2021年12月4日土曜日

「最愛」第8話のあらすじと感想

いよいよ犯人が絞られる!
 


過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていき、かつて両想いだった梨央(吉高由里子)と宮崎大輝(松下洸平)は重要参考人と刑事という立場に…。


『真田ウェルネス』の不正を追っていた橘栞(田中みな実)が、遺体で発見された。梨央が取材を受けた翌朝のことだった。

事件の関係者ということで、突き落とされたのではないかと疑う捜査本部係長の山尾(津田健次郎)。だが鑑識は誰かと争った形跡はないと言う。「何でこんなことに…」何故か泣き出す桑田(佐久間由衣)。


梨央は、警察が話を聞きたいと言ってきていると秘書から連絡を受け、会社へ向かう。渡辺康介(朝井大智)の性的暴行事件の被害者で、唯一彼を告訴した栞。父親の昭(酒向芳)をも非難する彼女に思わず梨央が「あなたなんですか…?あなたがあの人を…」それには答えず「梨央さんの人生もまもなく一変します。汚れた会社が創った薬、薬事審査に通りますかね?」目に涙を溜め、悲しく微笑む。


会社では加瀬(井浦新)が待っていた。相手にしないよう言ったのにと、栞と会ったことを責める。

「取材って何について?」「会社の不正について聞かれる筈だったんだけど…」「その件なら昨日後藤(及川光博)さんに聞いた。」

すると「申し訳ございませんでした!」以前から梨央のスケジュールを後藤に伝え、それを後藤は栞に渡していたと謝罪する秘書。加瀬は、後藤が寄付金を不正に利用している疑いがあり、昨日から連絡がつかないと言う。


梨央は梓(薬師丸ひろ子)に報告に行くが、梓の電話にも後藤は出ない…。彼は入社5年目で真田グループの金庫番をしていたから、会社のお金の流れはわかっていたと言う。

梓が何も知らなかったのか疑問に思う梨央は、以前ゲラに書かれた昭への5百万のことを口にする…梓は後藤がやったことだと言う。それについて謝りに来たと…「会社と私と梨央を守ろうとしてのことだから、誰も責められないでしょ。」

あの記事を書いた記者が今朝亡くなったと言い、二人の間に何かあったのかもしれないと梨央。梓は顔色一つ変えず、本当かどうかわからない内は気にせず堂々としていろ、それが社長の仕事だと言う。


その頃…後藤は証拠になる資料を回収していた。手伝わせて欲しいと言う不動産屋に「私一人でやる。他人を信用した私が間違っていた。」…栞が亡くなったと思われる夜も証拠を回収していただけなのか?


杉並西警察署の生活安全課に配属された大輝に、栞が亡くなったと桑田からメールが入る。捜査一課から転属されたことで、何かあったのだろうと囁く者もいるが、子ども相手に生き生きと仕事をする姿は、どこか楽しそうに見える。


その夜、母親から言付かった濁酒を梨央に届ける大輝。梨央は一緒に飲もうと誘う。昔話で盛り上がる二人。ホント仲がいい。まるで昔に戻ったみたいで微笑ましい。


大輝を送りがてら線路沿いの道を歩く二人…

「この前、これからのこと考えようと言ったやろ…二人で考えんか?これからのこと。」

「私も同じこと思っとった。事件解決して、薬出来たら、その時言おう思っとった。」

「今やないんやな。ええわ、そん時が来るまで待っとこう。」

電車が通ると負けないよう大声で、先のことを考える相手は他にいないと言う大輝。「私もおらん。」と梨央。手を繋ぐ二人。この幸せがいつまでも続くといいのに…


捜査本部では…「事件性ガンガン匂ってきた。橘栞が持ち歩いていたノートパソコンが見つからない。」と山尾。桑田を呼び、栞が梨央に何度か接触していたことを確認すると「真田梨央といえば宮崎だな。本部外れた今が使い時だな。」昭の事件と栞の死は繋がっているから、大輝からネタを引っ張って来いと言う。


後藤の行方がわからず、守衛に鍵を開けてもらい専務室に入る梨央。泥棒が入ったかのように荒らされていることに驚く。書類が散乱し、いくつかの血痕も…おそらく後藤の鼻血の痕だろう。

梓に報告すると警察へは通報しないよう言われる。梓は加瀬と一緒だった。会社が管理している別荘があり、後藤しか使っていないから、そこに居ると思うと…。梨央は慌てると判断を間違うから、しっかり手綱を取れと言う。「不正の実情をご存知であれば、梨央社長へのご説明をお願いします。」加瀬が怒っているのがわかる。不正が事実であれば、言い逃れが出来ない違法行為だと「表に漏れれば、騒ぎは今までの比じゃありません。」「表に漏れる前に内々で済ませましょ。こういう時の為に加瀬くんが居るのよ。」


