2021年12月12日日曜日

「最愛」第9話のあらすじと感想

まさか大輝が!?


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と宮崎大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。


渡辺昭(酒向芳)の遺体と共に発見された『ウェルネスホーム』のオープン記念のペンの持ち主は、梨央、梓(薬師丸ひろ子)、政信(奥野瑛太)、後藤(及川光博)、加瀬(井浦新)の5人だということがわかった。


9話は梓のナレーションで始まる…

"創業者である祖父が言っていた。経営に必要なのは情熱だと。あの子はそれを持っている。30年前、もみじのような小さな手を無邪気に振っていた彼女は、今、大きな夢をその手に掴もうとしている。彼女の為、会社の為、私のしたことに後悔はない…"


梓からペンの持ち主について聞いたところへ、優(高橋文哉)の治験の様子を見に加瀬がやって来る。梨央がペンを持っているか尋ねると…加瀬は持っていると鞄からペンケースを取り出すが、その中には無く、鞄の中を掻き回し、ようやく見つける。一方梓は気に入っていたのに見当たらないと言う。疑いの目を向ける梨央…


杉並西署に大輝を訪ねて来た藤井(岡山天音)。大輝は誰と電話をしていたか聞かれ、梨央だと答える。「へえー、仲良くしとるんですね。」意味ありげな表情の藤井。大輝が仕事でまたこっちに来たのかと尋ねると「まあ…ちょっと…」歯切れが悪い。迷うように下を向いた後「あの…」何か言いかけたところへ人が入って来て、言葉を飲み込む。そして何でもないと、行ってしまう…


捜査本部では、桑田(佐久間由衣)が記念のペンについて山尾係長(津田健次郎)に報告。大輝からの情報だと聞き、喜ぶ山尾。持ち主5人のうち、昭の事件当日のアリバイが無いのは、梓、後藤、加瀬だった。


政信が社長を務める『真田ビジネスサービス』の創業30周年記念パーティーが開かれる。出席した梨央と加瀬に、栞(田中みな実)が記事を持ち込んだ週刊誌の編集長が近づき…明日発売の『週刊討論』に『真田ウェルネスの寄付金詐欺と記者の不審死』という記事を載せるとゲラを見せる。栞から預かったPCに入っていた原稿で、身の危険を察知して自分に託したのだろうと言い「この連載は第二弾、第三弾も控えています。我々はあなた方のくすみを徹底的に追求しますので。」それだけ伝えると会場を出て行く。

スクープ記事の反響は大きく、梨央の会社はネットで叩かれる…


栞の司法解剖が終わり、死亡推定時刻が午後9時から10時に絞られた。梨央のアリバイは裏が取れていたので、他の4人のアリバイを確認しに行く桑田。


その頃、記事のことで梓の社長室にペンの持ち主5人が集まっていた…

後藤を責める政信を制する梓。頭を下げ、謝罪した後藤は、栞がほぼ全貌を知っていたと…。連載を差し止めるよう交渉すると言う加瀬に梨央は「こうなった以上、説明する義務がありますよね。」すると梓が「週刊誌の記事にいちいち反応してたらキリがないでしょ。それに…今目立つことをしたら、薬の申請に影響が出るかもしれない。」「でもせめてホームの入居者の方々には謝罪した方が…」と梨央。「お預かりしていたお金は、ちゃんと愛護団体に寄付しておいたから、それで問題ないでしょ。」沈黙が流れる…。

気分が悪くなり、倒れた後藤に加瀬が付き添い…眠っている後藤に「居場所は守りましょう。」と呟く。

社長室に残った3人の元へ、桑田が訪ねて来る。記念品のペンを今現在持っているかと聞かれ、ペンをもらったこと自体覚えていないと政信。梓は「どこかにあるとは思うんですけど…」ハッキリしない…「今はお持ちでないということですね。どこかで落とした可能性は?」「ちょっとわかりません、ごめんなさい。」

