結ばれるのは無理なことなのか…


馴染みの店で優と加瀬と三人で食事をする梨央。店主に優を紹介し、これからは一緒に暮らすと嬉しそうに報告する。優の手にはパキラの鉢があった…。あらためて加瀬にお礼を言う優に、富山県警では正直に話せばいいと言う。康介の事件でも事情聴取を受けるのだろう…

弁護士になりたいと思ったのはいつかと優から聞かれ、子どもの頃に近所に住んでいた弁護士のことを話す加瀬。地域の人の相談にのって忙しそうで、加瀬も飼っていたいたインコが逃げたから探して欲しいとお願いしたことがあると。「困っている人の為に何でもする仕事なのかと思ったよ。そこからかなぁ…」


法都大学の松村のことで大輝に電話をする青木。2005年と2006年の合同合宿で白山大学に来ていると言う。携帯番号は変わっていて連絡はつかないが、一応写真を送ると…そして「仕事大変やろけどさ、もう電話しんといてくれる?昔のこと思い出したくないで。」

送られて来た写真に写っていたのは橘しおりだった!

同じ頃、後藤も新しい情報屋から彼女の報告を受けていた。橘しおりの旧姓は『松村栞』…


加瀬と別れた梨央と優の後を尾ける栞。家の前まで来たところで声を掛ける。差し出した名刺を見て、例のゲラを書いたライターだと気づく梨央。優に先に部屋へ戻るよう言う。

「やっと会えましたね、この日を待ってました。」冷たい目で梨央を見据える栞…


なぜ栞は梨央に対して敵意を持つのか?

ようやく優を取り戻してホッとしたばかりなのに、1話の冒頭シーンを思い出し、嫌な予感がする…

4話の信号待ちのシーンに続き、今回大輝に別れを告げるシーンも切なかった。結局二人が結ばれることは無いのだろうか?悪いのは康介で、梨央たち家族は被害者なのに…。達雄は亡くなってしまったが、せめて梨央と優には幸せになって欲しい。


◆疑問点◆

①康介を最初に刺したのは優だが、それで絶命したとは思えない。真犯人は別にいる?

②遺体を埋めたのはやはり達雄だったが、桑田の言う通り、一人で出来るだろうか?5話放送の後、ネットニュースで話題になっていた影の正体は?やはり協力者がいたということ?康介の事件には寮生が絡んでいるように思う。

③達雄が亡くなった後、梨央の家を藤井が訪ねて来たのは何故?

④昭を殺害したのは優ではなかった。真犯人は誰?康介の事件の関係者?それとも梨央を守りたい人の犯行?

⑤橘しおり=松本栞は康介の被害者だった。2006年9月から一年間大学を休学したのは、事件のせいなのか?栞はなぜ梨央を敵視するのか?

⑥ペーパーカンパニーは後藤一人でやったことなのか?栞を脅したのも後藤?

⑦昭に渡された5百万はどういうお金なのか?優に頼んだのは後藤?それとも?


康介の事件を担当する藤井が上京した。表情がどことなく怪しく、真犯人は藤井ではないかと感じさせる。




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