梨央と加瀬は別荘へと向かう…「やっぱりお母さん、居場所知ってたんだね…」「30年間近く支え支えられての間柄だし。」「加瀬さんと私の倍ね。」「まだ半分かって感じだな。」梓と後藤の絆を思い知る二人。


大輝に会いに行った桑田は、栞の昭殺害時のアリバイの裏が取れたことを報告。防犯カメラから、動物愛護団体へ不法侵入しようとしていたことが判明したのだ。その団体から真田グループと繋がりのある会社に資金が流れているという。梨央から何か聞いていないかと大輝に尋ねる桑田。知らないことは答えられないという大輝に、山尾から大輝を利用しろと言われたと話してしまう。昭と栞の事件の犯人は、梨央の周辺にいる筈だと言っていると…

栞についてはまだ事件だと断定されていないが、パソコンが見つからないことや『真田ウェルネス』の役員と揉めていたという話もあると。事件を解決したいから、力を貸して欲しいと言う。自分たちがもっと頑張っていたら、栞は死ななかったのではないかとずっと考えていたのだ。「俺に出来ることは無いだろ…」と大輝。

だが、やはり気になったのか法医学教室を訪ねる大輝。顔見知りの教授からまだ司法解剖が終わっていないと聞き、驚く。事件性がないから順番待ちをしているというのだ。検視官の所見によると、栞の死亡推定時刻は午後8時から12時。薬毒物の検出は無く、爪の間などから第三者の皮膚片も見つからなかった。遺族の話では大学時代に何度か自殺未遂をしていたと。捜査で事件性が認められなければ、自殺で処理することになると言う。

大輝の反応を見て、取材対象を追い続けていたからといって、突然自殺する筈がないとは言えないと…「わからないもんだよ、人の内面は。いくら刑事でも簡単に読み切れるもんでもないよ。」

そして、所轄に異動して山尾から離れられたのは良かったと言う。「あの地位に就くまで何人の部下が使い捨てられたか知ってるか?彼には気を付けた方がいいよ。」…山尾にそんな顔があったとは!


別荘では後藤が証拠となる書類を燃やしたり、ノートパソコンを壊したりしていた。到着した梨央たちを見て逃げる後藤を加瀬が追いかける。梓が話を聞きたいと言っていると叫んでも、足を止めない。坂の上に逃げた後藤は『誰の指示か?』と言う加瀬の言葉にようやく足を止める。

「本当に一人でやったことですか?」「誰の指示でもない、私一人でやった。」着服はしていないし、会社の為にやったと言う。不正を行うつもりで始めたことではなく、落札した競売の土地を手に入れる際に手違いで融資が間に合わず、5億という現金が必要になり、プールしていた寄付金を借用したと。返せば済むと思ったと言う。

「済むと思っているのですか?」「君も私の立場になればやった筈だ。会社の不利益は回避した筈だ。あの場所は私のすべてだ。他には何もないんだ。何もないんだよ…」

戻って梓と話をして欲しいと加瀬。「会わす顔がないでしょ。警察にも追われている。」「大丈夫です、警察には通報していません。一緒に帰りましょう。」悲し気に首を振り、走り出す後藤。後藤のこんな顔、初めて見た…


絨毯の下に隠されていた大量の札束を見つけた梨央。残っていた書類で加瀬と不正金の流れについて調べ始める…

「後藤さん、一人でやったって言ったの?」梓に連絡する加瀬。「関係書類、そこに全て揃ってる?」「一部は専務が処分してました。引き続き専務を探しますか?」こちらで探すから、東京へ戻れと言う。…やはり梓は気づいていたと思う。もしかしたら梓の真意を汲み取って、後藤がやったのかもしれない。

「後藤さん一人の責任じゃ済まないよね…」と梨央。加瀬は梓はそれで済ますつもりだと言う。真田の老人ホームの入居者から寄付金を募っている以上、見過ごしていた会社の問題だから公式に謝罪する必要があるのではないかと梨央。それに対し、新薬の申請まであと一歩で、承認までまだ暫くかかるという加瀬に「隠蔽するの?」と眉をひそめる。「そうは言ってない。現実的に話そうと言ってる。」謝罪をするにしても、不正の全容を把握しないといけないし、この規模だと精査にもかなり時間がかかると言う。

「もう疲れた…」梨央の目から涙が零れる。「やるべきことをやるんだろ?」「何でいつも私の味方してくれるの?私のことどう思っているの?」「どういう意味?」「嫌になんない?」「ならない。何度も言うけど、家族だと思ってる。幼い頃に家族を失った辛さはわかるから、自分が代わりになろうと思った。」そして、今までよく頑張った、必ず報われる日がくると言う。

新薬が承認され、多くの人の人生がいい方へ変わる。今まで治せなかった病気の治療にも適用されるかもしれないと…「世界がいい方へ変わっていくのが見たい。そう思って同じ舟に乗った。自分がどれだけ凄いこと成し遂げようとしているか、わかってる?本当に凄いことなんだよ。」


捜査本部では…栞の取材対象が昭の事件の関係者と丸被りだと山尾。「渡辺昭に死んで欲しかった人間、橘栞が邪魔だった人間…」…そう考えると二人に共通するターゲットは梨央だ。梨央と会社を守りたかった人の犯行?だとすると梓か加瀬?