次に10月21日の午後9時から10時の間、どこに居たかを尋ねる桑田。その日に何かあったのかと聞き返す政信に対し梓は「橘栞さんがお亡くなりになった日ですよね、雑誌に出てました。」彼女と面識があるか聞かれると、新聞社に勤めていた頃に何度か会ったと答える。政信は面識もなく、その日は出張で大阪にいたと言い、梓は家にいたが、証明出来る人はいないと…


梨央がエレベーターを待っていると、玉子サンドを渡すのを忘れたと梓がやって来る。戸惑う梨央に「好きだったでしょ。あなたがまだ白川にいた頃、年に一度一緒にランチしてた時に…」「お母さん、橘栞さんと最後にいつ会った?」「さあ、いつだったかしら…忘れちゃった。」「橘さん、私の家に何度も来てた。お母さんの所へは来なかった?」「来てないわ。」微笑む梓。その笑顔はどこか淋しそうに見えた…梨央がずっと疑うような目を向けていることに気づいているのかもしれない。

梓と別れた後、「今夜、会えんか」と大輝からメールが入る。仕事が終わったら連絡すると返信。


署の前で山尾が大輝を待っていた。ペンを持っていなくて、昭と栞の両方の死亡時にアリバイが無いのは梓だけだと言う。だが昭殺害を一人でやったとは思えないと。情報を回してもらえると有難いと言う山尾に「自分は捜一を離れた人間です。」きっぱり断っているのに「ここはお互い協力してこうや、なー」と笑う。ニヤけた態度に油断ならない何かを感じる。


その夜…梨央の馴染みの店で会う二人。ペンを返す大輝に、梓の所へ警察が来たことを話す。「警察はお母さんのこと疑っとるんやよな?」「関係者のことは全員疑うのが警察の仕事やでな。」溜息をつく梨央…「優が帰って来て、治験を受けられるようになって、これから普通の生活を送りたいだけなんやよ。…だのに何でこんなことになってまったんやろ。…大ちゃんはこれからのこと考えようって言ってくれたけどな。けど…」何も言えない大輝…


寄付金詐欺のネットニュースを見て、心配する優。だが、梨央の前では明るく振る舞い、大学受験にも絶対合格すると言う。


『週刊討論』出版社の広告主の協力を得て、連載を止めることが出来たことを梨央に報告する加瀬。梓にも既に報告済みと聞き「お母さん何か言ってた?記事を止めても、不正は事実でしょ…」梨央の様子をみて心配した加瀬は、何を考えているのかと優しく尋ねる。梓が"ちゃんと寄付したのだからそれで問題ない"と言うのを聞いて、梓のことを怖いと思ったと打ち明ける。「誰かの正義は、誰かの悪。梓さんが信念を持って頑張ってきたことは知ってるよね?…一度梓さんとゆっくり話してみたら?」溜息をつく梨央。


そんな中、藤井らしき人物と梓が会っているのを、偶然目撃する大輝。どうして藤井と梓が?15年前の渡辺康介(朝井大智)の事件と関係あるのだろうか?


今度はテレビで『真田ウェルネス』の寄付金詐欺疑惑や、事件を追っていた記者が死亡した日に梨央が二人で会っていたこと、別の殺人事件の参考人として事情聴取を受けていたことなどが報じられた。ネット動画でも脳の病気の薬を開発していると配信されたことで、梨央はSNSで叩かれ、自宅や会社にマスコミが押し寄せる…

真田ホールディングスの説明責任を問うニュースを見る後藤。『真田ウェルネス』の株価は急暴落していた。

ネットの動画や後追い記事の削除を要請しているが、正直追いつかない状況だと加瀬。梨央にホテルに避難するよう提案するが、逃げ隠れしたくないと言う。先ずは社員の不安を取り除き、投資家や治験に協力してくれた病院に説明に行きたいから、対策委員会を立ち上げて欲しいと…「加瀬さん、今日、母がどこにいるか知ってる?」昨日から電話が繋がらないと言う。「社にいるんじゃないですか?秘書室に問い合わせますか?」「ううん、また後で架けてみる。」…梓はどうして電話に出ないのだろうか?


優がバイトする店で夕食をとる大輝。梨央は大丈夫かと聞くと「大丈夫そうな顔して頑張ってるよ。」と答え、大輝に頼みがあると言う。

マンション前のマスコミをやり過ごした梨央だったが、中で待ち伏せていた記者に捕まってしまう。優から頼まれてオムライスを届けに来ていた大輝が、記者を追い払い…「来てくれて助かった、ありがとう。」と梨央。そして「バチが当たったんかな。嘘もついたし、いっぱい隠し事もしてきたで。」「梨央はずーっと真面目に一生懸命生きてきたやろ。俺はそういう梨央が好きやよ。」言ってしまった!という顔の大輝を、ポカンと見つめる梨央。「はよ食べろ、冷めるぞ。」「いただきます。」笑ってオムライスを食べ始める。大輝の母の話になり、盛り上がる二人…「いいお母さん。私はようわからん、お母さんのこと。」18歳まで離れて暮らしていたこともあるが、未だにわからないと言う。「自分がお母さんのことどう思っているのか、私はどう思われてるんか…」

梨央の家を出た大輝は、藤井に電話をする。留守電に「聞きたいことがあるから連絡をくれ」と伝言を残す。

同じ夜、加瀬を呼び出した梓は、話しておきたいことがあると言う。


翌朝、久しぶりに出社した後藤。体調はどうかと尋ねる梨央に「ご心配をおかけしました。責任は取ります。」と頭を下げる。専務室は姿を消した時のままだった…


ようやく梓から電話が入る…「梨央、あなたに約束して欲しいことが二つあるの…」一つ目は後藤のことだと。「彼とは上手くやりなさいよ。あの人はあなたにとってもウェルネスにとっても必要な人材よ。いずれ必ずあなたを助けてくれる。梨央と後藤さん、二人で真田グループを支えて欲しいの。それからもう一つ、薬は絶対に諦めないこと。大丈夫、梨央ならきっと出来る。」急にどうしたのかと尋ねる梨央に「私、やっぱりお母さんには向いてないみたいね。ごめんね。」そう言って電話を切る梓…


散らかった専務室で、梓からもらったオープン記念のペンが入った箱を開ける後藤。『後藤さん いつも頼りにしてます。感謝をこめて。2007年3月 真田梓』とメッセージが添えられている。どうやら一度も使っていなかったようだ。携帯が鳴り、電話に出る後藤…


梓が社長を務める『真田ホールディングス』の前で張り込む桑田に、政信、加瀬、後藤の栞死亡時のアリバイの裏が取れたから、梓を引っ張って来いと山尾から連絡が入る。


社長室に戻った梨央のところへ、後藤が慌てた様子で入って来てテレビをつける。梓の緊急会見の生中継が始まるところだった!

世間を騒がせたことを謝罪し「真田ウェルネスの報道の内容につきまして、私の方からご説明させて頂きます。」そして、寄付金詐欺についてはほぼ事実だと認め、関係者に深くお詫びすると深々と頭を下げる。その様子を加瀬が見守っていた。「責任は全て私にあります。これから警察に行き、包み隠さずお話するつもりです。」

「何で…?」涙を浮かべる後藤。そして会見の場に駆け付けた政信は「母さん、何やってんだよ…」と呟く。

社員に対しての謝罪に続き、今回の件に梨央が関わっていたという報道は誤りだと言う。「娘には何も知らせていませんでした。今後、家族への取材などはどうかお控え下さい。」

涙を溜めて梓の言葉を聞く梨央と政信…。

「そしてもう一つ。娘に対して殺人事件に絡めた誹謗中傷を行うことも、今後一切やめて頂きますようにお願い申し上げます。」頭を下げる。「娘も真田家の人間も誓って殺人には関わっておりません。…以上です。ありがとうございました。」