梓と加瀬が一緒のところへ政信(奥野瑛太)が入って来て、父親(光石研)の死体遺棄にかなり傷ついたと言う。「世間から見たら悪いことでしょうけど、達雄さんの気持ちはわかる。私も同じことしてたと思う。地位も立場も忘れてね。」…梓の言葉に冷やかな目を向ける加瀬。


優(高橋文哉)がバイトをしているレストランで食事をする大輝。優は、梨央が大輝の母親に濁酒のお礼を送りたいと言っているから、住所を書いて欲しいと紙とペンを渡す。そのペンを見た大輝は…「これ、優のか?」「姉ちゃんのや。」

ペンにローマ字で『ウェルネスホーム』と彫られていた。優からペンを借り、署に戻った大輝は昭の事件の遺留品リストを確認。その中に全く同じペンがあった!

ペンの写真を桑田に送ると、かなり似ているが、彫られているマークが『真田ウェルネス』の物とは違うと言う。


ようやく優の治験が始まる…「優が弟でおってくれたで、ここまで来れたんや。」と梨央。自分だけ覚えていないことがあるのが恐かったと優。「でもな、今は前ほど怖いと思わんくなったわ。それは姉ちゃんのおかげやな。」


病院のロビーで梓が待っていた。治験の終了は12週間後、データ解析を済ませて来年申請予定だと話す梨央。そして声をひそめ「どうするの?不正のこと。」「ウチの方で処理しておく。騒ぎ立てたら後藤さんが一人悪者になって、可哀そうでしょ。」後藤が別荘の倉庫に隠れているのを見つけ、今は過労で療養していると言う。

「お母さんいつから不正のこと知ってたの?…知ってたんでしょ?」「梨央に話したところでどうにもならないわよね…」

そこへ大輝から電話が入る。『ウェルネスホーム』について聞かれ、10年前に売却したが、社名が入ったペンはオープン記念の物で、梓が周りの人に配り、自分も持っていると答える。事件と関係していると聞き、自分の会社の記念品がどう関わっているのか教えて欲しいと梨央。だが、藤井(岡山天音)が訪ねて来たことで「架け直す」と電話を切る大輝。

「何でおるんや、お前。」「先輩、誰と電話しとったんですか?」…大輝を見つめる藤井の顔がどこか怪しい。

ペンのことを梓に尋ねると、赤いペンは特注品でこの世に5本しかないと言う。持っているのは梓、梨央、政信、後藤、そして加瀬…。


◆疑問点◆

①康介を最初に刺したのは優だが、真犯人は別にいる?

②遺体遺棄は達雄一人でやったことなのか?協力者がいたのか?康介の事件には寮生が絡んでいるように思えてならない。

③達雄が亡くなった後、梨央の家を藤井が訪ねて来たのは何故?

④昭を殺害したのは、ペンを持っている4人の中にいる?

⑤公園で昭と会った後、梨央がタクシーの中で泣いていたのは何故?

⑥昭に渡した5百万は何の口封じ?ホテルに残された昭の持ち物の中に『犯人?』と書かれたメモがあったが、誰のことを指しているのか?梨央?

⑦寄付金詐欺のことは梓も知っていたのか?

⑧後藤は資料を回収していただけで、栞の死には関係ない?

⑨プロデューサーからのヒントということで、優が子どもの頃に首からぶら下げていた物が鍵とあったが、メモ帳と携帯だった。あのメモ帳はその後どうなったのか?


康介の事件は藤井が怪しく、昭の事件は梓が怪しいと思わせて、まさかの加瀬?8話を見るとどうしても梓か加瀬に絞られてくる。ペンを使用しているシーンがあるかどうか、録画を確認したくなった。

更に8話では梓、後藤、山尾の新しい顔が見え、3人の印象が少し変わってきた。唯一、良く変わったのが後藤。梓と山尾はしたたかで信用できない感じ。そしてやっとお互いの気持ちを確認し合うことが出来た梨央と大輝。今度こそ幸せになって欲しいけど、1話の冒頭シーンを思い出すと難しいのかなと思う。優に何もないことを祈るばかりだ。




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