深々と頭を下げた後、カメラの向こうにいる政信に気がつき、見つめ合う二人。大丈夫だというように目で語った梓は会見の場を後にする。

会社を出たところで、付き添う加瀬に「ここでいいわ。ありがとう。」自分も行くと言う加瀬に「一人で大丈夫よ。政信と梨央のこと宜しくお願いします。」

警察署へ向かう為、車に乗り込む梓。毅然とした態度や歩く姿がとても美しく、そして悲しかった。


「何で梓さんが!」全て自分がやったことだから警察へ行くと言う後藤を、追いかける梨央。「待って下さい。落ち着いて話をしましょう。」「あなたは黙って見ていられるんですか?お母さんを犠牲にして平気なんですか?」「母に言われたんです。後藤さんと私で真田グループを支えて欲しいって。だから守っていきませんか?母が命懸けで守ろうとしてきたものを一緒に。」だが後藤の心には響かない…「私のせいだ、私があんなことをしたから!」

階段の踊り場で、止めようとする梨央を振りほどき、バランスを崩し転げ落ちる後藤。頭を打ち、血が流れ出す…。それでも立ち上がり歩き出すが、結局意識を失い、倒れてしまう。

救急車で運ばれる後藤。加瀬に電話で伝える梨央のところへ、梓の件で署まで同行して欲しいと警察がやって来る。「待って、そっちへ向かう。」という加瀬に、一人で大丈夫だと答え、パトカーに乗り込む梨央…これが1話の冒頭シーンだったのか!


捜査本部では山尾が、出頭して来る梓に昭と栞の事件についても聴き、必ず共犯者を炙り出すと息巻いていた。


そして…ようやく藤井と会った大輝は「真田梓が出頭するそうや。彼女に会っとったやろ。」藤井の目を見据える。それには答えず、少し迷った挙句、口を開く藤井。「俺も先輩に聞きたいことあったんです。15年前、あの台風の夜…本当は事件の現場におりましたよね?」

険しい顔で藤井を見る大輝…え!?大輝があの場所に?


◆残る疑問◆

①最終的に康介を殺害したのは誰?

②達雄の共犯者は大輝?

③達雄が亡くなった後、藤井が梨央の家を訪ねたのは何故?

④昭を殺害したのは誰?

⑤公園で昭と会った後、梨央がタクシーの中で泣いていたのは何故?

⑥昭に渡した5百万は何の口封じ?ホテルに残された昭の持ち物の中に『犯人?』と書かれたメモがあったが、誰のことを指しているのか?

⑦梓は寄付金詐欺のことを知らなかったのか?

⑧栞の死の真相は?

⑨プロデューサーからのヒントということで、優が子どもの頃に首からぶら下げていた物が鍵とあったが、メモ帳と携帯だった。メモ帳に何が書かれているのか?

⑩藤井と梓の関係は?


まさか大輝があの夜寮にいたとは思わなかった。もしそれが事実なら、大輝の今までの行動に疑問が残る点も多々あるし…。辻褄は合うのだろうか?

殺人事件に真田家の人間は誓って関わっていないと言った梓。あそこまで言い切るからには、昭と康介の死に関係していないように思う…

加瀬がペンを持っていたことでホッとしたが、加瀬を庇って梓が彼の鞄にペンを忍ばせたということはないだろうか?

今回、梓の会社や子ども達に対する愛情の深さを感じた。そして、後藤の梓に対する想いも。後藤の『最愛』は会社ではなく、梓だったと思う。

1話の冒頭シーン、梨央の手に血が付いていたことで事件性を疑い、梨央の『最愛』の優に何かあったのかと不安だったが、その点についてはホッとした。それと同時に後藤が無事であることを祈る。

梓の『最愛』は子ども達、特に夢を持つ梨央?大輝の『最愛』は梨央、加瀬の『最愛』は家族、その中でも梨央なのか…

いよいよ最終回を迎えるが、伏線はすべて回収されるのだろうか?1時間じゃ足りない気がするが、あの制作コンビの作品だから大丈夫だと信じたい。





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